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続き待ってます!
続き待ってます!
春千夜
春千夜
春千夜
春千夜
記憶が戻る前の俺は毎日泣いていた
春千夜
俺はずっと真っ暗な屋根裏部屋に閉じ込められていて日の光なんて浴びたことが無かった
ご飯は俺が寝ている時に固い扉、?のようなものの上に置かれてた
冷たくて
味がしなくて
栄養もない残飯のようなものだった
トイレとかは屋根裏部屋にもあったから困らなかった
お風呂は時々父親が水を張った大きめの桶で済ませていた
春千夜
屋根裏部屋に無造作に置かせていた絵本の中にあるヒーローにいつか助けてくれるかなって期待してた
そんな日々を5年くらい送り続けたある日
キィィィィィィ……
向こうから扉を開けられた
春千夜
母親
母親は俺を見て心底嫌そうに顔を顰めた
その表情に、言葉に、幼い俺の心が小さくパキッと鳴った
春千夜
母親
春千夜
投げられるようにして渡されたのは小さな生まれたばかりの赤子
母親
母親
母親
母親
母親
それだけ言うと母親は用済みと言わんばかりに扉を閉めた
春千夜
春千夜
赤子の顔を見た瞬間、頭痛が襲ってきて
春千夜
あの頃の記憶が脳内で溢れ出した
春千夜
脳が情報を処理しきれず俺の脳はシャットダウンした
「____」
マイキー…、すみません、そしてありがとう
春千夜
平衡感覚が狂うような真っ暗な闇の中に響く謎の声
春千夜
鮮やかな桃色の髪の人が突然現れ”私”へ手を伸ばす
春千夜
手が私の頬に触れる
春千夜
俺が王として崇めていた人、兄の様に思っていた人、突然現れたヒーロー、沢山の人を殺してきたこと、妹がいたこと、全部が発達しきっていない脳に流れてきた
春千夜
手が私の口の端を撫ぜる
手が触れているこの場所は…
春千夜
その言葉を口にした瞬間、脳が情報を処理し終えた
春千夜
桃色の人は私を抱きしめる
人影は私の体に吸収されるように消えていく
春千夜
完全に消えた後、胸にそっと手を添える
春千夜
なんで笑っているのだろう
わからないけど、なんだか憑き物が落ちた気がした
春千夜
腕の中できゃあきゃあと声を上げる妹を抱きしめる
春千夜
殺させなんかしない
大切な俺の妹
春千夜
春千夜
愛らしく笑う千壽に俺も釣られるように小さく笑った
春千夜
時々足が絡まりながらも必死に走る
春千夜
…でも、子供がヒーローをやっていた大人に敵うわけもなく
父親
春千夜
振りほどこうとしても圧倒的な力で抑え込まれる
春千夜
押し倒され首を絞められる
父親
最っ低!!反社やってたけどここまで最低な奴いなか…いや、いたけど!!
時々灰谷兄とかこいつも吃驚なこと言ってたけども!
春千夜
あぁ…さいあくだ
犯され殴られ蹴られ…
春千夜
気持ち悪い…
”個性”で口の中を一度作り変える
春千夜
今は、10歳
記憶を戻したから3年経った
この3年の間に母親は愛人を作り俺に暴力を振るわせた
父親には犯され祖父母には夜の街に売られた
一言で言おう
反社やってた時といい勝負の辛さだわ
春千夜
千壽
春千夜
抱き上げ背中を軽くたたく
千壽
春千夜
春千夜
千壽
春千夜
反社の時何回か潜入目的で来たけどやっぱこの空気無理だ…!
