そうして、気がつけば放課後になっていて、クラスメイトは次々に帰っていっていた。
翔斗
ふー、やっと放課後か

悠斗
だよな、初日って結構疲れるよなーw

瑠璃
うん、でもね、ここの人、瑠璃と遊んでくれるし優しかったから、あんまり緊張しないかも!

怜奈
そっか!それは嬉しいなぁ!

翔斗
へぇ、仲良くなったんか。

瑠璃
うん。「友だちだよー!」って言ってくれた!!

悠斗
そーいや、俺もゲーム仲間出来たな!みんな楽しそうな奴だった!

怜奈
馴染めたんだね。良かった良かったε-(´∀`*)

ほら、思った通りなんだ。みんな、同じ時に転校して来たくせに、俺を置いて友だちを作る。
翔斗
(ま、そんな事思ってるなんて、誰も想像できないだろうけど)

悠斗
なぁ、誰が1番早く昇降口に着けるか勝負しよーぜ!

瑠璃
楽しそう!瑠璃、やる!

怜奈
じゃあ僕もー

そういって、みんな、立ち止まっている俺を置いて走っていった
翔斗
ハァ…。ガキかよ、

そんな事を言いつつ、俺もみんなの行った方へ行こうとした時、近くにあった屋上から大きな物音がした。
翔斗
(この音…なんか、聞いたことあるな…?)

俺はそっと、窓から屋上の中を覗いたんだ。
―だけど、俺は直ぐに覗いたことを後悔することになる。
モブ女子
ねぇ、あんた。いっつも言ってるよね?目障りなんだって、

???
ご、ごめん…

モブ女子
ごめんじゃなくて、ごめんなさいでしょ?
ハァ…お仕置しておかないと学習しないの?

???
い"ッ…(腹をおさえて座り込む)

翔斗
(ッ…!?
アイツ…誰だ?少なくともどちらもうちのクラスじゃねぇな…)

女子組
ね、比奈ちゃん。今日さ、ウチら用事あるから、掃除やってくんない?

???
え…でも、僕委員会が…

モブ女子
やってくれないの??(圧

???
ぁ…やります…

モブ女子
そうだよねぇ?比奈ちゃんがウチらに逆らうことなんて、しないよね?

女子組
先生とか、クラスの奴とかにも、言ったりしないよね?

???
ぁ…はい…、しません。

女子組
だよねー、じゃあよろしくー。バイバイー

翔斗
(隠れないと盗み聞きしてたのバレる…ッ)

ガチャ…と音を立てて女子組が笑いながらでてきた。俺は咄嗟にトイレに隠れて助かっていた。
翔斗
チラ…(行ったか…?)

???
ガチャ…(屋上から出てくる)

翔斗
!?(さっきの虐められてた人?比奈…だっけ?こんな顔してんのか、覚えとこ)

比奈
ハァ…(何時になったらこの生活は終わるんだろうか…?)

翔斗
(ぁ…これ以上見てたら…俺も心が壊れそうになる…。逃げよう…ッ)

―俺は、虐めを目撃したくせに。したくせに、見なかったフリして逃げるように帰ったんだ。何も無かったように、瑠璃たちと合流して―。