入学式
満開の桜に良く似合う
優しいピンク色の髪
一瞬にして
目を奪われた
C.
真っ直ぐに近づいて
勢いで一言
C.
C.
S.
S.
S.
彼は困ったように笑って
新入生が付ける花のブローチを指さした
S.
C.
C.
S.
C.
なぜかは分からないけれど
この人が好きだって思った
S.
S.
C.
S.
C.
C.
S.
S.
C.
S.
S.
C.
C.
C.
名前を知れた
君に恋をした日
切ない恋のはじまり
スイートピーが咲く花壇の前
甘い匂いが鼻を掠めた
C.
S.
C.
C.
S.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
C.
S.
S.
走ってく後ろ姿
これから一緒にいられる時間が少しだけ長くなると思うと
自然と嬉しさが込み上げてくる
C.
好きな人の部活なんて
リサーチ済みに決まってるでしょ
C.
君を追いかけて
同じ部活に入った日
C.
少しだけ距離も縮まった頃
たまたま見つけた先輩の姿
タタタッ__
C.
S.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
C.
S.
S.
C.
S.
S.
C.
C.
初めて一緒に帰った日
S.
C.
S.
S.
S.
C.
C.
C.
C.
2日も会えないんだ、と思うと
どうしても名残惜しくて
その場に突っ立ったままになってしまった
S.
S.
俯いている僕の鼓膜を
先輩の優しい声が揺らす
C.
ダメ元でも言ってみよう
C.
C.
恥ずかしくって
君の顔は見れなかったけど
S.
S.
勇気を出して言った一言
笑って受け入れてくれたな
そっか
あの日は連絡先も交換できて
ぐっと距離が縮まった日
意味もなく
LINEを起動させて
先輩のプロフィールを開いて
C.
初めて連絡した時は
馬鹿みたいに緊張してたの
C.
手に持った紙切れには
初めての定期テストの結果
C.
C.
S.
S.
C.
C.
酷すぎて
見せるのを拒むまでもなかった
S.
S.
案の定大爆笑された
C.
C.
S.
S.
そう言って
勿体ぶらずにすぐ見せてくれた
C.
S.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
顔だけじゃなくて
頭もこんなにいいなんて
S.
C.
S.
C.
S.
S.
S.
S.
C.
S.
C.
勉強は嫌いだったけど
先輩の「がんばれ」は魔法みたい
その一言だけで
僕はいくらでも頑張れる
夏休み
勇気を出して誘った花火大会
C.
C.
初めて見る
私服姿
シンプルだけど
誰よりも輝いて見えた
C.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
S.
C.
さらっとそう言った先輩に
ドキドキしないわけないでしょ
でも
C.
すこしだけ
先輩と後輩の関係であることが
嫌だなって思ってしまって
S.
C.
C.
S.
S.
C.
ドーーンッ
C.
突然の大きな音
暗い空を
鮮やかな光がてらす
C.
C.
C.
ふと隣をみると
口元にわずかな笑みを浮かべて
花火を楽しんでいる君がいた
せっかく花火を見に来たのに
彼の横顔から目が離せない
花火の光が反射して
きらきら光る髪も
吸い込まれるくらい綺麗な青の瞳も
そのすべてから目を逸らすことが出来なかった
気づいたら
C.
そう、言ってしまっていて
ドーーーーンッ
その瞬間
今日1番の花火が
空に咲いた
彼が
驚いたように、こちらを向く
S.
S.
S.
そう言って
悲しそうに笑った
C.
S.
C.
好きな人と過ごせた夜
幸せで
2回目の失恋をした日
電話は
なかなか慣れなかったな
S.
C.
S.
でも
君が次々話題を振ってくれるから
君と話すのが楽しかったから
時間を忘れてオールなんて日常茶飯事
S.
C.
S.
C.
S.
C.
C.
S.
S.
S.
S.
C.
C.
S.
C.
C.
S.
C.
S.
C.
C.
君の何気ない一言に
びっくりするくらい、傷ついた日
S.
モブ
モブ
モブ
C.
タタタッ
モブ
C.
C.
モブ
モブ
C.
S.
C.
S.
S.
汗でやわやわになった
紙袋の持ち手
C.
言葉は考えてきたのに
頭の中は真っ白になっちゃって
S.
勇気を出して
C.
C.
何度も何度も作り直した
甘さが控えめの
ビターチョコレート
S.
C.
C.
恥ずかしくって
先輩の顔は全く見れなかった
S.
C.
C.
C.
スッ
C.
S.
S.
心から喜んでくれてるように見えた先輩
もしかしたら、って
期待した日
C.
C.
S.
S.
C.
C.
あの日
先輩と出会った日の様に
窓の外で桜が揺れる
それと同じように
目の前の彼の髪も優しくなびいた
S.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
S.
C.
C.
S.
S.
すぐバカにしてくる
でもなんだかんだ言って
優しくて
そこが好きなんです
C.
先輩が卒業するまで
残り1年になった日
5月28日
午後11:52
C.
S.
通話
00:00
C.
C.
C.
C.
S.
C.
S.
C.
シャッ(カーテン開ける)
C.
街頭に照らされた道
窓の外には
C.
S.
C.
S.
切った途端
まよわず、玄関に向かう
ガチャッ
玄関の目の前に立っている
大好きな人
C.
なんで、と聞こうとした瞬間
彼がスマホの画面を見せてきて
笑った
S.
C.
先輩がみせてきた画面には
5月29日
0:00
と表示されていた
S.
C.
