⚠乱太 いつも通り、急に始まります
乱歩
今、線状降水帯が来てるって知ってた?
太宰
⋯⋯知らなかったです
乱歩
太宰はニュース見ないんだ
太宰
まぁ
乱歩
ふぅん
乱歩
ところで、なにしてるの。この濁流の川で水遊び?必死に草に掴まっちゃって。助けられ待ちかい?
太宰
⋯⋯貴方がこの草を抜いて私を殺して下さるのを待ってる、とか、どうです?
乱歩
5点。勿論100点中ね。つまらないよ凄く
乱歩
因みに僕はその草を抜くのもお前を引き上げるのもしない
乱歩
肉体労働は専門外なんだ。だって名探偵には必要ないからね。てことで、さっさと自力で上がりなよ
太宰
えぇ、冷たいですね
乱歩
精一杯の優しさのつもりなんだけど?
太宰
言われてみれば、そんな気もしてきます
乱歩
うん。とりあえず出てきて
太宰
うふふ
乱歩
ねぇ
太宰
もうすぐ死ねそうです
乱歩
⋯⋯太宰
太宰
草、ちぎれそうですね
乱歩
太宰
太宰
嗚呼、寒くなってきた
乱歩
⋯⋯ッ
グッ
ばしゃん
ぽた、ぽた、
太宰
⋯⋯わぁ、凄い腕力。先刻は引き上げないと仰ったのに
乱歩
⋯⋯
太宰
⋯⋯貴方の所為で、また生き延びてしまいましたね
乱歩
⋯⋯帰るよ
太宰
はい。ふふ
乱歩
何笑ってるの。馬鹿にしてる?僕の事
太宰
いいえ、全く
乱歩
⋯⋯生意気
太宰
じゃあ助けなければ良かったのに
乱歩
お前を助けたら社長が僕を褒めてくれるかもしれないから
太宰
ふふ、そうですねぇ
乱歩
⋯⋯もう喋るな。五月蝿いから
太宰
えぇ?酷い
乱歩
お前、無駄にへらへらするの禁止
太宰
⋯⋯
乱歩
無理するのも禁止
太宰
⋯⋯
乱歩
自殺未遂も、できればやめて欲しいけどお前に必要なら禁止しない
乱歩
まぁ僕にはいつでもどこでも助けに行ける自信があるからね!
太宰
⋯⋯
乱歩
⋯⋯お前は、僕に守られてればいい
太宰
⋯⋯
乱歩
何、苦い顔しちゃって
太宰
⋯⋯
乱歩
喋っていいよ
太宰
⋯⋯守られるって、どうやればいいんですか
乱歩
助けを求めればいいんだよ
太宰
それが、難しくて
乱歩
じゃあずっと僕の後ろにいればいい
太宰
貴方に迷惑をかける訳には、
乱歩
じゃあ太宰も僕のこと守ってよ
乱歩
守り合おう、助け合おう
太宰
⋯⋯
太宰
貴方は、あたたかいですね
乱歩
僕からすればお前だって十二分にあったかいよ
太宰
⋯⋯
乱歩
僕に守られて、僕を守ってくれる?
太宰
⋯⋯
乱歩
返事は
太宰
⋯⋯貴方がいいなら、喜んで
乱歩
ん。よろしくね
ゆあです!最初はいつも通り太宰が入水して江戸川がいらいらする、という話を書こうと思っていたのですがいつの間にか優しい話になりました!! 江戸川乱歩の優しさ、あたたかいですね… ここまで読んで下さりありがとうございます! それではまた次の話で