剣持刀也
幸い外を出る頃には、 雪は止んでいた。 冷たい空気が刺すように 僕たちを包む。
手袋とか 着けてくればよかった と舌打ちする。
するとガッくんが 大きい手袋を 投げて寄越した。
剣持刀也
あんまりでしょ。
まだ少し温もりの残る ぶかぶかの手袋を着け、 ぐちぐちとこぼす。
伏見ガク
全く。
ワザとそんなことをするほど ガッくんは性悪じゃない とわかっているから、
剣持刀也
右手だけ手袋を着け、 片手はガッくんの右手を掴み、 コートのポケットに ぐいとねじ込む。
伏見ガク
慌てるガッくんに 手袋のもう片方を渡す。
剣持刀也
と言うと、
伏見ガク
一度コートに ねじ込まれた手を抜き、 ガッくんが 左手に手袋を着ける。
その動作が少し 艶っぽく見えたから、 ポケットの中の何かに 気付くのが遅れた。
剣持刀也
伏見ガク
おそらく 今日一番の声で叫びながら ガッくんが飛び退く。
ポケットの中には 何か固い箱のような物が あった気がしたが、
不自然に離れ、 まるで威嚇をするガッくんに すぐに何なのか 訊けるとは思わない。
剣持刀也
手をひらひらと 振ってみせると
安心したのか ポケットの中身を 見えないように 入れ替えていた。
伏見ガク
行きましょ、じゃねぇ。
何だコイツ。
僕のほうがよっぽど 大人じゃないか。
僕の知らないガッくんが 増えたようで、 “あの時”から感じていた モヤモヤが もっと大きくなった気がした。
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
剣持刀也
もくもくの
剣持刀也
もくもくの
もくもくの
もくもくの
剣持刀也
もくもくの
剣持刀也
もくもくの
剣持刀也
もくもくの
コメント
6件
別に他の方のにじさんじ作品を色々見た訳でもないけどこの話がいちばん好きかもしれん…話の組み立てが上手すぎる🥹🥹
面白い!