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アルフレッド・フォリエーザント

ルーシャス、そろそろ帰りましょう?

暗いオフィスの中でアルフレッドは我が主人であるルーシャスに言った。

ルーシャス・クラウヴェッダ

ああ、そうだな。これだけ片付けたら行く

アルフレッド・フォリエーザント

……はぁ、仕事熱心なのはいいことですが、あまり溜め込まないでくださいよ。……まして貴方はまだ19歳なのですから

ルーシャスはこの会社、ラ・ヴェロールの社長だ。父親が急死して、後継ぎがルーシャスしかいなかったからだ。幸いにも彼は16の時にドイツの大学を出ているため、充分に社長の素質はあったが。

ルーシャス・クラウヴェッダ

歳なんて関係ない。やるべき仕事をやる。それだけだ。

アルフレッド・フォリエーザント

……

アルフレッドはこの男の秘書をしているが、未だに彼のことはよく分からない。一年前から正式に秘書として付くことになったが、アルフレッドが17の頃から4年、共にいるのだ。それでも、ルーシャス・クラウヴェッダという男を理解するのは難しかった。

ルーシャス・クラウヴェッダ

…終わった。帰る

ルーシャスはパタン、とパソコンを閉じてコートを羽織った。アルフレッドはそれに続く。

アルフレッド・フォリエーザント

ルーシャス、車を出しますので少々お待ちください。

ルーシャス・クラウヴェッダ

いい。歩いて帰れる距離にあるんだからな

そう言ってルーシャスは歩いて行ってしまう。

アルフレッド・フォリエーザント

あ、ルーシャス!

いくら歩いて5分だからといって、社長が夜道を歩いて帰るというのはいかがなものか。

ルーシャス・クラウヴェッダ

……?

その時、ルーシャスが、路地裏の方を見て、止まった。

アルフレッド・フォリエーザント

ルーシャス?どうしましたか?

ルーシャス・クラウヴェッダ

……

ルーシャスは無言でロー路地裏に歩いていく。

アルフレッド・フォリエーザント

あ、ちょっと、お待ち下さい!

ルーシャス・クラウヴェッダ

おい、大丈夫か

ルーシャスは小さな黒い塊に向かって言った。その塊はみぃみぃと何か言っている。

ルーシャス・クラウヴェッダ

おい

その黒い塊は何も言わなくなってしまった。

ルーシャス・クラウヴェッダ

………

ルーシャスはその黒い塊を持ち上げると、

ルーシャス・クラウヴェッダ

連れて帰る

アルフレッド・フォリエーザント

は?!

アルフレッド・フォリエーザント

そんな猫を連れて帰って飼うみたいに言われても……

ルーシャス・クラウヴェッダ

飼うんだ。この猫をな

アルフレッド・フォリエーザント

ええ……

ルーシャスが笑うと、人間の少女はにこりと笑った。

リリィ

えへへ

これが、ルーシャスとリリィの出会いだった。

社長様のお家の子猫ちゃん

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