クドラク
朝か。

りゅう
おはよう

クドラク
今日は起きれたのか。

りゅう
クドラクが、心配で…。

クドラク
気にする事はない。

りゅう
(なんだよその言い方…。)

クドラク
りゅう。

りゅう
何??

クドラク
ありがとうな。

りゅう
あぁ、うん。

りゅう
(……///)

りゅう
初めて…、礼を言われた…。///

りゅう
(俺、なんでこんなに顔赤くして…///)

スバル
おはようございます。りゅう様。

りゅう
おはようございます。

スバル
昨日はお疲れ様です。

りゅう
え??

スバル
クドラク様をお助け下さり。

りゅう
(なんで知ってんの??い、見られてたのか??///)

りゅう
と、当然ですよ…///

りゅう
………///

スバル
………。

ガルダ
おい、りゅう。顔赤いな。

りゅう
(なんで言うんだよぉぉ!!)

ガルダ
なんでって。

りゅう
心読むな!!

りゅう
(スバルさん気まずい…。)

ガルダ
なんで?

りゅう
心読むなぁぁ!!

ガルダ
(なんだよ気まずいってよ。)

ガルダ
なんかあったの?

りゅう
別になんでもないし///

スバル
(りゅう様、可愛いですね。)

ガルダ
(スバル、こいつ優雅な顔して何てこと思ってんだよ…😓)

りゅう
クドラク。

クドラク
りゅうか。部屋空いてるぞ。

りゅう
あのさっ…

クドラク
なんだ?

りゅう
今日もどこか連れて行ってよ。

クドラク
どこだ?

りゅう
(どこって言われても…)

クドラク
あいにく今日は忙しくてな。すまないが、明日でいいか?

りゅう
えぇっ…。

りゅう
(くそ…、たまには俺のわがままも聞いてもらうからな…。)

りゅう
だめ。今日、今すぐに。

クドラク
だがしかし…

りゅう
お願い…。

クドラク
……。

クドラク
よし、お前には貸しがあるからな。

りゅう
(やった!)

クドラクはりゅうを連れて城から離れた山にやってきた。
りゅう
さ、寒。

クドラク
すまない。これを着ろ。

クドラク
それで、急にどうしたんだ?

りゅう
話がしたいなって…。

クドラク
それなら城で良かっただろう。

りゅう
他の人に聞かれたくなくて。

クドラク
話はなんだ?

りゅう
結婚。

クドラク
……。

りゅう
それについて話したくて。

クドラク
あぁ、それの事だが私が無理にお前に気を使わせていたら、正直に言ってくれてもいい。お前は人間界の生き物だ。わざわざ人間界の生き物と結婚する理由はないんだ。 @#*%¥……。

りゅう
(色々言ってるけど、そんなことはどうでもいいんだよ。俺、ずっとクドラクと居たい。)

りゅう
ね、クドラク。

クドラク
なんだ?

りゅう
俺と結婚するの嫌だ??

クドラク
……。

クドラク
私は実は言うと、私には誰にも話したことがない過去がある。その過去のせいで心が開けなく、孤独だった。

りゅう
昔のこと??(結婚と関係が?)

クドラク
お前と会うまでだ。

クドラク
両親が…

りゅう
お父さんとお母さん??

りゅう
そういえば、城にはいないよね。

クドラク
いや、城にはいる。

りゅう
いるの?会ったことない…。

クドラク
あぁ。私も会ってない。いや、もう会えない。

りゅう
え…??

クドラク
お前には話そう。いや、話すつもりだった。

りゅう
………。

クドラク
私には兄がいる。

クドラク
名はブルーハ。

りゅう
ブルーハ…。

クドラク
兄さんも居ない。

りゅう
家族はみんな居ないの??

クドラク
両親は殺された。

りゅう
ぇ………。

クドラク
ブルーハ。私の実の兄にだ。

りゅう
(クドラクの兄さんが…両親を殺した……??)

クドラク
もう何百年も前の話だが、私の父はこの世界の王だった。今の私の立場だった。

クドラク
そしてある日、兄がこの世界の権力を得るために父を殺し、母を自殺へと追い込んだ。

クドラク
私は殺されず、兄に城から追い出され、森の中で1人で暮らした。

りゅう
そんな…。

クドラク
またある日、父が殺されてから10年くらい経ってからだ。私はこの世界に迷い込んだ人間にあった。何百年も前だから名は忘れたが。

クドラク
その人間は私を殺そうとした。しかし、人間は兄に存在がばれてしまい、処刑された。兄は気に入らないこの国の民は平気で処刑した。

クドラク
両親が兄に殺された事や、兄が大量に処刑をしていた事。それと家族の罪深さで私は心を閉ざした。

クドラク
そして、父にあることを誓った。

りゅう
あの、クドラク。辛いなら全て話さなくても…。

クドラク
いや、お前には話そうと前から思っていた。

りゅう
(なんで俺…??)

クドラク
お前はこれを聞いたら私を怖がるようになるかもしれない。

りゅう
………。

りゅう
(そんな事ないよ…。)

クドラク
兄がこの国を支配し始めてからこの国は変わった。以前は争いのない平和な世界だったこの国で争いが起こるようになり、それが嫌で人間界へ逃げ出す者もいた。

クドラク
そして、人間界へ逃げた者は人間界で暴れ人間に危害を加え、みな死刑になった。

クドラク
他にも、仲のいい人狼の群れでは仲間を襲うようになり殺し合いが起こるようになったり、人魚は女神の子守唄ではなく不吉な子守唄を歌うようになった。

りゅう
人魚はもともと違う歌を歌ってたの?

