テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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LINE１３０４

第1話 - あ

2023年11月09日

#スカッと

タナカトシキ

キリノ

バツイチ子持ちババアはお兄ちゃんに相応しくない！さっさと別れろ！

マナミ

え？ちょっと何よいきなり

マナミ

キリノちゃん、前あいさつに来たときは

マナミ

私とキョウスケの結婚を喜んでくれてたじゃない

キリノ

それは、マナミさんがお兄ちゃんより年上の、バツイチ子持ちだなんて知らなかったからよ

キリノ

あんたが娘連れてきた時は目を疑ったわ！

マナミ

びっくりさせたのはごめんね

マナミ

でも、バツイチ子持ちがそんなにいけないの？

マナミ

娘のサオリとキョウスケは本当の親子みたいに仲がいいのよ

マナミ

キョウスケは私達親子を支えたいって言ってくれて、

マナミ

サオリに凄く優しくして可愛がってくれてるし、サオリもキョウスケに懐いてる

マナミ

私達三人なら幸せになれるって確信してるのに

キリノ

幸せになれるわけないじゃんｗｗこっちこそ確信してるよ

キリノ

いい？連れ子ってすっごく大変なのよ！そんな大変な目にお兄ちゃんを遭わせようっていうの！？

マナミ

連れ子が大変なのはキョウスケも私も覚悟してるわよ

キリノ

いーや、なんにもわかってないね

キリノ

どうせ貧乏なシンママ生活に疲れて、お兄ちゃんを利用しようとしてるだけのくせに！

キリノ

あんたの娘だって可哀想よ。コロコロ父親が変わっちゃってさ

キリノ

複雑な家庭環境で将来グレるんじゃない？

マナミ

娘のことをそんな風に言わないで！

キリノ

大体ね、戸籍に傷のついたコブ付き女なんてお兄ちゃんにはふさわしくないの！

キリノ

離婚歴のある女なんて、碌な女じゃない

キリノ

どうせお兄ちゃんとだって、すぐ別れるに決まってるわ！

マナミ

ちょっと、そんな偏見で決めつけないでよ！

マナミ

私と元夫が別れた理由も知らないでしょう

マナミ

離婚理由は元夫のDVと浮気、それから散財よ

マナミ

娘を守るために、別れるしかなかったのよ

キリノ

そんなの知らない。片方の言い分だし、嘘かもしれないじゃん

キリノ

仮に本当だとしてもそれが何なの？だから自分は悪くありませんって？

キリノ

なんだかんだ言って、あんたの男を見る目がなかったのが悪いんじゃん

キリノ

そんな禄でもない男を選ぶようなあんたを信用できると思う？

キリノ

バツ２になりたくなければ、お兄ちゃんとは今すぐ別れなよ

マナミ

それ、キョウスケも碌な男じゃないってことかしら？

キリノ

とにかく、私は絶対に認めないから

キリノ

マナミさんだって、こんな酷い義妹とは関わりたくないだろうし、

キリノ

他の男を選んだ方が身のためよ

マナミ

そんなことない。私はキョウスケを心から愛してるわ

マナミ

だから諦めない。キリノちゃんにだって、いつか必ず認めてもらうわ

キリノ

ふん、そんなことしても無駄だからね

キリノ

それと、あんたの娘とお兄ちゃんを絶対に近づけないで

マナミ

どうしてよ。さっきも言ったけど、二人がとても仲がいいのよ

キリノ

どうせお兄ちゃんに子育て丸投げして、楽しようとしてるんでしょ！

キリノ

そんなことさせないから！

～数分後～

キョウスケ

うわ、マジか…キリノの奴、マナミにこんな酷いことを…

キョウスケ

本当にごめんな

マナミ

キョウスケが謝ることじゃないよ

キョウスケ

いや、元々13歳も年の離れた妹だから、

キョウスケ

兄妹べったりだったし、俺もつい、あいつを甘やかしてしまった

キョウスケ

きっとキリノはマナミとサオリに、俺を取られると思って嫉妬してるんだと思う

キョウスケ

だから間接的に俺の責任だ、ごめん

マナミ

仕方ないわよ

マナミ

キリノちゃんは多感な時期なんだし、尚更私のことは受け入れられないのかも

キョウスケ

ごめんな。なんなら、キリノのことは無視してくれて構わない

キョウスケ

俺がしっかりわからせてやるから

マナミ

大丈夫。私が話し合うわ。きっとそのうちわかってもらえるはず

キョウスケ

そうか

キョウスケ

