星と書いて『キミ』と読む（短編小説）

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今日は命日、私はキミの家にお邪魔させて貰って写真の前で手を合わせて言う。 もう一年経ったんだ…なんて考えながら手を合わせている。キミがいない世界に私はまだ慣れないよ。いつも見てくれていた優しい眼差しを思い出して今でもたまにこの世界にいるんじゃないかと思っちゃうんだ。

そう名前を呼ばれて振り向くと翔くんのお母さんが便箋を手に持ち、立っていた。 私は眼から溢れそうになっていた涙をバレないように拭い、立ち上がる。

少し声が震えてしまった。 やはり親子だからか、おばさんを見ていると翔くんを思い出してしまう。

私は震える手で手紙を受け取る。 翔くんから私への手紙… おばさんに断りを入れ、封を開ける。 最後まで読んみ終わるとさっき止めたはずの涙が一滴、ニ滴と溢れて手紙を濡らした。

『俺は夜空からいつも美桜を見てるから。ずっと、美桜や皆がこっちに来るまで、ずっと。』なんて… 力が抜けたように膝から崩れ落ち、手紙を抱きしめながら泣いた。

ずっと我慢していたからか、涙が止まらない。 私の背中をさすってくれているおばさんからも啜り泣く声が聞こえた。 部活で遅く帰ってきた孝兄が驚いて、優しく抱きしめて、頭を撫でてくれた。

翔くんの家族は皆優しいね。 翔くん見ててね。 またキミに逢った時、キミが大好きだと言ってくれた笑顔で逢えるように頑張るから。 キミの家から帰るいつもの帰路で 夜空を見上げると星が光った。

ーENDー