暁菜
……はぁ
朝一番に出勤して 屋上で考える
なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだって
皇輝
……やっぱりいた
暁菜
おはよう
皇輝
ここに来るの
ずっと変わらないね
ずっと変わらないね
暁菜
……うん
暁菜
今のメンタルじゃ辞めて直ぐにほかのとこで働ける自信も無いし
皇輝
…そっか
皇輝
……俺は
皇輝
まだ暁菜のこと好きだから
暁菜
……え?
皇輝
暁菜は嫌いでも
皇輝
俺は好きだから
皇輝
……それだけ
皇輝
お互いがんばろう
パタンッ
ズルッ
暁菜
びっくりした……
皇輝がまだ僕を好きって
知らなかった
冷められたと思ってたから
暁菜
……考えよう
皇輝
暁菜は嫌いでも
皇輝
俺は好きだから
維織
(……え)
人が来て思わず隠れたけど 2人だった
最初から最後まで 全部聞こえてた
ふたりが付き合ってたなんて
ズキッ
維織
(……?)
維織
(心臓が痛い)
張り裂けそうだ
ウィーンッ
暁菜
……おはよ
維織
……あっ
維織
お、おはようございます……
暁菜
うん?
暁菜
なんか元気ない?
維織
えっと……
そんなことないです、
そんなことないです、
暁菜さんの顔を見ると
心が苦しくなる
今日の出来事
正直に言うべきなのかも
維織
……あの、暁菜さ
上司
ちょっとちょっとー
上司
暁菜くんー?
上司
いるー?
暁菜
あっ!はい!
維織
……あ、
言えなかった
ズキンッ
維織
はぁ……
暁菜
あの……なんですか?
ジロっ
暁菜
……?
上司
よく出来てたよこの資料
上司
頑張ったねぇ
暁菜
ありがとうございます……?
なんか変だ
いつもなら貶してくるのに……
上司
あと夜に、話したいことあるから
上司
仕事終わりに○○室、きてくれるよね?
暁菜
了解しました。
嫌な予感がする
暁菜
その、私情とかであれば話はしたくないのですが……
上司
そんなわけないだろ?会社なんだし〜
暁菜
……
まるで僕たちが親しいみたいじゃないか
嫌だ
暁菜
はい
暁菜
では
暁菜
……
仕事は終わったけど 行きたくない……
維織
お疲れ様です!
暁菜
……
維織
暁菜さん?
暁菜
……えっ?あ、うん?
維織
……大丈夫ですか?
維織
最近お疲れのようですし……
暁菜
あ、いやそうじゃないんだけど……
維織
?
維織
仕事終わりですか?
暁菜
いや、仕事は終わりなんだけど……
話さない方がいいのか……?
維織
……?
暁菜
会社にはまだいるよ!
維織
……そうなんですか!
維織
仕事終わったら挨拶行きますね!
暁菜
……うん
維織
では!
ギィッ
暁菜
失礼します……
上司
やぁ!
やけに遅かったね
やけに遅かったね
暁菜
……
暁菜
あの……要件は……
上司
あぁ……それなんだけどね
ガチャンッ
暁菜
……!
暁菜
なんで鍵閉めて……