ある日の夕方
柏木 春太
柏木 春太
少年・柏木 春太(かしわぎ しゅんた)は、居残りになり物思いにふけっていた。
柏木 春太
柏木 春太
これは彼のいつもの日常なのだが、彼はいつも、ただ勉強をサボっているわけではなかった。
彼は思い悩んでいた。 彼は少しだけ、周りの同級生などより、要領が悪かった。
故に、彼は周りに追いつけず、その劣等感から頭を抱えていた。
柏木 春太
悩む春太をみかねて、一人の男がガラガラと音を立てて扉を開け、彼の机へと近づく。
担任
柏木 春太
担任
柏木 春太
柏木 春太
現在中学二年生、ちょうど三学期の真っ只中で、周りもそろそろ高校進学へ向け考え始める頃。
要領が悪く、なかなか勉強の進めない春太にとっては、この状況は何よりの苦痛だった。
担任
担任
担任
明らかに自身がなさ気な担任の口調に、更に落ち込む春太。
柏木 春太
担任
言って即座に教室を出た春太を担任が呼び止めるも、春太の足が止まることはない。
春太は忘れるため、多々ひたすら走った。
河川敷にたどり着いたとき、彼は体力を消耗してその場に倒れ込んだ。
柏木 春太
柏木 春太
柏木 春太
彼にとってアニメは、そしてネットは、自分にとって厳しい現実を唯一忘れられる居場所だった。
柏木 春太
柏木 春太
柏木 春太
柏木 春太
家に帰ってきたはいいものの、この時間帯、柏木家は共働きなため、誰も家にはいない。
柏木 春太
不安な心情を覆い隠すように、リビングにあるテレビをつけて大音量にする。
柏木 春太
“こんな幸せな世界に来訪を” 最近春太が見ているうちで、特にハマっている異世界アニメだ。
柏木 春太
考えるうちに、どんどんと時間は過ぎていった。
柏木 春太
“こんしあ”の感傷に浸り、ふと時計を見ると、既に8時半を回っていた。
柏木 春太
春太は言うと、自身の寝室へと赴いた。
柏木 春太
柏木 春太
柏木 春太
柏木 春太
何故か周囲から川の流れるような音が聞こえ、春太はふと聞き耳を立てた。
柏木 春太
耳を澄ますと、全身にある嗅覚、触覚と云った感覚も徐々にその状況を認識し始めた。
そして春太は目を開けた。
柏木 春太
そこは深い森の中だった。
辺りを見回すと、この世のものとは思えない造形、木々など、見たことの無い様々な植物や動物が、春太を迎え入れた。
柏木 春太
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