私
ついた…
ついに今日がやってきた。 緊張もあるが、新しい 環境に少し ドキドキしている。 準備も早く終わり、 やることもないので 高専へ行くと15分も 早く着いてしまった。
私
これから新しい友達を
作るんだ
作るんだ
私
よし
私は覚悟を決めて 昇降口に入った。
校舎は静まり返っていた。 人が少ないと聞いていた 割に下駄箱が広い。
私は靴を脱ぎ、指定の 靴を履いて 廊下を歩いた。 コツコツとなる足音が 長い廊下によく響く。
私
(さすがに着いてる人は
いないか)
いないか)
私
(深呼吸)
心臓の拍動が 速くなる。 まるで転校生に なった気持ちだ。
私
………
ガラララッ
私
ぅわっ
誰もいないはずの 教室には、1人の 女の子がいた。 真っ直ぐのボブヘアーで 優しそうな瞳。 ドアを開けた瞬間、 彼女はこちらを見た。
硝子
…おはよーございまーす
私
(…………やべぇ)
くっそ タイプなんだが
私
おはよう
硝子
(いきなりタメか)
私は従来の自分を捨て、 高専バージョンに 塗り替えた。
私
ねえ
私
君、名前は?
硝子
いえいり しょーこ
私
へぇー、しょうこ。
どんな字?
どんな字?
硝子
…ガラス。
私
ガラス…?
あー硝子か!
あー硝子か!
硝子
そう
硝子
あんたも早く着いたの?
私
うん
私
そうだ、他にどんな人くるか
知ってる?
知ってる?
硝子
えー…全然わかんない。
男子が2人来るのは
知ってる。
男子が2人来るのは
知ってる。
私
あー、やっぱそうなんだ
私
……はい
私はガラケーを 取り出した。
私
メール。
硝子
お、早速か
私
…………おっけ、
ありがと
ありがと
硝子
てか座れば?
用意されてるし
用意されてるし
私
そーする。
隣いい?
隣いい?
硝子
どーぞー
硝子
っはぁー…よかった、
あんたみたいな人で
あんたみたいな人で
私
ん?
硝子
ちょっと不安だった。
男に媚び得るような奴が
来たらどうしよって
男に媚び得るような奴が
来たらどうしよって
私
あーね。
私も硝子みたいな人が
いてマジよかった
私も硝子みたいな人が
いてマジよかった
硝子
嬉しい事言ってくれんじゃん
私
まーねー。
ってかうちらさ、
打ち解けるの早すぎ。
ってかうちらさ、
打ち解けるの早すぎ。
硝子
あはは、たしかに。
その後も、硝子と たくさん話した。
私
硝子は身長どんくらい?
硝子
言わねー
私
けち
硝子
www
私
じゃぁ体重
硝子
殺されたいのかな
私
ごめんごめんごめん
硝子と会話を 楽しんでいると、 控えめな戸を開ける 音が耳に入った。