C.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
C.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
ギュッ
C.
S.
C.
抱きしめておいて
ごめんなんて
そんなのずるい
S.
S.
S.
C.
振られた
でも
気持ちは、伝わってるって
じゃあ、
もっともっと伝えよう
C.
自分に言い聞かせてさ
最高の誕生日
強くなれた誕生日
それからは
毎日、告白の日々
C.
S.
S.
C.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
プルルルルッ
ピッ
C.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
C.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
C.
S.
C.
S.
S.
S.
C.
前より明らかに距離も縮まって
S.
C.
S.
S.
C.
S.
C.
S.
先輩からも
誘ってもらえるようになったの
C.
C.
C.
S.
C.
クリスマスには
駅前のイルミネーションを見に行った
カップルばっかり
ちょっと羨ましい
S.
S.
C.
S.
S.
C.
急な不意打ち
ダメージ2000
そんなのずるいじゃんね
クリスマスという日が
終わって欲しくなかった
S.
C.
衝動で掴んだ先輩の服
自分でも分かるほどあざとくって
消えたいくらい恥ずかしかった
S.
C.
C.
C.
C.
S.
もう、何回目かも分からない告白
なぜかはわかないけど
みっともなく泣いてしまった
先輩は
そんな僕を優しく抱きしめてくれて
C.
C.
S.
でも
「俺も」とは言ってくれなかったな
トン、トン、トン(階段のぼる音)
窓の外には
あの日
彼に出会った日と同じ
満開の桜
花びらが舞うグラウンドには
今日、高校3年間を終えた卒業生たちが
たくさん集まっていた
C.
C.
楽しくて
切ない恋
神様
僕に
素敵な恋をくれてありがとう
今日で最後
呼んである、先輩の元に行って
僕の恋物語は終わり
C.
C.
キーーッ(扉開ける音)
C.
澄んだ青色の空を見つめる彼
ずっとずっと好きな人
C.
C.
あの日
入学式の日と逆だな
C.
さらさらと揺れるピンク色の髪も
空を見つめる大きな青い瞳も
この広い空によく似合っていた
C.
S.
C.
そう言って
手に持っていた小さな花束を渡す
丁寧に重ねられた
ほのかに香る、スイートピー
S.
S.
真っ直ぐに
僕を見つめる瞳
C.
C.
僕も
ちゃんと前を向いて
すぅ、と
小さく息を吸い込む
C.
S.
C.
C.
C.
S.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
そう言って彼は
悲しそうに目を伏せた
S.
S.
C.
C.
C.
先輩に、彼女がいた?
僕と出会う前から?
クリスマスも誕生日も一緒に過ごしたのに?
つまり
C.
S.
S.
ダッ
S.
S.
S.
その場にいたたまれなくなって
先輩の声も無視して走り出す
C.
もう何も考えたくない
自分が、先輩の恋を邪魔していたなんて
最初から知っていれば、こんなにしつこくまとわりついたりしない
C.
人目につかないところまで来た瞬間
突然体力の限界が来て
その場にしゃがみこむ
僕の好きだった人
今でも好きな人
C.
何よりも
好きな人に好きな人がいた
その事実に耐えることが出来なかった
C.
C.
C.
綺麗なままで終わらせたかった
僕の恋
こんな形で閉じてしまうなんて
C.
C.
S.
C.
ギュッ
S.
C.
S.
S.
なんで
なんで追いかけてきたの
S.
C.
C.
聞こえてたはずなのに
僕のことを離すまいと
込められた力
C.
C.
そう言ったら
ふ…っ、と体が解き放たれる
S.
C.
傷つけられた
悲しくて
辛くって
だけど
好きな人のお願いだから
最後に、聞いてあげよう
S.
S.
S.
S.
C.
ポツリ、ポツリと語り出したのは
先輩の、彼女さんの話
S.
S.
S.
S.
C.
今更気づいた
今までの彼女さんの話が
全部過去形だったこと
S.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
S.
S.
C.
そんな
いつだって明るかった先輩に
そんな過去があったなんて
S.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
先輩が
悲しそうに笑った
S.
S.
S.
S.
C.
S.
そう言いながら彼は
僕の頬をつたう涙を拭ってくれた
あぁ、そっか
先輩も、苦しい恋をしてたんだ
ずっとひとりでもがいてきたんだ
それなのに、僕は
C.
C.
そう言うと先輩は
目を丸くした
それから、少し笑って
S.
C.
S.
そう言ってくれた
S.
S.
C.
S.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
C.
S.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
C.
彼はその光景を思い浮かべたのか
おかしそうに笑った
S.
C.
S.
S.
S.
C.
あぁだめだ
やっぱり彼には叶わない
S.
S.
S.
S.
ずっとずっと欲しかった言葉
「好き」の二文字が
嬉しいのに
涙で言葉がでない
そんな僕に
先輩は、言葉を続ける
S.
S.
S.
S.
そう言われた瞬間
糸が切れたように、涙が止まらなくなってしまった
C.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
C.
S.
S.
C.
S.
S.
S.
C.
S.
S.
S.
終わりだと思っていた、僕の切ない恋
無理だと思ってても、ずっと追いかけてきた
神様
こんな奇跡もあるんだね
C.
春の暖かい風に
甘い匂いを、1つ
彼が手に持っている
カラフルなスイートピーが微笑んだ
花言葉
優しい思い出_________。
ℯ𝓃𝒹.
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
コメント
18件
ガチ泣きしました😿😿
本当にこれが、過去一で本当に大好きです。