冰
…行ってきます
巫子
あっちょっと待って
冰
忘れ物はしてないよ
巫子
いや、ちがくて
こちらは、妹の巫子(みこ)。
冰
どうした?
巫子
今日ね、お弁当作ってみたよ!
この通り、とても良い子である。
冰
…くれるの?
巫子
うん!今日も頑張ってきてね
冰
…ありがとう
巫子
いってらっしゃーい
そういえばアイツ不器用だった気がするな、と思いながらぼーっと歩く
樹
____。
遠くの方で聞こえる田中の声に目を向ければ覚束ない足取りで松村の隣を歩いている
…あれ松村だよな、ピンク髪の横に立つ黒髪は松村ぐらいしかいないよな。
女子高生1
ねぇ、あれインス夕の人じゃない?
女子高生2
ほんとだ!何だっけ…冰くん?だっけ?
女子高生1
そうそう猫ちゃんっ!
同名の人が割といるものなんだなと思う
インス夕なんてやらないから僕ではないのは確実だ。
冰
ねむ…
ジェシー
あっ!あの人じゃない?慎太郎!
慎太郎
マジ?…まじ、マジだ!
朝から元気な人もいるものだ
ジェシー
話しかける?
…可哀想な人もいたものだ
ジェシー
あのっ、スミマセン…HAHAッ
慎太郎
ぎこちなさ過ぎだろ
冰
ッスー…?
僕なのね…
50m先には田中と松村
助けを求める?いや、そんなことをしていい程仲良くもない
……そういえば
北斗
明日クマみたいなやつとハーフに話しかけられたら無視して良いよ!
これか…?
試しに無視して直進…。
ジェシー
ちょ、待ってっ?!
北斗
____?
北斗
__!!
松村の声が少しづつ近づいてくる
北斗
ジェシー!
慎太郎
あ、北斗おはよ
ジェシー
おっはー!
北斗
おう、おはよう。…じゃなくてお前ら行動早くない?
冰
昨日言ってたクマとハーフってこの人達?
北斗
あ、うん
北斗
ごめん、俺もここまでとは思ってなくて
冰
何が?
北斗
いや、なんでもない
何だよ…
冰
僕、行くけどもう良い?
北斗
うん、また教室で
慎太郎
ちょちょちょーーい!
唐突な大きな声は驚くからやめてほしい
慎太郎
俺!森本慎太郎!
慎太郎
1年でっす!
ジェシー
ジェシーでーす!
冰
あ…猫宮冰です…
冰
2年で松村とタメです
ジェシー
ねね、じゃんけんしよ!
冰
じゃ、じゃんけん…っすか
ジェシー
最初はグー
何出そう…
ジェシー
じゃーーーん
冰
…?けーーん
…
北斗
…
慎太郎
…
ジェシー
えぇっ?!HEHEっ!!
冰
あれ、じゃんけん…
樹
おーい俺置いてくなよ北斗
北斗
……っあ、ごめん
北斗
今の出来事が衝撃的すぎて意識飛んでた
樹
は?…ってジェシーと慎太郎じゃん
慎太郎
よ!
ジェシー
GoodMorning!
樹
ぐっもーに〜ん
ジェシー
HAっ!EnglishPoint!!50
収集がつかなくなってきたぞ
女子高生1
えっ待ってやばい
女子高生2
1、2年リーチかかってるって!!
そんな声が聞こえる方を見る
と、バッチリ目が合った
冰
…
一応一礼だけしておく
女子高生2
えっ、わっ私たちに…?!
女子高生1
どう考えてもそうでしょうよ…!!
冰
…先行くからねー
4人で騒いでいるため一応声だけ掛けて歩を進める
早く行かないと人の数が増える…
まだマシな時間に教室までたどり着きたい
にしても
冰
ハーフはまだしも、めちゃくちゃ言われた通り「ハーフとクマ」だったな…