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桃と初めてあったのは

海だった

足に波を打ち寄せさせながら 何処か遠くを見つめていた

悲しそうな思い詰めた横顔をみて 思わず俺は声をかけてしまった

なぁ、何しとるん、?

…、別に関係ないじゃん

凄く思い詰めた顔しとる

俺は、それが気にかかっただけ

見ず知らずの人間じゃん、

見ず知らずの人間やから
何話しても大丈夫やろ、?

おに~さん、面白いね、w

初めて見た笑顔は 花が咲くみたいな笑顔で

風で髪がふんわりと揺れて

…名前、なんて言うん、?

桃。 桃の花の桃!

…え~名前やな、

桃にピッタリな名前や、(撫

んへへ、ニコッ

打ち解けるのに時間はかからなくて

お互いが惹かれあってきたのも 時間が経つにつれて 分かってきていた

しばらく連絡をとっていなかった

そんな矢先に来た 青からの電話

。。病院に来い それだけだった

嫌な予感しかしなかった

桃ッ,!!

橙裙…、桃裙はッ…、

す~ッ、す~ッ…

たくさんの管を体に着けて 酸素マスクをつけられて 静かに眠っている君がそこにいた

なッんで…、

桃裙は、病気を持っててッ…、

゛もうすぐ、死んじゃうんだ ゛

…は?

やって、そんなこと一言もッ…!

じぇ、…る…、?パチッ

桃ッ?!

橙 、 好 き 、 だッ た よ … ?

俺もやからッ…!やからッ…!

… あ り が と 、 ご め ん な 、

大好き

桃ッ、桃…?

橙裙ッ、どいてッ!

すぐにナースコールを押して 手術室へと運ばれていく彼女の姿

俺は呆然とみつめる事しか出来なくて

しかも親族である青しか 最後を見届けることが出来なかった

桃くんは…、幸せだったよ、

ほんまに、そうかなぁ…

そ~だよッ…、ニコッ

苦しそうに笑う青は なにか隠しているような気もして

でも俺は 桃を失った悲しみで そんな些細な変化にも気づくことが出来なかった

俺は 桃が死んだことを確認していなかった

だけど青の言葉を信じて 死んだと【思い込んでいた】

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