だけど、サオリへも嫉妬が向かうかもしれないからな

キョウスケ

サオリも、キリノに近づけない方がいいと思う

マナミ

そうね

～数分後～

マナミ

サオリ、キョウスケさんの家にこないだ行った時に、

マナミ

キョウスケさんの妹の女の子と会ったでしょ

マナミ

あの子、私とキョウスケさんの結婚に反対みたいなの。だから気を付けてね

サオリ

えー？でもあのお姉ちゃん、私にはとっても優しくしてくれたよ

マナミ

そう？

サオリ

うん。でもね、お兄ちゃんにはあまり近づかないでって、何回も言われた

マナミ

そっか

サオリ

あとね、お兄ちゃんに何か変なことされてないか、だって

マナミ

え？

サオリ

何もされてないよって言ったらホッとした顔をして、

サオリ

お兄ちゃんには気を付けて、だって

サオリ

それからね、気になったことがあるんけど、

サオリ

お姉ちゃんの長そでがめくれて、手首にほうたいが巻いてあって、

サオリ

血がにじんでたんだよね…なんでケガしたのかな？

～一時間後～

マナミ

キリノちゃん、話があるの

キリノ

何よ、バツイチおばさん

キリノ

やっとお兄ちゃんと別れる気になった？

マナミ

もしかして…キョウスケに何かされてる？

キリノ

…あんたには関係ないでしょ

マナミ

関係なくないわ。私の婚約者がどんな人かを知るのは、とても重要だもの

マナミ

それに、サオリに対してキョウスケに何かされてないかって、

マナミ

何度も聞いていたでしょ

マナミ

しかも、手首を切ってるんでしょ。ただごとじゃないわ

キリノ

うるさい！何でもないからさっさとお兄ちゃんと別れなよ！

マナミ

私、キリノちゃんが心配なのよ

マナミ

教えてほしい。結婚に反対する本当の理由を

キリノ

なんでよ…うちの両親だって心配してくれないのにさ

マナミ

キリノちゃん…

キリノ

そうだよ

キリノ

私、お兄ちゃんに小さい頃から性的虐待されてるんだ

キリノ

小さい頃はわけわかんなかったし、お兄ちゃんが優しくしてくれるのが嬉しかったけど、

キリノ

成長するにつれて自分のされたことの意味が分かって、

キリノ

沢山抵抗したけど、お兄ちゃんはやめてくれなくて、

キリノ

耐えられずにリスカだってしたのに、

キリノ

お父さんもお母さんも気づいてくれなくてさー

キリノ

まぁ、心配かけたくなくて仲良し兄妹やってたからね

キリノ

知ってる？お兄ちゃんの部屋、妹物のエロマンガやAVあるんだよ

キリノ

連れ子のやつもあるし…

マナミ

嘘…

キリノ

お兄ちゃんがマナミさんと結婚するって言って連れてきた時、

キリノ

あぁ、やっと解放されるんだ…って喜んだの

キリノ

でも、マナミさんには娘がいた

キリノ

これは娘に手を出す気だなって、確信したよね

マナミ

信じたくないけど、確かにマッチングアプリでキョウスケと出会った時、

マナミ

娘がいると知った後熱心に口説いてきたんだよね

マナミ

バツイチ子持ちの私を支えたいんだって言ってくれて、絆されたけど…

キリノ

バッカじゃないの？暢気すぎでしょ

キリノ

義理の父親に手を出される話って多いのにさ

キリノ

男を見る目がなくて離婚しただけあるよね

キリノ

私もさ、滅茶苦茶悩んだんだよ

キリノ

このまま結婚に賛成し続けたら、私は解放される

キリノ

他人の娘がどうなろうが知ったこっちゃない

キリノ

そう思おうとしたのに…無理だったんだよね

キリノ

あの子の無邪気な笑顔を見てるとさ…

マナミ

キリノちゃん…

キリノ

だから、嫌な小姑になって結婚を邪魔してやろうとしたの

キリノ

流石に私がされてることなんて、言いたくなかったから。結局言っちゃったけど

キリノ

ま、そんなわけでお兄ちゃんとの結婚はお勧めしないよ

マナミ

うん。結婚はやめることにする。教えてくれてありがとう

マナミ

ごめんね、辛い事聞いて

キリノ

これに懲りたら、もっと男見る目養いなよ。じゃーね

マナミ

でも、あなたのことも放っとけないわ

マナミ

これからどうするの？ずっとキョウスケに手を出されて、我慢し続けるの？

キリノ

は？関係ないでしょ

キリノ

こんなキモイ兄妹のことなんか忘れなよ！

マナミ

そういうわけにはいかない

マナミ

自分が犠牲になる覚悟で私達を助けてくれたお礼に、

マナミ

