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テラーノベル(Teller Novel)

(妖怪の山の山中にて、多数の炸裂音が響く。それは文の耳にも届き、それからすぐに侵入者、異常を知らせる呼び笛が響く。白狼天狗達が速やかに集結をし始めていた。)

速やかに部隊を集結させなさいっ!今の音はここからそう遠くはありませんよっ!...ん?

(目の端に止まった、一つの槍。それを手に携えて、他の白狼天狗達と共に炸裂音が響いた地点まで急いで向かう。)

練也

脱皮しやがったか.....

今のは、一体....。

(私と練也さんの前には、先程の緑の妖怪とは違う容姿の妖怪が居た。)

(赤と青の禍々しい色合い、頭にはクモを思わせる触角。)

(そのひたすら禍々しい姿の見たこともない妖怪に対し、練也さんは”脱皮した”と言っていました....。)

(もしや、脱皮というのは...一種の進化のことなのでは....。だとしたら、もう時間をかけるわけには....!)

練也

"アラクネアワーム"...!

アラクネアワーム

(低く、前傾気味の構えをとり。)

(練也さんがその妖怪の名前を呼ぶ。その返礼とばかりに、その場に屈むように姿勢をとり次の瞬間に姿を消した。)

(何が起こったのか理解が追い付く前に、私の前で練也さんが空中に弾かれるようにして吹き飛ばされ、更に滞空中にでも容赦なく彼に対して攻撃は浴びせられた。)

(四撃程攻撃が命中すると、練也さんは地上へと落下しもがき、息を荒げながらその場に片膝を着き、再び姿を見せたアラクネアワームと呼ばれる妖怪を見据えた。)

練也

....徹底的になぶり殺しにする気か...!

練也

(なんとか先程の意識を途切れさせることなく、能力を発動しながら辛くもクロックアップによる攻撃を凌ぎ。)

練也

(片膝立ちの姿勢で、椛の方を見る。)

アラクネアワーム

(不意に姿を現し。)

よくもっ!(アラクネアワームに突っ込み。)

練也

(椛さんは間髪入れずに弾幕をアラクネアワームに放ち始めた。鮮やかな赤色の光弾が大量に放たれ、これも地しぶきや爆炎によって辺りは視認できない規模の攻撃であった。)

アラクネアワーム

(先程と同様クロックアップを使い姿を消し...。)

かはっ...!(吹き飛ばされ。)

(数撃ばかり攻撃を受けたのだろう、空中を弾むように舞い、そして地面を擦り、数多くの痣や裂傷が出来ている。)

練也

(苦しそうにもがく彼女を見てたまらなく思った....。)

練也

“こんな時に敵を倒すのが、ヒーローなんじゃないか”

練也

(俺が望みさえすれば、運命が味方してくれるとは限らない.....。だけどその可能性が、ほんのコンマ1%でも残っているのなら.....。)

練也

カブトゼクター......!

練也

そんな声じゃ聞こえないだろう。もっと....腹の奥から声を出さなきゃ...!!

練也

(太陽の彼方へ向かい、手を伸ばして...

...練也...さん...?...

にげ、...って...。

練也

カブトゼクタアアアアアアッ!!!!!!!

練也

(俺は賭けた、自らに縁がある者があの太陽の彼方より飛び来たることを。)

練也

(確実に力を求めんと張り上げた声に応える者が来てくれることを、俺は信じた。)

....!(叫び声が遠く残響となり響き...。)

(彼方から何かが近付いてくる....。千里眼の力を通して見れば、それは明らかに虫の形をしたものだ。)

(それが何かを携えてこっちに凄い速度で迫ってきている....。.....もう目視で確認できる。)

(ベルトを角に提げた、一匹の赤いカブトムシが上空から練也さんめがけてベルトと共に彼の下へ迫る。)

アレは....。

(彼は戸惑う間もなく手にしたベルトを装着して、片手にそのカブトムシをしっかりと収めこう宣言した.....。)

練也

変身っ!!!!

練也

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