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ねぇ心都ちゃん
Koto .
…… 。
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キミがこっちに来てくれるなら花垣武道を解放する
Takemichi .
ぇ …… 、
Koto .
、!
.
どうする?笑
.
心都ちゃん
Takemichi .
ッッ 、
Takemichi .
心都さん!俺のことはいいから逃げ_____
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今お前に聞いてない
そう言って武道くんの首に当てていた刃物をスっと動かす。
スーッと血が垂れた。
Koto .
…… 分かった、
Takemichi .
心都さんッ
切られても尚、私を止めようとする武道くん。
Koto .
約束は守ってね
.
勿論だ
Koto .
それでいい。
止める武道くんを置いて、
私はその場を去った。
外に出ると、空に星が光っていた。
空の小さな光に目を向けることなく、
目の前の人物は足を動かす。
そして細い道に入った。
そこで目の前の人はやっと口を開いた。
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俺は灰谷蘭。
Ran .
よろしくね
Ran .
心都ちゃん
と。
前を向いた儘、歩いた儘。
だから表情が読めず、なにを考えているのかサッパリ分からなかった。
Koto .
……
そして漸く足を止めたと思えば、
高いビルの中に入っていった。
ドアを開くとそこには、
人が数名座っており、
皆目の下にクマを作り、カタカタとタイピングをしていた。
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おかえり 灰谷 _____
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え ?
おかえりと言い、こっちを見た途端に固まった人。
Ran .
首領ー!
おかえりと言われたのにフル無視し、特等席に座った人に向かって喋りかける灰谷蘭。
バラツキはあるのだが、
次の言葉で皆が固まり、こっちを向いた。
Ran .
連れてきたよー!
Ran .
心都ちゃん!!
幾つも間を置き、彼らがやっと言葉を発したのだが、
「 …… は、? 」
という、なんとも間抜けな声だった。







