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私以外居ない医務室に 咳と電子機器特有の音が響く。
私には先天性の病がある。
それも脳の。
余命は残り3日。
もちろん仲間になんて言えるわけない。
手術で治るなんていう嘘を吐いている。
いつも支えてくれた仲間にも嘘をつくなんてダメな人だなぁ…。
そんな私には、好きな人がいる。
仲間の1人である雨音に恋をした。
紗夜
雨音は普段、荒っぽく、周りから少し怖がられている人だけど、
私は知ってる。
本当は、真面目で心配性な人だって。
私に向けてくれるあの柔らかい笑顔がすごく輝いていて、
大好きだ。
何かあれば、私の名前を呼んで
嬉しい報告も
書類が終わらないという報告も
1番最初に私にしてくる。
それがとても嬉しかった。
でも
あと3日経てば、私はこの軍にいられなくなってしまう。
私の存在だけが消えてしまうのだ。
嫌だけど。 本当はなんとかしてでも生きたいけど、
あの有能な、累でさえも
私の容態を見て、首を横に振った。
もう無理、 という合図だった。
そんな反応されたら、 生きるのを諦めるしかなかった。
紗夜
そう呟いたとき
白いカーテンが引かれて
累の声が聞こえた。