無力 2

青が屋上から落ちた

理由が分からない

何年も一緒にいたのに

俺は青が飛び降りた理由が分からない

いつから青は苦しんでたんだ？

いつから青は死にたいと思ってたんだ？

わからない

友達失格だ

俺に生きる価値はあるのか？

今まで助けてきたと思ってた事は全て

真逆だったのに

そして長年一緒にいた青の苦しみさえ

認知を出来なかったらのに

俺は何ができる？

今までの罪の償いで青の後を追うか？

俺はそう言い

無意識に青が飛び降りた所にいた

これは罪の償いなんかじゃない

逃げだ

罪から逃げているだけだ

じゃあ俺は何が出来る？

いや

あるじゃないか

青の自殺を食い止めよう

何度だって助けてやる

何度だって止めてやる

絶対に

青を殺させない

それから何度俺はやったんだろう

もう覚えてすらいない

何度も見た

何度も何度も

大切な友人が

死ぬ所を

何度も何度も何度も何度も

頭が狂いそうな程見てきた

俺はだんだん言葉を発する事も少なくなっていった

この行動に慣れてしまったのだろうか

そして今

いつもと同じように時間を戻し

いつもと同じように屋上に来た

そしたらいつもの様にお前は

この言葉も何度も聞いた

あぁダメだ

来たはいいが何も言葉が出ない

何を言っても毎回同じなんだ

それなら…

おかしい

いつもと違う

いつもなら何事もなく飛び降りるはず

なのに今は会話をしようとしている？

まさか…

いつもと違う

なぜ？

もしかして

毎回何か変わっているのか？

戻す度に変わるとしたら

何時かは自殺をしない世界になるんじゃないのか？

そういい飛び降りた青

昨晩高校二年生の青さんが自殺をなされた模様です

時間を戻す度に少し変わると分かった俺は

時間を戻しニュースを見るだけになった

今まではずっと青だけを見ていたから気づかなかったが

少しずつ何かが違うのが分かった

ニュースキャスターも違う

ニュースの内容も違う

なんでこんなに変わってる事かあるのに

青は変わらないんだ…

そしてまた何度も繰り返し

何を言うかを考え終わり

屋上に俺は来た

呼び方が変わっている

青もかなり変わった

なのにこれだけは変わらない

青を見ると頭が真っ白になる

そして言いたい事がどんどんと出てくる

だが我慢をする

それを言ったって信じてくれない

混乱をするだろうなら

だから俺はこれだけを言う

俺は何百日も考え

考えついたことはこんなにちっぽけな言葉

だが俺は必要がない

俺が何もしなくても世界は変わる

俺は何もしない方がいい

俺はニュースを見た

あの言葉を言ってすぐに帰宅をしたからた

そしてニュースには

青は載っていなかった

俺はニュースを疑った

だが絶対に生きていると思って

普通ならはしゃぐだろうが

嬉しさや安堵が多くあり

そんなはしゃぐ余裕がなかった

俺は外に出た

何も考えていない

すぐに青の電話をかけようとしたが

青の連絡先がなかった

きっとこれも代償なんだろう

背後から声がして後ろを振り返ると

生きている青がいる

だが今までと何かが違う

まるで

____のように

柔らかな笑みを浮かべる青

だが俺はそんなのどうでもいい

今はただただ

辛いから

テゥルーエンド

「初めから」