作者
第三話
作者
行ってらっしゃい!
別にいじめられていたわけでもない
親に虐待されていたわけでもない
それでも俺は卑屈になっていた
俺はここにあるのに
体はここにあるのに
俺はここにはいない
声は誰にも届かなくて
誰の目にも俺は映っていない
俺は今
どこにいるのだろう
すち
今日は服を買いに行こうか
この人の家にきて一週間
学校をサボっている俺に何も言わず
この人は
すち
有給消化する
と言って仕事を休み
俺の家具や服を買いに俺を連れ回している
すち
好きな店とかある?
なつ
店知らん
すち
じゃあ,僕がよく行くところでいいか
なつ
…うん
すち
暇ちゃんこれ似合いそうじゃない?
なつ
え…
すち
これ着てみてよ!
なつ
うん
すち
これとかどう?
なつ
あ〜
すち
細いからこれの方が似合うかな…
なつ
うーん…
よく喋る人だな
すち
じゃあこれにするか
すち
タグとって早速着替えよ
なつ
わかった…
似合わない
わけわかんない
なんかおかしい
これは俺じゃない
俺は
こんなじゃない
なんか
人形みたいだな
あの人きっと俺を人形だと思ってる
俺を着せ替え人形だと
なつ
似合ってる
俺が着せ替え人形なら
それは俺にお似合いだ
作者
今回はここまで!
作者
では!







