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コメント
8件
え、もうほんとに良かったです…! 小説家にもなれるぐらいの表現力で すごく感動しました…😭😭😭 この2人が幸せになれるのを心から 願ってます……😭😭 ふわっと終わる感じも大好きです🥹 監禁パロもめっちゃ楽しみにしてます!!!完全に冷たいaxさん書くのちょーー大変そうだけど、頑張ってください…!!!
初コメ失礼します!!!! 実は前々から作品を見ていまして見る度に最高すぎる。と思っていました!更新されてうっきうきで見に行ったらもう最高すぎるんですけれど続き楽しみにしてます! なんか物語の雰囲気がカンザキイオリさんのあの夏が飽和するという曲にすっごく似ててローレンとアクシアが逃げるところほんとに大好きです。 これからも頑張ってください!!
更新嬉しすぎます!🥹💗 個人的にはちょっと優しさ残ってる方が好きなんですけど完全に冷たいのも気になる👀💭✨
主
主
主
主
初恋は、中学3年生の春だった。 その子は少し遠くから来た転校生で、 天然パーマ気味な柔らかい髪と 太陽みたいな明るい笑顔に 俺は恋に落ちた。 もう1人転校生が居たけれど そんな事気に留めもしないくらい その女の子に一目惚れだった。
???
バサバサバサ…
ax
???
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なんだよコイツ、男の癖に貧弱な奴。 痛がってないで、 とっとと謝れっつーの。
???
lr
ax
???
ax
???
ax
アイツは確か… この子と一緒に転校してきた ローレンって奴か。
ax
ax
???
クラスメイト
クラスメイト
ax
良いな、俺もあの子に カッコイイとこ見せたい…!
クラスメイト
ax
ax
ax
バターンッ!!
クラスメイト
ax
lr
なんだよまたコイツ!? つーか、 なんでゴール前で突っ立ってんの!? 俺ら同じチームだよな?!
ax
あー!もう、転んで大恥かいた、 あの子もこっち見てるし!! マジで最悪…!!
lr
ax
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ax
ンだコイツ!!? この事故はお互い様だろ!? なんで俺だけが謝って、それで 文句言われなきゃなんねえんだよ!?
???
ax
ax
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???
いやいやいや、 何言ってんのコイツ?
???
ax
ax
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ax
ー 保健室 ー
ax
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ax
本当になんなんだコイツ、 性格悪すぎないか…!?
lr
ax
ax
ax
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ax
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あんな事言っても反省の素振り無し… 掴めないな…
ー 放課後 ー
???
ax
???
ax
???
???
ax
ax
???
ax
ax
ax
???
今日こそ、勇気出して告白するぞ…!
ax
???
ax
よし、今がベストタイミング… 頑張れ、俺!
ax
???
ax
???
やばい、めっちゃ緊張してきた… 後は「好き」って言うだけなのに…
???
ax
ドシャーン!!
大きな音がして振り返ると、 そこにはまた"アイツ"がいた。
lr
???
ax
ax
lr
いやなんか喋れよ!! 俺らお前を心配してんだぞ!? 何他人事みたいに…
???
???
ax
lr
ax
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ax
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ax
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はー…もはや腹立ち過ぎて 逆に落ち着いてきたわ。
ax
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ax
ニャーン…
ax
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コイツ、猫を助けようとして…? 意外と良いとこあるんだ…
ax
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ax
ニャーン!!
ax
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ax
いつも無表情で、どこか遠くを 見つめているような顔だけど 今は…笑って、る、?
