ニキ
…ボビーさ
しろせんせー
ん?
ニキ
よく沢山指輪つけてるけど、左手の薬指には付けないでね。
寂しそうな顔をして、俺の手をすりすりと触る彼が、どうしようもなく愛おしくて
しろせんせー
……なんで?笑
なんて、理由はわかっているけれど
意地悪な質問をしてみる。
ニキ
んふふ、俺のために取っといて笑
彼は嬉しそうに、俺の薬指にキスを落とした。
最悪の目覚めだ。
彼はもうこの世にはいないというのに
こんな夢は見たくなかった。
しろせんせー
(…………なんで、生きとるんやろ)
しろせんせー
(ニキはおらんくなってまったし)
しろせんせー
(キャメや18号に迷惑かけて)
しろせんせー
(りぃちょに、あんな惨い嘘までつかせて。)
しろせんせー
………もう、やめたいわ…
discordに、謝罪の一言を残して。
彼と同じように、湯船に浸かって
手首を切った。
どくどくと、とめどなく流れ出てくる血液は酷く醜くて
ニキの血はあんなに綺麗だったのになぁ、なんて思考する。
左手の薬指に、キスを落とす。
彼がしてくれたように。
しろせんせー
(指輪、向こうでつけてくれるやろか)
心地良い睡魔に襲われて
思いのまま眠りについた。