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おそ松

俺と家出しよーぜ

チョロ松

へ?

ふと告げられたおそ松の言葉に言葉を失った

なにかあったのではと心配し顔を見つめるがいつもと何ら違和感は無くてだけど少しもの恥ずかしそうにニヒヒと鼻の下をこすった

おそ松

そんなに見つめられるとおにーちゃん照れるんですけど

チョロ松

いや、お前がいきなり家出とか言い出すから…

おそ松

ん〜そんな驚くこと?

チョロ松

いや驚くだろ!
永遠に親の脛齧って生きていたいって言ってるお前が…家出とか…

おそ松

だってなんか勿体なく感じてきたんだよね

おそ松

目の前にはいつも触れられる距離にチョロ松が居るはずなのにもし俺かチョロ松が死んじゃったらもう触れられない距離まで遠くなっちゃうんじゃないかーって考えたら寂しくて

おそ松

なら楽しいまま死にたいなと思って決めたのがチョロ松と家出!

やつの言葉を聞き胸が痛くなった

だってそれって。 家出するってより

チョロ松

心中みたいじゃん…

チョロ松

僕は死ぬまで生き切っておそ松兄さんの温もりをこのまま感じていたいよ…

チョロ松

た、のしいまま…死にたいって…それって僕と心中しに行くみたいな…

気付くと涙が溢れていて思わずおそ松兄さんの手をギュッと握っていた

離れていかないようにできるだけ強く握った 離したら消えてしまいそうだったから

おそ松

あはは…泣くなって…おにーちゃんは逃げないから

チョロ松

ん…泣いてない……し…

泣いてる姿を見られ恥ずかしくて繋いでいた手の片手だけ離し涙を急いで拭う

それを手伝ってくれるかのようにおそ松兄さんも指で優しく僕の涙を取ってくれた

チョロ松

チョロ松

家出しよっか

ふと気付いた時には電車に乗っていた

電車の窓を見るともう夕日が沈みかけていて海には綺麗に水平線ができていた

チョロ松

うわぁ〜絶景〜!
兄さん見てみて!!

おそ松

ほんとだー!すげぇー!!
さすが熱海の海!!!

チョロ松

だねぇ…こんな綺麗なの初めて見たかも…

他の乗客なんか知らずに兄さんと窓を見ながら楽しそうに熱海の海を眺める

すると兄さんと僕からぐぅと腹の虫が鳴く音がした

おそ松

腹減ったな…

チョロ松

うん…お腹空いたね。
熱海に着いたら何食べよう…

おそ松

俺酒飲みたい〜酒とツマミ買って食べよーぜ!

チョロ松

おっいいね!

チョロ松

で、おそ松兄さんはお金いくら持ってんの?

おそ松

えっとにポッケに300円があります!

ヘラヘラしながら右ポケットからチャリンと300円と1円を出してみせる

チョロ松

は!?!!!?
馬鹿だろ!?お前!
馬鹿だったわ!お前!

おそ松

そんなピリピリすんなって!

チョロ松

はぁ……そっか…そうだよな…お前クズニート野郎だったもんなぁ…

チョロ松

僕にゃーちゃんのCD買うために貯めてきた3000円しか持ってきてないよ…切符買うのにかなりかかったから全財産約2000円…

おそ松

うげぇ〜これじゃあ寿命とか以前に飢え死にしそーだねぇ…

チョロ松

だねぇ…じゃねぇよ!戦犯お前だよ!家出しようって言ったのお前なのにお前がなんも持ってきてないんだよ!

おそ松

ん〜でもさぁチョロ松そんな俺だって知ってる上で覚悟した上で着いてきてくれたんでしょ?

チョロ松

ぐっ…うっせぇ…

痛いところを突かれ顔が赤くなり俯いた僕の顔をにやけながら覗いてくる

そんなあいつに1発かましてやると車内アナウンスが響き渡った

熱海だ 熱海に着いたのだ

パーカーに手を入れたまま1つ石を不機嫌そうに蹴飛ばす

おそ松

あ!チョロ松!

チョロ松

……何

おそ松

海!!念願の熱海の海!!

蹴った地面の石から目を離し前を見るとぶわっと海のしょっぱい匂いがした

電車越しで見た時とは違って水平線なんてなくて真っ黒だったはずなのに何故かとても綺麗に見えた

おそ松

電車の時とは違ってちょっと暗くなってんねーもっと早く来ればよかったー

チョロ松

僕はおそ松兄さんが居ればどんな海でも綺麗に見える…き…がする…

ふと口から零れ落ちた言葉を我に返り急いで下手に拾う 自分の顔が熱くて真っ赤になっているのだと気付き恥ずかしくて隠す

おそ松

チョロ松

な、なんか言えよ!!

