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2年後

刑務所 更衣室

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

ゴソゴソ……(⟵着替えてる。)

ガチャッ

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!

看守

3152番、日下部 柊。

看守

お前に面会だ。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

面会……?

看守

今すぐ来るように。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

······はい。

面会室

ガチャッ

看守

入りなさい。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(・ω・`)))))トコトコ

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

······っ!?

俺は驚愕した。何故なら俺に面会をしに来た人は数年ぶりに会う人だった。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

柊……久しぶりだな。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

裕之おじさん……!?

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

元気にしていたか?会わない間にこんなにも立派な男前になりおって……。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

おじさんも元気そうで何よりです!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

······でも、どうしてここに?

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

お前さんを助けに来たんじゃ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

え……?

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

2年前のことを聞いたんじゃ。
お前はただ妹を助けに行っただけなのに……。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

あの女は……親の恩を仇で返しただけでなく……その上、実の子であるお前たちを酷い目に遭わせおって……!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

子供の頃からの仲なのに……お前たちのことを気づいてやれなくて……本当にすまなかった……!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

そんな…!おじさんが謝ることはないですよ!元はと言えば、あの女の本性を見抜けなかった俺が悪いんです。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

見抜いていたら……こんなことには……

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

いや!それは違う!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

待っていろ!絶対にお前さんをここから出してやるからな!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

でも、どうやってですか?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

あと12〜3年もここにいなければいけないのに……。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

それなら大丈夫じゃ!お前さんを早期釈放する為に弁護士も保放金も用意しておる!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

え……!?

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

だから安心せい!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

おじさん……!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

今、お前さんが居るべき場所はここじゃなくて里桜ちゃんの隣だ!あの子は今でもお前さんの帰りを待っている!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

……っ!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

後はわしに任せろ。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

おじさん……。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

ありがとう……ございます……。

それから直ぐに早かった。

裕之おじさんが雇った敏腕弁護士の 協力と多額の保釈金で俺は刑務所から 出ることができた。

1ヶ月後

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

何から何まで……本当に……ありがとうございます……!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

礼はいいんじゃよ!

弁護士

スっ……(⟵柊に封筒を差し出した。)

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!これは……?

弁護士

裕之様が雇った興信所の結果です。新しい住所や妹さんの写真、それからここ3ヶ月間の様子などの資料が入っていますよ。

弁護士

ご拝見を。

俺は弁護士から封筒を受け取り、 その中身を見た。

そこには資料の中に数枚の18歳になった妹の姿が写ってる写真が入っていた。

写真に写っている18歳の妹の姿は……

手足に包帯が巻いていて、

目の下に隈があって、

痛々しい姿をしている妹は写真の中で苦しそうで悲しげに微笑んでいた。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

…………っ

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(里桜……里桜……。)

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(1秒でも早く会いたい……!)

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(早く会って……お前を力強く抱きしめたい……!)

俺はそう思いながら写真を愛おしそうに抱きしめた。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

あぁ……忘れる所だった!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

……ほれ。

裕之おじさんは鞄の中から分厚い封筒を取り出し、俺に手渡した。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!これは……?

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

お前と里桜が遠くへ逃げる為の金じゃ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!?

俺は渡された分厚い封筒の中身を見て驚愕した。そこには万札がこれでもかってくらいに入ってた。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

そんな……こんな大金……!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

これを持って、里桜ちゃんに会いに行け!そしてできるだけ遠くへ行って幸せに暮らすんじゃぞ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

本当におじさんには感謝してもし切れません。このご恩は一生忘れません。いつかまた会う時はお金を返します!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

お金なんかいいんじゃよ!さっ!早く妹の所へ行ってこい!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

はい!ありがとうございます!!!

隣町

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

確か……ここ辺りか……。

俺は興信所の資料に書かれてる住所を見ながら歩いていた。

そうこうしている内にやっとその住所を見つけた。

家の前

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

ここだな……。

俺は封筒に入っていたその家の合鍵を 取り出し、ドアを開けた。

あの女たちがいるかもしれないという 予想と警戒心よりも

不法侵入になるんじゃないかという 罪悪感よりも

愛しい妹に会いたい一心で 俺は家の中に入った。

ガチャッ

玄関

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

……っ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(玄関に靴が一足ある……里桜のだな。)

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(この様子だと、里桜は1人……!)

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

今の内にアイツらが帰ってくる前に里桜を連れて逃げないと……!

ガチャッ

居間

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜!

シーン···

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

いないな……。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

もしかして2階か……?

階段

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜?(・ω・`)))))トコトコ

声をかけても里桜の返事がなく、 ただ静寂に包み込まれていた。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(もしかして……買い出しか……?)

そういう考えを浮かびながらも俺は2階の渡り廊下に着いた。

2階の渡り廊下

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜……?(・ω・`)))))トコトコ

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

どこなんだ?(・ω・`)))))トコトコ

その時だった。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

……っ!!!

一瞬だけ、

鉄臭いような匂いがした。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

まさか……!

俺はその匂いを頼りに部屋に向かった。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜!里桜!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

いるのか!!?

ガチャガチャ!