私も、あなたを助けたいの

～翌日～

キョウスケ

なぁ、部屋に俺のパソコンがないんだけど

キョウスケ

マナミ、何か知らないか？

マナミ

私、今キリノちゃんと一緒に警察署にいるの

キョウスケ

へ？

マナミ

児童相談所にも通報したわ

キョウスケ

ちょっと待てよ

キョウスケ

警察署？児童相談所！？何の話だよ！

マナミ

とぼけたって無駄よ

マナミ

キリノちゃんが、すべて話してくれた

マナミ

あなたの部屋にも入った

マナミ

本当に、連れ子物のポルノがあったのね…

キョウスケ

おい、何見てんだよ！プライバシーの侵害だぞ！！

マナミ

サオリに手を出すつもりだったのよね

マナミ

キリノちゃんと同じように…

キョウスケ

違う！ポルノと現実とを一緒にするな！

マナミ

パソコン、見させてもらったわ

マナミ

キリノちゃんのえげつない写真や動画がいくつも保存されていた

マナミ

それから、新しいフォルダにサオリのきわどい盗撮写真も…

キョウスケ

そんな…

マナミ

証拠は揃ったわ

マナミ

後は、これを警察に提出するのみよ

キョウスケ

違う！！

キョウスケ

これは、キリノが俺を嵌めようとしてるんだ！

キョウスケ

大体、キリノだって喜んでたはずだ！それを…

マナミ

動画や写真のキリノちゃんは抵抗して泣いてたわ

キョウスケ

そういうプレイなんだよ！！

マナミ

こんな男と結婚して、

マナミ

娘を危険な目に遭わせようとしていたなんて…

マナミ

信じていたのに、あなたは私ではなく、娘が目当てだったんだね

キョウスケ

な、なんだよ嫉妬か？

キョウスケ

自分の娘に嫉妬するなよ～ｗ

マナミ

は？

キョウスケ

安心しろ。俺が本当に愛してるのは、お前だけだからさ

マナミ

ふざけないで！！

マナミ

キリノちゃんはね、見て見ぬふりをすれば

マナミ

自分はキョウスケから逃れられると思って、葛藤していたの

マナミ

それでも、嫌な役を演じてまで結婚を止めようとしてくれた

マナミ

私に自分のされていることと、あなたの正体を教えてくれた

キョウスケ

それは、キリノが俺を取られたくなくて…

マナミ

脳味噌腐ってんの！？

マナミ

私はキリノちゃんを放っておけなくて、

マナミ

警察と児相に言うように説得した

マナミ

誰にも知られたくない、お父さんやお母さんに迷惑かけたくないって

マナミ

キリノちゃんは随分渋ってた。無理もないわね

マナミ

だけど、このままだとキリノちゃんはずっと逃げられない、

マナミ

キョウスケはまた別の誰かに手を出すかもしれないって言ったら、最終的には頷いてくれた

キョウスケ

おいふざけんな！！余計なことをしやがって！

キョウスケ

婚約者を警察に売るのかよ！

マナミ

婚約は破棄させていただきます

マナミ

あなたはもうすぐ捕まると思うわ

キョウスケ

お、おい本当に待てよ！

キョウスケ

わかった。もうキリノにもサオリにも手を出さない

キョウスケ

だから許してくれ！！頼む！！

キョウスケ

警察だけは嫌なんだ！！

～後日談～

マナミ

その後、キョウスケは盗撮と未成年への性的虐待で逮捕されました

マナミ

キョウスケとキリノちゃんの両親も本当のことを知り、

マナミ

『今まで気づいてあげられなくてごめんね』とキリノちゃんを泣きながら抱きしめていました

マナミ

キョウスケは塀の向こうへ行き、今では他の受刑者達の

マナミ

ストレス解消のサンドバッグになっているそうです

マナミ

私とキリノちゃんは、娘を交えて時々お茶をする仲になりました

マナミ

キリノちゃんの心の傷も徐々に癒えているようで、

マナミ

今では穏やかな笑顔を見せてくれています

マナミ

彼女の言っていた通り、私は確かに男を見る目がなかったと思います

マナミ

あのまま結婚していたらと思うと、ゾッとします

マナミ

今後は娘の為にも人を見る目を養いたいですし、

マナミ

もしかしたら、一生再婚はしない方がいいかもしれません

マナミ

当分は、娘と二人で頑張っていこうと思います

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タナカトシキ

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