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教室に広がる水
その中から
手が出ていた
青白くて、冷たい手
まるで
川の底から伸びてきたみたいだった
???
震える声
間違いない
"けちゃの声"
俺は動けなかった
後ろからあっとの声
あっと
でも俺の足は動かない
水の中の手が ゆっくり俺の方へ伸びる
助けて
その声は泣いていた
寒いよ
苦しいよ
胸が締め付けられる
俺は思わず手を伸ばした
まぜ太
その瞬間
ぷーのすけが叫んだ
ぷりっつ
でも遅かった
俺の手が その手に触れる
氷みたいに冷たい
次の瞬間
視界が一気に暗くなった
ゴボッ
水の音
息が出来ない
目を開けると
俺は
川の中にいた
まぜ太
冷たい水
体が沈んでいく
暗い
なにも見えない
その中で
誰かがもがいていた
必死に
手を伸ばしている
???
その声
俺は分かってしまった
けちゃだ
制服のまま
水の中で必死に泳ごうとしている
でも
体がうまく動いていない
川の流れに飲まれている
けちゃ
けちゃ
苦しそうな声
手を伸ばしてくる
俺も必死に手を伸ばす
まぜ太
でも
届かない
流されていく
けちゃ
けちゃ
声が弱くなる
けちゃ
涙が水に溶ける
けちゃ
けちゃ
この言葉
聞いた瞬間
胸が締め付けられた
けちゃ
世界が止まる
俺は叫んだ
まぜ太
でも
その体は ゆっくり
川の底に沈んでいった
手だけが最後まで
俺に向かって伸びていた
そして
全部が暗くなった
???
誰かの声
目を開ける
俺は教室の床に倒れていた
びしょ濡れだった
あっきぃ
あっきぃが肩を掴む
ぷーのすけも青い顔をしていた
まぜ太
俺は震える声で言った
まぜ太
まぜ太
まぜ太
教室が静まり返る
ちぐが小さく聞く
ちぐさ
俺は震えながら
まぜ太
まぜ太
その瞬間
ぷーのすけの目から涙が落ちた
ぷりっつ
声が震える
ぷりっつ
拳を強く握る
ぷりっつ
あっとが静かに言う
あっと
あっと
外を見る
夜の風が強くなっていた
その時
教室の窓に
水で書かれた文字が浮かび上がった
まぜち
そして
その下にもう一言
まだここにいる
コメント
6件
はい、神です好きです。
最高でしたわ!音読会楽しかったし〜!もう普通に続き待ってるわ!