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海月 凛@ネ申らしいです
5,604
窓の外が茜色に染まり始めた頃
教室には、帰り支度をする生徒たちの声が響いていた
クラスメイト
クラスメイト
その中で俺は1人、静かにカバンの中に教科書をしまう
ないこ
クラスメイトとしては、ただそれだけの関係
席も遠いし、周りから見れば接点なんて何もない
彼はクラスの中の人気者
それに比べて俺は目立たないただの生徒
だから
ないこ
誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いて教室を出た
向かう先は、旧校舎の空き教室
りうら
振り返れば、窓際に座っていたはずのりうらがこちらを見ていた
教室で見せる明るい表情とは違う、少し気だるげな表情
ないこ
りうら
そう言いながら手招きした
近づくとグイッと、腕を引かれた
ないこ
気づけばりうらの腕の中に
りうら
ないこ
耳元で囁かれて心臓が跳ねる
教室では名前すら呼ばない
廊下ですれ違っても他人みたいに通り過ぎる
なのに放課後になるとこんな甘々に
りうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
不機嫌そうな声
そのくせ、抱きしめる力が少し強くなる
ないこ
冗談っぽく聞くとりうらは少し黙って
りうら
その一言がずるい
学校では絶対に見せない顔 俺だけが知ってる表情
りうら
ないこ
りうら
顔を上げな表情が夕焼けで瞳に映って少しだけ切なく見えた
りうら
一瞬、言葉が出なかった
でも
ないこ
そう答えるとりうらは安心したように笑った
その笑顔も クラスの誰も知らない
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