テラーノベル
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1,993
焦げ臭いにおいが鼻につく。 人の焼死体が置いてある。 そんな中、生ぬるいコンクリートを裸足で走った。 裕福な家ではあったと思う。 父も母もギャルブルはしなかった。 兄は…したけれど、生活が苦しむようなものではなかった。 歯車が狂い出したのは、いつだっただろうか。 いや、明確か。 兄が交通事故で死んだ時だ。 つまり言えば薬でラリって運転して死んだらしい。 俺には関係のないこと。そのはずだった。 あの馬鹿が、車にあんなもの乗せていなければ。 両親は詐欺師だった。人から金を騙し取り生活する。 足がついてこなかった。なのに、警察はどうやら有能らしく、両親は捕まった。 だからこそ、俺は失望した。 詐欺師の親を持つ子を迎え入れたいという、物珍しい人はいないらしく、親戚の家をたらい回しにされた。 もう、俺の人生は終わるのだと思った。 そんな時、父の弟…叔父が迎え入れてくれると俺に手を差し伸べた。 俺は手を取る。今思えば、これが一番いけなかった。 取らなければよかった。 叔父は優しく俺を導くと地下へと連れ帰った。 それはもう地獄だった。 檻に入れられ、暴力を振るわれた。 叔父を見れば、生意気だと腹を蹴られ、顔に大きな傷をおわされた。 叔父の彼女に煙草の火を向けられた時、屈辱で死にたくなった。 それくらい。地獄だった。 血腥い臭いとズキズキと痛む傷、流れ出したと思ったら止まらない血。 全てが俺を狂わせた。 なんとなく、その時に個性が芽生えた気がした。 火を見ると、操りたくなった。 だから、希望をかけて彼女の煙草を大きくしてやった。 燃えろ。燃えろ。全て燃えて無くなれ。 そんなことを思いながら、火力と大きさを上げていく。 彼女は悲鳴を上げながら焼け死んで行く。一酸化炭素中毒にもならずに純粋な炎に焼けて死んでいく。 程なくして、彼女を助けに来た叔父も燃えて行く。 口角が上がる。やっと、やってのけたのだ。殺したい奴を殺せたのだ。 二人が燃え終わり、個性を解除しようとした。 その時。ドンッと音がなった。 警察だと思った。ヒーローなんて頭になかった。 だから、だから、彼が来た時びっくりした。 炎の中を進んでくる。 可笑しい。火傷して、焼け死ぬはずなのに。 向けられた手はまるで叔父を彷彿とさせた。 俺じゃない誰かに向けた鋭い瞳は叔父を彷彿とさせた。 なのに、なのに、可笑しいんだ。 こんなにも、高揚したことは人生で初めてだ。 罪を犯した。人を殺した。 だから、もしかしたら、この人に殺してもらえるのではなかと、心臓がバカみたいに動いて仕方が無い。 手を取った。 殺した事がバレて、少年院に入れられた。 でも、彼に会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。アいたい。アいたい。アいたい。 あいたい。あいたい。あいたい。 そうだ。 逃げよう。そしたら、追ってきてくれるかもしれない! そんな子供心を身に宿したまま、少年院から逃げた。 簡単だった、全部焼けばいいだけだったから。 全部、全部。焼いて終わり。 それだけだ。 会いに来てくれなかった。 彼はやっぱり、ヒーローで俺に割く時間なくてなくて、まずまず血陰関係もない一介の子供に割くは時間はなくて。 気が狂ってしまいそうで……。 でも、それでもよかった。いつか会いに来てくれるなら、それでいい。 その時に、躊躇しないで殺して貰えるくらいのヴィランになろう。 そう思ったのが、始まりだった。
殺そうとしても、良心が働いた。 この人は、なにもしてないじゃないか。 ヴィランに必要の無い気持ちのせいで、罪を犯せずに21歳になった。
夜はいい。 逃げ隠れしやすい。 けど、夏は蒸し暑くて仕方が無い。 だから、体を冷やすつもりでコンビニに入った。 そしたら、そこで夏雄と会った。 すごくいい奴だと思った。 こいう奴が幸せな世界をヒーローは守っているのだろうと感じた。 …それだけ。俺はヒーローじゃないから、夏雄の幸せなんざ作れない。 離れなければ行けなかった。なのに居心地が良くて…。 離れられなかった。
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