主
こんにちは、今回は、傘村トータ様の「ドラドの悲劇」の曲パロを、オリキャラで描いていきます。
樹里
米山樹里。一人称は俺だけど女
奏美
薦田奏美。樹里と同じく。
主
それでは本編どうぞ!
隙だらけの背中に羽はない。
大きな
傷
が残っているだけ
奏美
訳あって無くしちまったんだ
少し前に聞いたばかり。
私たちは1人に一色の羽与えられて生きている
樹里
奏美の羽は何色だったの?
そう聞いても
奏美
ふっ
笑ってあなたは答えない
樹里
俺、奏美に隠し事をしてる。
樹里
俺は羽を与えることができる
その代わり俺の羽は無くなるけど
樹里
奏美のためならあげていいよ。
樹里
どんな色が似合うかな?
樹里
俺の黄金色は奏美に合うかな
冗談めかしそんなこと言ったら
貴方は見たことない顔して
奏美
今すぐ
奏美
"失せろ"
と言った
隙だらけの背中に羽はない
大きな傷が残っているだけ
貴方が自分で切り落としたんだと
少し前に知ったばかり
樹里
俺たちは何故1人に一色の羽を与えられて生きてる?
樹里
羽がある貴方がどんなだったかなんてもう二度と浮かべたりしない
奏美
俺はお前に隠し事をしている
奏美
俺は昔、羽を与えることができた。
奏美
お前を彩っている黄金色は、本来
お前のものなんかじゃないんだ
初めて会ったお前の羽は今まで見たことのないくらい
黒い色をしていた
黒い翼は"不幸"を呼ぶ噂
お前は"いつもと同じ顔"をして
樹里
もう、消えたい
と呟いた
奏美
違う。消えるべきはお前じゃなくて
黒い翼の方だろう。
奏美
もし、もし記憶と引き換えに翼の色を変えられるなら、
奏美
そうしたいと、思うか?
奏美
どんな色が似合うだろう。
奏美
ごめんな。俺に選ぶ力は無いよ。
奏美
でも、俺の黄金色は、お前に
奏美
きっと
似合うだろう
さよなら
また今度、お前と"初めて"会った時は
素敵な羽だと笑顔で褒めてやる。
泣きつかれて眠っているお前に
そっと移し変えるために
俺はとびきり大きな"刃物"を震える手で背中にあて、
羽を切り落とした
樹里
隙だらけの
奏美
背中に羽は無い
奏美
大きな傷が
樹里
残っているだけ
"わけ"あって
樹里
無くしちゃったんだと
奏美
少し前に言ったばかり