宴当日
6:30
零
(こんな朝早くとは思ってなかったな)
零
はぁ…
零
(ドレスや髪飾りが重い)
零
(メイド達は頑張ってくれたんだろうが)
我の衣装は、純白のドレスに所々
宝石が散りばめられている
髪型は三つ編みにされ
白い狐の尾の毛と一緒に編み込まれている
そして、いつものように王を示す王冠
今回の王冠は衣装に合わせて小さくしてある
王冠は、ただかりそめの王の印ではないのではないのだろうか
さぁ、本館の城門前に急ごう
そういえば、メイド達にロボロが付けているような 布を付けろと言われた
が、流石に前が見えないので辞めることにした
てか、どうやって見えてんだあの布
本館城門前
6:59
ゾム
おっ!零着替えたんやな!
零
あぁ しかしドレスが重くてしょうがない
ゾム
早くこっちに来いよ〜
ゾム
皆着替えて待っとったで!
皆、白のスーツにお菓子のブローチを身につつみ
かつての盟友の帰国を待っている
いつもの彼らとは思えない
初めて見る幹部に胸を踊らせながら帰国を待つ
零
……さてそろそろか
ゴーンゴーン
教会の金が鳴り響く
7:00
ぷぅーーー!
と言う音と共に帰って来た幹部達の姿が現れる
バッッッ
国民達がひざまずく
国民 「我々の身は貴方様の為にあり、 貴方様は我々の希望として居られます」
国民 「聖女の月明かりに照らされますように」
国民達が声を合わせて言う
我の時代では考えられなかったことだ
零
(うっ……)
零
(急に、気持ち悪くなってきた)
零
(やばい、頭が回らない…)
零
(…我が始まりの言葉をかけないと行けないのにっ)
零
皆の衆っ
零
今日は、全てを忘れて楽しもうッ
零
帰って来た我々の光を祝うために!ッ
ぱぁーん
一気に会場が賑やかになる
零
(っ…これは、や、ばい)
零
佳奈は、い……るか?
…
いつもなら直ぐに駆け付けてくれるはずの佳奈が来ない
そういえば、朝にも見てなかったな
どうしよう……
……あっ
今にも、視界が暗転しそうな中思い出す
零
ぴ、くと…いる?
ぴくと
いるよ
零
よ、かった
バタッ
ぴくと
うおっ
安心したせいか気が抜けて倒れてしまった
いや、
倒れさせられた
今は宴の最中いくらこの国の統領でも
今日の主役は幹部達
統領が倒れたのを見た者は
“少なかった”
1時間後 黒幕投稿