私は生まれて初めて 両親にわがままを言う
わがままを言う権利が少しあっても いいかなって思えて。
普通の家庭では 当たり前なんだろうけど
その 当たり前ですら、当たり前じゃないと 思い込んできたから
言うのもとても緊張する。
望
望の母
望の父
父はスマホをやるのに集中していて 聞いてすらいない様子だ。
望の母
白米が盛られた皿とふりかけだけが 机の上にのせられる。
望
望
望の母
望
望の母
望の母
望
望
望
望の父
父はスマホをさわる指を止めた。
望の父
望の父
望の父
望の父
望の父
望
望
望
望
望
今まで手を出されることは無かった。
でも何か気に触ることを言うと こんな風に 冷たい表情で声も荒げずに叱る。
それも毎回 「お前は恵まれている」から始まる。
でももう大丈夫
わがままを言って、 私は人間なんだって言えた。
勇気を出して 私の気持ちまで主張出来た。
そして
望
別れの言葉も言えた。
きっと2人とも私を追わない。
警察沙汰にもならない。 言うつもりもない。
私のことを想ってくれる人を探そう。
そして、絶対に
生きてやる。
私はドアを開けて外へ飛び出した。
コメント
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え、めっちゃいい話…