幼い魔王様
なぁ、ゼペットよ
宰相 ゼペット
はい何でしょうか?我らが敬愛する『魔王様』
幼い魔王様
その呼び方は恥ずいのじゃ
宰相 ゼペット
魔王様の威厳を保つ為に必要な礼儀です。
幼い魔王様
でもなぁ、何だか時代遅れのような気がして仕方がないのか
幼い魔王様
我は皆と対等な関係を築きたいと願っておる
幼い魔王様
まぁ、出来ればの話だがな
廊下の奥からコツコツとヒールの音がホールに響き、近づいてくるのが分かる
宰相 ゼペット
魔王様の言い分も分かるのですが、やはり
宰相 ゼペット
難しい問題ですね
幼い魔王様
そうか
アズール
ご機嫌よう、偉大なる魔王様に会えるなんて今日は運が味方をしているのかしら?
びっくりと二人は肩を並べて声の主、アズールの方へと視線が向けられる
幼い魔王様
あっ、アズール。
幼い魔王様
ご機嫌ようと言いたい所だが、我の気配探知を抜けるとは…。
幼い魔王様
お主、腕を上げたな?
アズール
まぁ、そんな些細な事まで
宰相 ゼペット
げっ、アズール
アズール
ゼペット何か言いましたか…?
アズールは不気味に笑うと、ゼペットに視線を一瞬だけ見られる。
宰相 ゼペット
…。
アズール
ノーコメントですか?残念ですわ
幼い魔王様
まぁ、そのくらいにしてやってくれ
宰相 ゼペット
ゴホン、前から言っておりますが魔王様への謁見はちゃんと順序通りに行って下さい
アズール
でも、確かにそうね、突然会うのは失礼だったからしら?でも…。
アズール
これも運命なのかしら
幼い魔王様
確かにこの縁は何かあるかもしれないな、アズール
アズール
はい?
幼い魔王様
お茶を共にしないか?
宰相 ゼペット
魔王様!この後には諸々の事が!!
アズール
まぁ、お茶だなんて…!
アズール
今日は本当に運が味方にいる気がしてしまうわね
幼い魔王様
ゼペットよ、この後のスケジュールを全部変更する事にした。
宰相 ゼペット
はい!?ちょっと待って下さい…。
宰相 ゼペット
じゃあ、それって…。
宰相 ゼペット
僕が後始末しなくては行けないパータンではありませんか!?
アズール
ふふっ、ゼペット
宰相 ゼペット
何ですか?
アズール
頑張って下さいね♡
宰相 ゼペット
アズール、貴様💢
幼い魔王様
申し訳ないが、ゼペット
宰相 ゼペット
魔王様…。はぁ分かりましたよ!!
宰相 ゼペット
その変わり!!
宰相 ゼペット
魔王様のほっぺ触らせて下さりませんか?
幼い魔王様
ふぇ…。?えっ?
幼い魔王様
我のほっぺだと?何も価値がないぞ!
宰相 ゼペット
趣味が悪いかもしれませんが、もうこの際ですし白状しましょう…。
幼い魔王様
何か、我
幼い魔王様
変な方向へのスイッチ押してしまったのか…。
宰相 ゼペット
僕は!魔王様が好きなんです!
アズール
あら?突然の告白だなんて
アズール
まさか、貴方
訝しげな瞳でゼペットを睨んだアズールと魔王はふと思った
アズール
(ロリコンなのかしら)
幼い魔王様
(ゼペット、もしかして)
幼い魔王様
(猫の肉球見たいなぷにぷにが好きなのか?)
宰相 ゼペット
何ですか、その目は!
アズール
まぁ、世界は広い物ですもの。まぁね、チラ
幼い魔王様
すまないゼペットお主の要求に応えられなくて…。
宰相 ゼペット
はい!?
宰相 ゼペット
多分、完全なる誤解を招いているような…。
アズール
大丈夫よ、色々な魔族だっているものよ
宰相 ゼペット
アズール…。
アズール
私は応援するわよ
宰相 ゼペット
貴様にだけには言われたはない!絶対にだ!!?
アズール
あら?そう
幼い魔王様
あのぅ、お主ら
幼い魔王様
そろそろ本題に入らないか?
宰相 ゼペット
僕とした事が💦
すいません、魔王様!
アズール
まぁ、ゼペットが大体の原因なんだけどー
宰相 ゼペット
アズール、少し黙ってくれないか?
幼い魔王様
そこまでにしておけ、ゼペット
宰相 ゼペット
まぁ、何かをやったって結局時間の無駄ですしね。
ゼペットをよく見ると目の下にクマが出来ている、きっとここ最近仕事が増えたせいだろう。
幼い魔王様
さてと、我はアズールとお茶をしてくる。
幼い魔王様
ゼペットよ、お主は暫くの間は休暇を取るように
宰相 ゼペット
はい!?でも後始末は僕以外に出来る魔族がいませんよ
幼い魔王様
大丈夫じゃ、一応代理人の出番が来た訳じゃからな
宰相 ゼペット
代理人とは…一体?
幼い魔王様
まぁ、また今度詳しく話してやる取り敢えず先に休んでおれ
宰相 ゼペット
ですが!
幼い魔王様
魔王からの命令じゃぞ
宰相 ゼペット
えっと、ですが…。
幼い魔王様
ゼペット
宰相 ゼペット
分かりました、魔王様の恩寵有り難く受け取らせてもらいます。
ゼペットは泣きそうな顔になりながらも目のクマが目立っており、このままではゼペットの身体が持たない。
幼い魔王様
(いくら魔族でも、残業は身体に堪える)
宰相 ゼペット
それでは、失礼致します
幼い魔王様
ゼペット
宰相 ゼペット
はい…。
幼い魔王様
ゆっくり休め
アズール
そうですよ!ゼペットはきっちりと休んで、私のためにも頑張ってもらわないと
幼い魔王様
えっ?
宰相 ゼペット
うん?
宰相 ゼペット
アズール、よくも最後まで💢
アズール
冗談ですよ?何を誤解しているのですか、やっぱり疲れているのですよきっとね
幼い魔王様
もう、何だこの状況は
幼い魔王様
アズールとゼペットの独断、漫才大会になっておる。
宰相 ゼペット
漫才とは?
アズール
漫才って何なのですの?
幼い魔王様
嫌、何でもない
幼い魔王様
アズール、お茶に行こう
アズール
魔王様の為なら何処にだっていきますわ
アズール
それが縁であり運命なのかもしれないもの
宰相 ゼペット
魔王様、起きよつけて、いってらっしゃいませ