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続き待ち遠しい!!!!
続き下さい!!
悠佑
大学からの帰り道。なんとなく予想はしていたが、思ってた以上の雨に気分はだだ下がりだ。
しかも、今日に限って折りたたみ傘も忘れてきたので帰り道はびしょ濡れ確定である。
悠佑
ぱしゃぱしゃと音を立てながら雨の中を走る。
大学から自宅までは徒歩で約15分。既に髪や衣服は濡れていて、ぺったり肌にくっついている。
道行く人に「あー、かわいそう。」みたいな風に見られてる気がする、、、
悠佑
そんなことを考えてると、少し先の道に何かが倒れているのが見えた。
悠佑
近くに寄ってみると、倒れていたのは猫だった。
青色の毛並みの猫ちゃんがぐったりと地面に倒れている。
呼吸はしているので、生きてはいるが、弱ってて動けないようだ。
悠佑
自分でもわからないけど、何故か倒れている猫ちゃんを放っておけなくて、気づいたら俺は猫ちゃんを抱えて走り出していた。
頭の中で、家ってペットOKだっけとか、この子飼い猫なのかなとか考えながら、帰路を急いだ。
悠佑
家へ着くと、すぐにタオルと毛布を引っ張り出してきて、それで猫ちゃんの濡れた毛並みを拭いてから、毛布にくるんだ。
軽く自分の身体も拭き、服を着替えてから、猫ちゃんの体を温めようと抱きかかえる。
しばらく抱きかかえて温めてると少し元気が出たのか、ちょっとずつ動くようになった。
そのときに怪我が無いか確かめて見たが、目立った傷は無さそうだ。
冷たかった体も温かくなってきたので、ほっ、と息をつく。
とりあえず、猫ちゃんのごはん(ミルクとかカリカリとか)を買いに行こうと、一旦猫を毛布にくるんだままソファにそっとおく。
玄関に向かおうとソファから立ち上がると、毛布から抜け出した猫ちゃんが俺の足にすり寄ってきた。
悠佑
ソファに戻そうとするが、するりと俺の手を避けて、みゃぁ、と鳴いた。
どうやら嫌われては無いようだが、また弱ったらと思うとまだあまり動かないで欲しいところだ。
悠佑
そういうと、言葉が通じたように大人しくなった。
優しく頭を撫でると、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らす。
悠佑
悠佑
猫ちゃんが大人しくなったうちに、俺は急いでコンビニへ向かった。
買い物を済ませ、家に帰ってくると猫ちゃんは大人しく眠っていた。
悠佑
せっかく眠っているところを起こすのは可哀想なので、今日のところは俺も寝ることにした。
一応、猫ちゃんが見える位置で寝たほうが安心できるので、ソファの横に布団を敷く。
悠佑
悠佑
横に寝てる猫ちゃんを見ながら、明日やることを考える。まず、この子が飼い猫なのか確認しないといけないし、もし飼うなら家はペットOKか大家さんに聞かないといけない。
……でも、弱っていた姿を思い出すと、できるだけこの猫ちゃんが幸せになれるようにしたい。
そんなことを考えながら、その日は眠りについた。
誰もが寝静まった頃、暗くなった部屋でシャラン、と鈴の音が響く。
青色の彼は猫の姿から本来の姿へと戻った。
そして、その足元で寝息をたてている長髪の彼へ視線を向ける。
悠佑
if
…………人間に優しくされたのは初めてだった。
随分と長く生きてきたが、どの時代も人間が俺たちの為に尽くすなんて事はあったことがない。
いつも、自分たちのことしか考えていなくて、こちらの事情なんて知ったことではない、そんな連中だと思っていた。
実際今日だって、ほとんどの人間は俺が倒れているのを見ても、知らないふりをして通りすぎた。
───でも、彼だけは違った。
自身もずぶ濡れなのにも関わらず、倒れてた俺を拾って走ってくれた。
家に着いてからも、自分のことよりも俺を優先して必死に温めてくれた。
柔らかい毛布に包まれながら彼を見つめると、その優しげな琥珀色の瞳が輝いて見えた。
if
彼の頬にそっと触れる。
彼の瞳も、姿も、心も。全てが綺麗で、温かい。
───彼が、欲しい。
そんな感情が湧くほど、俺は彼のことを気に入ってた。
if
if
if
悠佑
悠佑
悠佑
カーテンから差し込む朝日で目が覚める。どうやら昨日はすぐに寝てしまったらしい。
悠佑
お腹の当たりに違和感を感じ、視線を向けると昨日の猫ちゃんがのっていた。
頭をそっと撫でると、ゴロゴロと喉を鳴らしながらすり寄ってくる。
悠佑
にゃぁ
返事をするように鳴いた。
悠佑
言うことはちゃんと聞くし、返事も出来るから猫とは思えないくらい賢い猫ちゃん。
俺に懐いてくれたようで、大人しく撫でさせてくれたり甘えたりしてくるのがめちゃくちゃ可愛い、、
悠佑
今日はやることがたくさんある。だけど、可愛い猫ちゃんのためなら何でも頑張れる気がする!
悠佑
にゃぁん
このときの俺は知らなかった。
まさかこの猫ちゃんが………
───『神様』だったなんて、、、