ドンドンドン!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

開けてくれ!俺だ!お兄ちゃんだ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜を迎えに来たんだ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

だから……

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

だから開けてくれ!!!

内側から鍵をかけられたのか、 ドアが一向に開けられない。

部屋から里桜の返事がないことと血の匂いが増していく度に激しい恐怖と不安が俺の中で支配されていた。

それでも俺は何とか冷静を保って、 ドアに向かって体当りをした。

ドンッ!

ドンッ!!

ドンッ!!!

何度も体当たりをしたことで身体中に痛みが走ったが、それでも関係なく俺は何度も何度もドアに体当たりをした。

そして……

バキッ!!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!開いた……!

ドアを突き破ることができて、 俺は急いで部屋の中に入った。

俺は部屋に入った瞬間に 信じられない光景を目の当たりにした。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

……っ!?

そこには……

家具も何も無い部屋の中、

虚ろな目で白い天井を見上げていて、

赤く小さな水溜まりに倒れている

変わり果てた妹の姿があった。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

……っ!!!

里桜❁⃘*.゚(18歳)

…………。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

……里、

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜!!!

俺は直ぐに駆けつけて、ぐったりしている里桜を抱きかかえた。

するとその時、

カランッ…

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!

里桜の右手からカッターナイフが するりと地面に落ちた。

そのカッターナイフの先端は妹の血で真っ赤に染み付いていて、

里桜の左手首からは 深く切ったのかどす黒い血が地面へ ポタポタと流れ落ちていった。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

お前……自分でやったのか!?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

自分で切ったのか……!!?

俺は妹を問いかけた。 けれど里桜はただ虚ろな目でいて、俺の問いかけに何も返事はなかった。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

救急車!今すぐ呼ぶからな!

俺は血濡れになってる手で鞄からスマホを取り出して急いで連絡をした。

プルル……

指令員

119番、火事ですか?
救急ですか?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

救急です!

指令員

住所はどこですか?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

△〇市〇丁目△番地です!

指令員

どうしましたか?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

妹が……妹が手首を切って倒れてます!

指令員

分かりました!
すぐにそちらへ向かいます!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

早く来てくれ!頼むから!

俺の妹を助けてくれ!!!

数時間後

病院

手術室前

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

…………。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

はぁはぁ……ε”ε”ε”(ノ* •ω• )ノ

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

柊!里桜ちゃんは!?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

まだ出てきてない……。

少し離れた所にある「手術中」という 看板がまだ光っている。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

まさかこんな事になるとは……!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜……里桜……!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

頼むから……無事でいてくれ……!

そして……

光っていた「手術中」が静かに消えた。

ガチャッ

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

っ!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

っ!

医者

トコトコ(((((´・ω・)

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

先生!里桜は……

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

妹は……無事ですか?

医者

…………。

医者

手を尽くしましたが……

医者

残念ながら……お亡くなりになりました。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

······!!!

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

······っ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

そんな……!

医者

······こちらへ。

手術室

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

(・ω・` )))))トコトコ

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

(・ω・` )))))トコトコ

医者

······スっ(⟵里桜の顔にかけている白い布を取った。)

先生が白い布を取った時の妹の顔は 今でも忘れない。

穏やかに眠っている姿だった。

俺は震える手で里桜を触れて、 抱き起こした。

氷のように冷たくて、軽かった。

里桜❁⃘*.゚(18歳)

( ˘ω˘ )

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜……。

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

······っ

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

何時まで寝てんだよ?2年ぶりにやっと会えたぞ?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

ずっと会いたかったぞ…(*-ω-)ヾ(・ω・*)ナデナデ

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

柊……。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

ほら、裕之おじさんもいるぞ?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜、裕之おじさんのことを心配していて、ずっと会いたかったんだろ?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

起きて……俺らの家に帰ろう?

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

俺らだけの家に帰って、あの頃みたいに幸せで静かに暮らそう?

裕之(柊と里桜のおじいさんの友人)

うぅっ……。

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜……!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

頼むから起きてくれよ!!!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

やっと会えたのに……!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

今度こそはお前を守ろうと決めたのに……!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

頼むから目を開けてくれよ!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

里桜……っ!!!

柊‪✌︎('ω')✌︎(18歳)

うぅ……うわぁぁぁああああ!!!

俺はただただ泣き叫びながら冷たくなった里桜を強く抱き締めた。

何度も懇願しても、

何度も呼びかけても、

里桜が目を覚ますことは 二度となかった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

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ユーザー

皆さんこんにちは!主こと人ちゃんです!すいません!第14話のあらすじが第13話と被ったというミスがありました!正しくはこのあらすじです!⬇⬇⬇ 柊と里桜の過去⑦ ~微かな希望から絶望へ~ あらすじ:逮捕されてから数年後、柊はいつも通りに虚空な刑務所生活を送っていた。そんなある日、意外な人物が面会しに来て柊を早期釈放するは急いで里桜の元へ行って、一緒に遠くへ逃げようとしたが……。

ユーザー

Iコメ!とりまいいね200に、……里桜ちゃんは人を悲しませるのが得意だねぇ

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