クドラク
あぁ。それはとても綺麗な心が癒される歌だった。しかし、国が変わり全てが狂った。

りゅう
(もう、聞きたくない…。)

クドラク
そして、ある日。私は城へ侵入した。城中で兄を探し…。

りゅう
……??

クドラク
殺した。兄を。

りゅう
(こ、殺した…??クドラクが…??)

クドラク
私は父に兄を殺すことを誓った。その後は兄の弟である私がこの国の権力を握った。国を前のような平和な世界へ戻そうと努力はしたが戻ることは無かった。

りゅう
(クドラクが……殺した……。)

クドラク
兄を殺す前、私は兄にある命令を受けていた。

りゅう
命令…??

クドラク
人間界へ行き、人間を殺し、侵略することだった。

クドラク
しかし、兄も賢かった。いきなり人間界へ行き侵略するのでは無謀だと考えた。

クドラク
そこで、ある人間に目をつけた。おそらく計画的に選らんだのではないだろう。

りゅう
誰なの…??

クドラク
お前だ。りゅう。

りゅう
お、俺…?!

クドラク
兄はお前をこの国へ誘拐し、人間がどんな生き物か調べる実験を試みた。

クドラク
しかし、私は兄に逆らい命令を果たす前に兄を殺した。

りゅう
なんで…??お兄さんは死んだ……。俺を誘拐する理由もなくなったはず…。

クドラク
私は残酷な生き物だ。お前を誘拐した本当の最初の理由は、私は兄を殺しただけでは満足せず、兄が目をつけた人間。お前を誘拐し、お前を殺してこの世界に永遠のお前の血の雨を降らせようと思った。全ては復讐のためだ。結婚する事は頭にはなかった。

りゅう
ただの…、復讐のためだけ…??結婚って…嘘なのか……?

クドラク
私は愛を知らなかった。お前に怖がられないよう接近した。婚約をすれば逃げられずに済むと考えた。そして私は人間界へ行きお前を誘拐した。都合のいい事にお前はすぐに私に懐いた。しかし、お前を誘拐してから私の何かがおかしくなった。

りゅう
(殺されそう…だったのか…??しかも、クドラクに……。)

クドラク
なぜか、お前にだけ心を開いた。一緒に生活していく中でお前を殺す事は出来ないと思った。

りゅう
どうして……。

クドラク
好きだからだな。

クドラク
お前と出会ったことで私は愛を知った。

りゅう
……。

りゅう
(クドラク……。)

クドラク
しかし、私の過去の事情を聞いてお前は私をより怖がるだろうと考えた。

りゅう
(だからあんなに結婚を辞めようと…。)

クドラク
りゅう。

りゅう
なに…?

クドラク
私が怖いか??

りゅう
(な、なんでそんな事聞くの…??)

りゅう
…。

クドラク
正直に答えてくれていい。

りゅう
怖いわけ…ないだろ。

クドラク
しかし、震えている。

りゅう
………。

しかし、りゅうもクドラクと出会ったことで本当の愛を知った。
クドラク
私は兄を殺している。

クドラク
お前も殺そうとしていた。

りゅう
そんなの…関係ないよ…。

クドラク
………。

りゅう
過去なんてどうでもいい。俺は今のクドラクが好き。

クドラク
もし、私がここでお前を殺そうとしたらどうする。

りゅう
いい。その時は静かに殺される。

クドラク
……。

りゅう
ねぇクドラク。

クドラク
なんだ?

りゅう
俺の事…もう嫌いなの??

クドラク
………。

クドラク
そんなわけないだろう。

りゅう
ねぇ。ずっと一緒に居てよぉ…。

クドラク
泣かせてしまうつもりはなかったんだ。申し訳ない。

りゅう
クドラクぅぅ…。

りゅう
俺、クドラクの兄さんの罪償いとして一生懸命働くし、お父さんとお母さんの為にも働くよ。だから、ずっと一緒にいてよ…。

クドラク
大丈夫だ。私はもうお前を手放したりはしない。

クドラク
だから、泣くのをやめてくれ。

クドラク
またそのうち私の過去の話と共に言うつもりだったが、この際今言ってしまおう。

りゅう
なに?

クドラク
改めて、今度は復讐のためでもなんでもない。

クドラク
私と結婚してくれ。

もし、クドラクの過去の話が分かりにくかったらすいません。
クドラクは兄に両親を殺されてしまいます。心を閉ざしてしまいます。
兄を殺す前に兄からの命令でりゅうを誘拐するようにと言われます。
復讐は済んだはずが、クドラクは納得が出来ませんでした。
そこで、兄が目をつけていたりゅうを誘拐し、ブラディ界にりゅうの永遠の血の雨を降らせようとしました。
しかし、一緒に過ごしていくうちに心を開き、嘘で結婚をしようとしていたのが本命になっていきます。
最後に今に至る感じです。再び本命のプロポーズをした事になります。
最後の最後でややこしくなってしまってすいません。🙇♀️
クドラク

クドラク