おそ松

あ、え〜と……

ヤケになり真っ赤な顔で兄の方を睨むと自分と同じぐらい真っ赤な顔をしたおそ松兄さんがいた

余計恥ずかしくなりやつを見たことを少し後悔する

チョロ松

チョロ松

お、お酒とつまみ買お…コンビニ近くにあるかな…

おそ松

こ、コンビニならさっきあっちにそれっぽいのあったきぃする〜

夕日はとうの前に沈みきったはずなのに僕らはまだ夕日に当たっているかのように赤く染っていた

おそ松

カンパーイ

チョロ松

カンパーイ

肌寒い海の傍で潮風を感じながら買ってきたビール缶を開ける

おそ松

ぷっはぁ!!生き返るぅ!

チョロ松

海の前で飲む酒はいつもより美味い、!

おそ松

ほんとに!めっちゃわかる!サイコー!!

チョロ松

チョロ松

……あいつら何してるかな

チョロ松

意外に心配してたりして‪w

おそ松

確かに俺ら2人で家出してるなんてあいつらは思わないだろーな

チョロ松

ちょっと帰りたくなった…かも、

ふと呟いた言葉に心配すんなとでも答えるように頭をポンポンと優しく触れてくる

おそ松兄さんの姿はとても優しそうな顔をしていた

おそ松

おそ松

アイツらなら大丈夫。
お前が思ってる以上にあいつらは俺らのこと心配してねーって

チョロ松

うん、まぁそうだよねぇ〜

おそ松

しかもお前に限ってはライジングシコースキー松がまたライジングしてるーって思われるから安心だな!

チョロ松

うっせぇ!変なあだ名で呼ぶな!

いつも通りいじってくる兄を蹴る ここに来てまでそれを言うか…という怒りと雰囲気もくそもねぇんだなと言う呆れで感情が溢れていくのを感じた

いつもの感情だけど少し違った 怒りと呆れの感情よりずっと強く他の暖かくて胸がキュッとなるような感情がいた

おそ松

いってぇ…おつまみに砂入ったじゃ〜ん…!

チョロ松

く、食えよ!!

おそ松

チョロちゃん鬼畜〜

チョロ松

うるs

おそ松

まぁそういうところも好きだけどな〜俺は

自分の暴言に覆い被さるようにぽつりと放った奴の言葉はとても優しくて 一瞬コイツと家出して良かったなとかコイツの恋人が僕で良かったなと思ってしまった

おそ松

はは…何言ってんだろっておい!?なんで泣いてんの!?!

チョロ松

なッ……ないて…なっ……い

ふと出てきた涙を急いで拭う ズッと鼻水を啜り兄の視界から自分の顔が映らないように後ろを向いて目を擦った

おそ松

そんな擦ったら明日目腫れるよぉ?大丈夫?

チョロ松

チョロ松

なっ……んで…きょ…うの…お前ッ、そんなッ…スパ…ダリッなの……く…そ

チョロ松

金ッ……持って…ねぇ、く…せに

暖かい兄の温もりを感じ抱きしめられたのだと気付く 恥ずかしくて涙が止まらない自分がいやになって思わず兄に毒づいてしまう

おそ松

え何その暴言…ムラってした。
ホテル行く?

チョロ松

金ない…だろ……

おそ松

あるじゃ〜ん
チョロちゃんのお金がぁ!

チョロ松

ぶぁぁか……絶対行かねぇよ…

おそ松

えぇ…じゃあ夜どこで寝んのぉ?

チョロ松

野宿…

おそ松

うぇえ!?
いくら夏だからとはいえ夜だからめっちゃ寒いじゃん!?!
しかも海岸だよぉ?俺寒すぎて死ぬんだけど…

チョロ松

チョロ松

1400円……

おそ松

うぇ?

チョロ松

僕らの!!手持ちの!全財産!!

おそ松

おぉかなり減ったねぇ…

チョロ松

減ったねぇ…じゃねぇよ!ホテル泊まれねぇよ!ばか!あほ!一遍しね!!

おそ松

わっチョロ松いきなり立たないでよ〜くっつかないと凍え死にそう…

チョロ松

ヴッ……

凍え死にそうなのは僕もだった 周りの5人より冷え性な僕には少しの風だけでも大ダメージでおそ松兄さんに言われた言葉で我に返りストンと隣に座る

そしたらさっきみたいにまた暖かくて優しい温もりで抱きしめられた

おそ松

えへへ俺あったかいでしょぉ〜?
子供体温ってよく言われんだよねぇ〜

チョロ松

ん…ばーか……子供体温…

丁度いい暖かさで目を瞑ると眠気が襲ってくる

今日はとてもいい夢が見れる気がした

おそ松

……おやすみ…チョロ松……

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コメント

5

ユーザー

最高かよ、

ユーザー

_人人人人人_ > 続かない <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y ̄

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