五話 なんでも。
鎖骨が丸見えで肩が今にでも 出そうな、感じで。 悔しいがこの服は、似合う。
柴(しば)
服買ってやる。
犬(けん)
ん?あ〜でも、いらないよ?
ご飯を食べながら、頬をパンパンにして、そう言った。
柴(しば)
俺が買いたい。
犬(けん)
じゃあ、服じゃなくて、ご飯を買ってよ!ステーキ食べたい!
柴(しば)
それも買ってやる。
犬(けん)
うん!ありがとう!(*^^*)
ニコニコ笑っている。 ただ、この服を脱がせられない。
――仕方ない、
柴(しば)
その服、派手すぎないか?
犬(けん)
そう?結構好きなんだけどなぁ、
少し悲しそうに、声が小さくなる。
酷いことは、言いたくない、ただ嘘でもいいからどうにかしてその服をぬがせたい。
柴(しば)
その服、あってないし、着替えたら?
犬(けん)
そんなに変?……かな、
少し困った顔をして、 その服を見ている。 その服の何が、いいか分からない。
だんだん、皿の上にある物が無くなる頃。 ずっとむき出しの首を触った。
犬(けん)
なに?
首を少し赤くしながら、そう言った。 ソファに押し倒して、乱れた服の中に手を入れる。
優しく触れるように、そーっと触る。
耳がピクピクして、両手で顔を隠している。
犬(けん)
くすぐったい、
顔を隠していた手をはなして、俺の頬を触る。 数秒見つめ合って、キスをした。