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ax
硬そうな顔の筋肉がほぐれて いつになく優しそうに笑うその顔に 俺は少し見とれてしまったと思う。
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ax
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ax
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少しコイツの事が気になって、 会える口実が欲しくなった。
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ー 数日後の放課後 ー
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ローレンと話していると 人見知りな猫が俺に懐いたみたいで、 少し嬉しかった。
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ベニ
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また、この目。 遠くを見ているような…でも 確実に視界の中に 何かを捉えているような。
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そろそろ一学期が終わり、 夏休みが始まる頃。
クラスメイト
クラスメイト
ax
クラスメイト
ひそひそと数人のクラスメイトが 話していたので訳を聞くと ローレンの背中? 何か問題でも…
ax
喉がヒュッ、と音を掠めた。 その直後に心拍数が上がり、 唾が大量に湧き、それでも、 飲み込んでも飲み込んでも 喉は乾いたままだった。
クラスメイト
クラスメイト
無数に出来た小さなアザから 所々に拳サイズの大きな青いアザ… ローレンの薄い皮膚からは アザからの血管がより濃く見える。
ax
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この事には触れていいのか? 女の子への告白も躊躇う俺に、 そんな大層なことを聞ける勇気が あるはず無かった。
ー 放課後 ー
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まさか、父親からDVを受けてる事? なんて、言えなかった。 臆病な俺はとぼけたフリをした。
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掛ける言葉も見つからなかった。 フォローする言葉も見当たらなくて 俺は押し黙ってしまった。
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ボソッと呟いたその声音が あまりにも不安定で、震えていて ただただ、気付いたらローレンを 抱きしめていた。
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俺の腕の中で啜り泣く彼から、 父親から暴力を受けている彼から どこか脆くて危ない雰囲気を感じて、 その雰囲気を何故か魅力的に感じた。
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思春期真っ盛りだった俺は レイプも、セックスも、 どっちも知っていたけど 言葉じゃなくて、 真実が理解出来なかった。
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夕日も沈んで薄暗くなった部屋で 俺は痛いくらいに ローレンを抱きしめた。
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混乱と動揺で、 口をパクパクさせながらそう言った。
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涙と鼻水を垂らして、 小さい子供みたいに泣きながら 縋ってくるから。 いや、 その姿を可愛いって、 魅力的だって、思ったから…かな。
気付けば 俺は頭を縦に何度も振っていたし、 何も分からないのに ローレンをベッドに押し倒していた。
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確か、コンドーム?みたいなやつを 付けなきゃいけなかったよな、 なんて考えもしたが 火照った頭はそんな考えを 俺の脳内からシャットダウンして ぐちゃぐちゃに丸めて、 まだ綺麗だったゴミ箱に投げ捨てた。
ズプププ…
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初めてのセックスは 好きな女の子でもなく、 脂肪の付いた柔らかい身体でもなく、 高めの可愛らしい喘ぎ声でもなく、 想像より気持ち良く無かったけど でも、とても満たされていた。
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ピュル…
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ローレンの身体はひどく心地よくて、 そこに安心感を感じる自分がいた。 でも、その感情が俺はまるで 母親などから感じる "本能的"な安心だと思った。
性欲なんていう簡単なものじゃなくて そこにはもっと深いものがあった。
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全てを理解するには、俺達には まだ若過ぎた。 中学3年生という未完成の身体が 2つ、交わって、溶けていく…
ベッドの弱々しく軋む音が 再び鳴り始めた。
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夏の風に頬を撫でられながら 少しだけ嬉しそうにする君の顔を見て 俺は恋に落ちたのかもしれない。
夏休みが始まって2週間…
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時間より遅れることはあったけど、 毎日ローレンはこの公園に来た。
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夏用の薄いTシャツが濡れて、 そこから彼の白い肌が透けている。 夏休みが始まる前に見たより もっと多くのアザと、 アザにしては小さすぎる赤い跡が ローレンの鎖骨、横原、胸周りに…
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全身に鋭い熱が回って、 とにかく俺はローレンを求めるように何度も、何度もキスをした。
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綺麗な赤色の髪を揺らしながら 手馴れたように咥えては シナリオ通りのように、 簡単に俺も果ててしまった。
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順番も、方法も全部わかっていて、 それを誰に教わったか、なんて 少しでも考えると身体が震えた。 恐怖で震えたのではない。 怒りで震えていたのだ。
そして、その怒りが レイプや暴力されている事に 対してでは無く、 俺の知らないローレンを 知っていることに対する怒りだと、 その時ハッキリと自覚した。
ax
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他の人より大人びていて、 人生を達観しているような口調。 そして何にも期待しないスタンスと 全て諦めたみたいな目。
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全身ずぶ濡れなのに熱くて、 風邪を引いているようだった。 肌と肌が重なり合うと余計に熱くて、 その温度は上がり続けた。
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翌日、案の定俺は風邪を引いて、 母親に物凄く叱られた。
ax
ローレンはスマホを持っていないので 連絡を取り合う手段も無く、 もしかしたら、いつもみたいに 公園に来て、1人で待っているかもと思うと心が苦しかった。
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約1週間後、 俺は駆け足で公園に向かった。
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1週間も来ないと、流石にローレンも 来なくなっていたみたいで、 少し落ち込んだ。
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担任
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始業式にはローレンも顔を出しており 安心したと同時に、 あれ以降何をしていたのか 少し気にもなった。
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季節はすぐに秋を通り越して、 冬になった。
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目の前のイベントを楽しんで、 欲しい物の話をして。 俺達は"らしく" 中学校生活を送っていた。
めくるめく季節は過ぎ去って、 3月になった。
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ー 卒業式当日 ー
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その言葉を口に出すと 脳みそがぐらっと揺れた。
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無意識に、俺は ローレンの腕を掴んでいた。 この手を離せば、 すぐに居なくなってしまいそうで…
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俺たちはまだ"子供"で、 "親"という切っても切り離せない関係があった。 でも…
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小刻みに震える彼は 迫り来る葛藤と戦っていた。
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俺達は無我夢中にに走った。 目的地なんか無いけれど ただひたすら、遠くに。遠くに。
アナウンス
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俺達はお互いの顔を見て、笑った。 この先どうなるかなんて不安よりも 未知の世界へ旅立つ時のような、 好奇心と冒険心に溢れていた。
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まだ寒さの残る季節の中、 俺達を乗せる電車は進み続けた。
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主