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めちゃめちゃ切ない… 好きっていう言葉だけだと恋愛的なのか、友達的なのか、どっちの意味でも受け取れちゃうのがあれだよね… 今見るとなんだかすごく泣けてくる🥲 続き楽しみにしてるね💕
…好き。好きのすれ違いみたいな。切ない感じがいい。
切ない、だがそれがいい
大森元貴side.
Mtk.
僕は生まれ育った小さな田舎町の
入り口に立ってそう呟いた
僕は十年ぶりにこの田舎町の大地を踏む
僕は十年前、作詞家になりたいと東京に上京した
手元には少しだけ暖かい携帯が収まっている
その液晶画面に映るのは田舎町に残った
若井と涼ちゃんのメッセージ
上京すると決めた時、背中から
ずっと後押ししてくれた大事な二人だ
そんな二人は今日僕が帰ってくることを
楽しみに待ってくれている
木枯らしが容赦なく吹き付け
凍えるような体に
二人の暖かいメッセージは心にじんわりと広がっていく
二人に会えることについ笑みを漏らしながら
僕は早歩きで道を歩いていく
『元貴、もう着く?』
『あとちょっとー』
『迎え行こうか?』
『いいよ、一人で大丈夫』
凍える指で液晶画面を叩く
涼ちゃんの柔らかい文面に
若井の中学生の時から変わらないアイコン
もう少しで、会えるんだ
小さい頃一緒に走り回った公園の脇を通り過ぎて
かくれんぼした林を抜ける
おしどり夫婦が住む古い家が見えてきたら
もう若井の家に着く
涼ちゃんと若井とは、昔からの幼馴染だった
親同士の仲がいいのがきっかけで
保育園の頃からずっと一緒にいたぼくたち
三人一緒なら何でもできる、と笑い合い
ずっと三人一緒だと指を絡めあった
その約束を放棄して
東京に行くと言い張ったぼくを
咎めることなく応援してくれた二人
その二人が、玄関の前で待っている
Ryok.
Hrt.
テンション高めの涼ちゃんと
そんな涼ちゃんを咎めながら家に入れてくれる若井
三人でわちゃわちゃしながら
ソファに座って笑う
すると若井が立ち上がった
Hrt.
Ryok.
Hrt.
笑いながら若井がキッチンに行くのを見送ると
僕は涼ちゃんの服を引っ張った
Mtk.
Ryok.
Mtk.
Ryok.
そう言って笑う涼ちゃんの顔に胸がキュッとなる
きっと、涼ちゃんは気づいていないんだろう
僕の涼ちゃんに対する『大好き』の意味を
友達として、好きだったんじゃない
昔から、ずっと。
貴方をちゃんと、恋愛的な意味で好きだった
Ryok.
でも涼ちゃんのその声には
恋愛的な意味なんて
これっぽっちも入ってない
『貴方に想いは伝わらない』 連載StaRt.
こんにちは
♡と💬沢山ください
それではまた