テヒョニヒョンの、 退院の日。
僕は、 学校帰りに急いで病院に向かった。
実は前日に、 テヒョニヒョンが明日は早く来てほしいと言ってきた。
一緒にマンションに帰ろうってことなのかな?
わからないけど、 今日はいっぱいお祝いしよう。
なんたって、 今日はテヒョニヒョンがやっと退院できるんだから。
JUNGKOOK
いつものように、 勢いよく病室の扉を開けた。
その先には、 冷たい表情をしたテヒョニヒョンが、 外を見ながら立っていた。
もう、 荷物運びは終わったのだろうか。
僕が来た頃にはもう、 新しい人が入ってこれるくらいに、 綺麗に片付けられていた。
窓からさす夕日の光が僕達を照らす中、 僕はちょっと戸惑いながらも話しかけた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
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JUNGKOOK
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改まって… どうしたんだろう。
嫌な予感が、 能裏をよぎる。
だってテヒョニヒョンが、 なんだかいつもの様子と違っていたから。
別人みたいに…、 冷たい表情を浮かべていたから。
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突然、 そんなことを告げられる。
引っ越す……?
あの…、 マンションから…?
JUNGKOOK
そんなの、 突然すぎるよ……。
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__え?
テヒョニヒョンが何を言ってるのか、 私にはわからなかった。
JUNGKOOK
目眩がするほどの強い衝撃が、 全身に走った。
金縛りにあったみたいに体が言うことを聞いてくれなくて、 テヒョニヒョンを見つめたまま呆然とする。
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JUNGKOOK
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JUNGKOOK
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言葉の一つ一つが、 硬い槍となって僕の体を抉っていくようだった。
僕の世界が、 音を立てて崩れ始めた瞬間だった。
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JUNGKOOK
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目の前にいるのは、 本当にテヒョニヒョンなんだろうか。
そう思うには、 そう疑わずにはいられなかった。
テヒョニヒョンではないと、 そうだと思いたかった。
僕は、 目の前のテヒョニヒョンという人物をただただ見つめる。
__テヒョニヒョンなんだ。
目の前にたってる人は紛れもなく、 僕が世界で1番大好きな、 テヒョニヒョンだった。
驚きすぎると、 人間は涙も出ないのだろうか。
JUNGKOOK
ようやく喉の奥から絞りきった声は、 情けなくて震えていて、 今にも消えそうで、 テヒョニヒョンに届くのがやっとだっただろう。
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そう言って、 僕の横を通り過ぎるテヒョニヒョン。
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すれ違いざまに、 そう言った声が僕の耳に届いた。
……っ
JUNGKOOK
いったい、 僕のどこにそんな力が残っていたんだろう。
病室を出ようとしたテヒョニヒョンの足が止まった。
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JUNGKOOK
窓から見えていた夕日が、 雲に隠れて見えなくなった。
あたりは瞬く間に光をなくす。
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それがテヒョニヒョンが僕に告げた最後の言葉だった。
テヒョニヒョンの足音だけが僕の耳に響いて、 ただ立ち尽くした。
コメント
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今頃見てめっちゃハマりました! 今からでも続きを書いて欲しいです、
続きありますか、、?この作品に出会ってハマりました…
続きが楽しみです!