慣れねぇわこんなの…
荒ぶる気持ちを殴り殺し辺りをぶらつく男に話しかける
春千夜
モブ太郎キラキラ☆
春千夜
目を細め下をチロリと見せる
モブ太郎キラキラ☆
春千夜
モブ太郎キラキラ☆
春千夜
春千夜
ラブホから出、路地裏で吐く
口ん中が精液まみれで気持ち悪い…
春千夜
春千夜
4万クソ婆共に渡して…残りの6万は俺の貯金行きな
春千夜
春千夜
あーやべ……
勝手に涙出てくんだけど……
春千夜
精神が体に引っ張られるから勝手に涙出んのマジで嫌だ
春千夜
涙を拭き前を見据える
春千夜
春千夜
春千夜
春千夜
春千夜
……地獄の底に叩き落としてやる
春千夜
もう見つかったのかよ…クソが
春千夜
春千夜
血で作られた銃でクズらの足を貫く
殺したら面倒臭えし走れねえようにしてやる
千壽
春千夜
千壽
春千夜
千壽
春千夜
千壽
クズらとの距離は約70メートル
あいつらの個性が届くのは後20メートル
春千夜
千壽
半ば無理矢理千壽を走らせる
春千夜
父親
春千夜
父親
母親
春千夜
地面に平伏すクズらを見下す
春千夜
某、混血の主人公思い浮かべてくれ
母親
春千夜
父親
春千夜
プロヒーローなだけあってしぶてえな…
春千夜
っ、ここで血液切れかよ……⁉︎
父親
母親
母親が俺の首筋に手を当てる
母親
母親の個性が俺の首を締め付ける
春千夜
俺の人生マジゴミすぎる
春千夜
視界が黒い霧にかかったように霞んでくる
パキ、バリリリリ…
母親
父親
誰だ
こんな親達みたいに訓練は受けてねぇな
足音とかでわかるけど身のこなし方がヒーローとは遠く及ばない
死んじまう、逃げろ
父親
母親
名前も知らない誰かさん、悪いな
「ヘルフレイム!」
また増えたな……あーでもこいつ強えな
母親
父親
凄い人なんかな…まぁもう死ぬし考える必要ねえか
「お父さん!この子があの子の言ってた…」
「わかっている!俺はこいつらを連れてくからおまえは___」
抱き上げられる感覚
あぁ……あったけぇなぁ
春千夜
春千夜
消毒液のきつい匂いに清潔な部屋……
「あっ、起きた」
春千夜
「あ、いきなりごめんね! 君の妹さん?に助けてって言われて…」
春千夜
真っ白な髪にところどころ入る赤いメッシュ
冬美
春千夜
凄ぇ綺麗な人………俺も負けねえけどな
冬美
春千夜
名前と顔が一致している…名付けた人すげぇな
冬美
春千夜
あいつに助けてって言われたんだよな…なら生きてるか
冬美
冬美
千壽
春千夜
おどおどしながらも俺に手を伸ばす姿に笑みが浮かぶ
春千夜
千壽
春千夜
冬美
春千夜
千壽と冬美さんからの期待の視線が痛い…
春千夜
中身27歳、今世足して37歳
恥ずか死案件だわ
冬美
春千夜
え、俺なんかした??え?へ?ん?え?
冬美
春千夜
冬美
備え付けの紅茶を淹れる
春千夜
冬美
冬美
冬美
冬美
冬美
冬美
冬美
春千夜
冬美
春千夜
冬美
春千夜
春千夜
千壽
今は12歳、千壽は9歳
春千夜
ヒーロー
春千夜
ヒーロー
春千夜
千壽
ヒーロー
千壽
ヒーロー
春千夜
なんかこの天井見覚えあんぞ
春千夜
またかよ…
なにあったんだっけな…
突然ヒーローらしき奴に殴られて…
春千夜
春千夜
ガラララララ
春千夜
春千夜
医者
春千夜
医者
白衣を着た男は医者らしい
医者
≪重患者管理病棟≫ 〇〇△ ×□〇〇 ・ ・ ・ 明司千壽
春千夜
医者
春千夜
春千夜
ベッドに横たわる千壽は真っ白な顔をしていて微動もしなかった
春千夜
千壽の頰に手を這わす
春千夜
涙は出なかった
涙は“明司”だった頃に置いてきてしまった
春千夜