桃side 今日の空は、いつもより青くて、どこか不安定な色をしていた。 まだ夏の名残が残るけれど、空気は少し冷たかった。 なんだか、昼なのに夕方みたいな、そんな気分
水
最初に口にしたのは、いむだった。 彼が笑いながら、いつものように不安そうな顔をして言った言葉。それが、すべての始まりだった。
桃
俺はそれを軽く流した。 確かに、ここは電波もWi-Fiも届かないような場所だった。 遊びに来たこのコテージは、都会の喧騒を忘れるための“隔離された場所”だから、そんなのは想定内。 けれど、その「電波が入らない」って言葉が、なぜか引っかかる。 なんだか違和感を感じる。それは最初だけ、ほんのちょっとしたものだったけれど。
青
まろが言い始めたその時、俺たちの周りで不安な雰囲気が少しずつ広がっていった。 いむはすでにスマホを持って、必死に「圏外」を確認している。
初兎はテレビのリモコンを手に取って、何度もチャンネルを変えていた。
白
俺は、ただその光景をぼんやりと眺めていた。
桃
言い聞かせるように言ったけど、それでも胸の奥の違和感は消えなかった。
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