拝啓、僕の初恋の人へ
藤澤涼架side
春、桜の花が満開に咲いて花見をする人で溢れかえる公園に僕は一人でベンチに座っていた
ひらひらと舞い落ちる桜の花をぼんやり眺めながら
最近、仕事がうまくいかない
本当は音楽関係の仕事につきたかった
でも、母親から言われた 「そんなんでやっていけるの?大丈夫なの?」 って言葉に怯えて、嫌々就職して入った会社
その会社は、どうやら僕にはあっていないみたい
先輩や上司には怒鳴られるし、 最近は初歩的なミスも増えてきた
これじゃ後輩の方覚えが早いと嫌味を言われている
なんで、うまくいかないんだろう
そんなことを考えながら、桜を眺めていると、目の前に二人の男の人が現れた
omr.
綺麗な声だな、と思った
いつのまにか出てきた涙で顔はよく見えないけれど
差し出されたハンカチは僕のものだった
fjsw.
そう言ってハンカチを取って涙を拭いた時だった
omr.
その人は僕は泣いていることに気づいてくれた
隣に座って背中を優しく摩ってくれた
もう一人の男の人は 「水買ってくる」 とその場を離れた
omr.
その優しい声と言葉に僕は泣きながら今までのことを話した
仕事がうまくいかなくていつも怒鳴られていること
先輩、後輩の間の関係がよくないこと
ストレスが溜まってなのか初歩的なミスが増えてきていること
僕の言葉を、男の人は黙って聴いてくれた
omr.
omr.
fjsw.
omr.
男の人が指をさす方を向くと、走ってくる男の人が見えた
wki.
omr.
wki.
fjsw.
wki.
omr.
その日から、僕と大森さんたちはよく公園で会うようになった
話を聞いてもらっているうちに、仕事もミスが減っていった
それを話すと、二人は自分のことにように喜んでくれた
そして時間が経つにつれ、僕は大森さんへの友達以上の想いを知ることになった
大森さんが他の人と喋っていると、苦しくなって寂しくなる
大森さんと偶然お店で会えるとすっごく嬉しい気持ちになる
これはきっと
僕の生まれて初めての
“恋” だってことを、最近知ることができた
だから、想いを伝えたい
できるならここに大森さんを呼び出して 「好き」 って伝えたい
のに。
僕はできない。 大森さんに気持ちを伝えても、報われないの
それはね
omr.
wki.
仲良さげに話している二人の姿が暗い夜道に映る
夜の道を歩く二人は、確かに
手と手をつなぎ合っていた
知ってたよ
大森さんと若井さんが付き合っていることくらい
知ってたの
でも、見ないふりしてた
今までずっと
でも、もう限界だから
絶対実るはずのない想いを抱えて生きるのは、もう無理だから
だから、僕はこの恋を諦める
大森さんがいなくても、生きていけるよ
それは嘘じゃないよ
拝啓、僕の初恋の人へ 僕の初恋を奪った罰として、二人で絶対に幸せになってください。
END.
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それではまた!
コメント
10件
失恋しても、優しいなんて…😭いいひとすぎますよ…😭 フォロー500人おめでとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))
うわぁぁ………… 初恋を奪った罰として幸せになれとか こーんな綺麗な表現初めて聴いたよ… 幸せそうな2人をみるのがどれだけ辛かっただろうか…もぉー最高すぎる! 500人もおめでとう🎉みのりさんと出会えてうれしいよ〜!!
切ない… でも素敵ですね…