異能力ドズル社

研究会に参加してから数年

法律が変わり、異能力者がチームを組めば事業を設立できるようになった

目星をつけているのは裏社会で有名なぼんさん？

仮拠点はここでいいとして

裏社会では裏切りなんて当たり前だ

分かっていた。分かっていたけれど

頑張ってたと思うんだけどなぁ

タイマンだったら負け無しだったし

まあ、あいつらにとっては手駒に過ぎなかった訳だ

にしても、すげえよな。侵入者

うち結構大きな組織だったのよ？それを1人で潰しちゃうとか

チャキ...

頭の後ろで金属が擦れる音がした

何こいつ、話しかけてきたんだけど...？

最後なんだしいいか。こんなすごい人と話して死ぬとかも面白いだろう

最初の無視したの根に持ってる？

言葉が刺さる...

いや、そんだけここの待遇は悪かったのよ！

任務受けても賃金くれないし

流石にぼんだけはな...

ぼん、ぼん...ぼん

あ、結局そう呼ぶのね

ぼんさんを仲間に入れて早２ヶ月

適度に依頼をこなしながら新たな仲間を求めて情報収集をする日々

僕たちは2人とも料理ができずよくコンビニなどで買ってくる

ふと、何かが燃える匂いがした気がした

それと火薬の匂い

咄嗟にぼんさんに覆いかぶさりソファの後ろに落ちる

瞬間

ドゴォォーーン

すぐ近くで爆発する音がした

次の瞬間には熱がきて火を扱う分強くはなった体が焼かれていく

体が痛い

煙も吸いすぎたのか頭もクラクラする

2人で支え合いながらしばらく行って人があまりいない路地裏の近くで僕らは倒れた

ぼんさんからの返答がない

呼吸音は聞こえるから気を失ったのか

あ、やばい

僕も、もう意識が...

離れたところにある街頭からの僅かな光がなにかに遮られた

僕の記憶はそこまでだった

少し離れた所で爆破事件があったらしい

ということは目の前で横たわっている2人はその被害者か？

でもここからは離れている

離れる必要があったのか？

自分は至って普通の一般人だ

知り合いに警察がいて裏の話を何となく聞いているくらいで

犯罪なんてしたことが無いただの一般人

裏には関わらないのが1番だ

けれどこの2人を見捨てることも出来ない

スマホのライトで照らして見てみれば負っているのは火傷と軽い切り傷

治療方法は分かるので治療はできる

治療は直ぐに終わった

後は目覚めるのを待つだけ

早い

治療したとはいえ早くない！？

一般人だった俺が裏世界に足を踏み入れたのがこの2人との出会いだった