テラーノベル
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あれは、寒い寒いクリスマスの当日の事だった
確かにさっきまで握っていたはずの暖かい恋人の手が、
強い風と共に、
すぅ~っと何処かに消えてしまった
百
瑞
瑞
百
百
瑞
瑞
百
百
百
百
いつも直ぐに返事をくれた。
また返事が帰って来ると思った
なのに
俺が目を少し離したと同時に、
手の温もりが消えた
こさめの声も、返事も帰ってこなかった
百
百
振り返る
そこには、誰もいなかった。
なんで。さっきまでこさめがいたのに。
確かに、いたのに、
百
百
百
百
百
ドッキリだと信じたかった
ただの遊びだと信じたかった
けど、こさめが出てくるはずもなかった
百
気がついたら無我夢中で走っていた
百
百
百
ポロ
目を離してごめん。
このまま、俺の家に帰って、2人でケーキを食べて、プレゼントを渡して、楽しく過ごすはずだったのに
俺のせいでごめん。
幸せな時間を奪ってごめん
すぐに警察の人が探してくれた
けど、こさめの痕跡は何も無かった
警察犬も来ていたけど、
俺がこさめを認識していたところまでしか匂いがなかったらしい
本当にこさめは消えてしまったのだ
1週間が経過した
こさめの手がかりはゼロ
事件として調査しているらしいけど、
なんせこさめの手がかりは一切ない
解決する日がくるのか
いや、俺が解決してみせる
俺がこさめを見つけ出す
だって、
俺はこさめの彼氏だもん
恋人だもん
百
毎日毎日こさめの夢をみる
あの日の出来事を忘れるなとでも言うほど、
家族にも、友達にも心配された
俺は自分のことなんてどうでもいい
こさめのことが心配。こさめに会いたい。寂しいよこさめ
こさめ。あれから3年が経過したよ
こさめは本当だったらどんな姿なのかな
きっと、もっともっと可愛くなってたんだろうね
俺、見たかったな
こさめの可愛い姿
結婚もしたかった
こさめの声が聞きたい
元気なっ優しい声を
百
百
百
百
百
毎日毎日神社へ行ってお参りをしている
こさめが、元気で暮らせるように
こさめは普通の高校生だった
みんなと変わらない普通の高校生
なのに、運命は残酷だ
優しいこさめをどこかに連れてってしまった
こさめも、俺たちと同じように幸せに暮らして欲しい
百
百
手差し出す
握り返されるはずなんかないのに。こさめが握ってくれるんじゃないかって希望を諦めきれない。
ここは思い出の場所
いつもこさめと通った場所
そして、こさめがいなくなってしまった場所
1人で登校するようになってから、なんにも楽しくなかったな
瑞
ちょっぴり冷たい手
優しい、
俺を包み込んでくれるような声
百
百
ポロポロ
瑞
百
泣
抱きつく
瑞
こさめは、あの日、居なくなった日と同じ格好をしていた
マフラーをつけて、コートを着て、かわいいこさめ
今は夏だよ。こさめ、
時系列がおかしいことはどうでもいい。
こさめに会えてッよかった
百
ポロポロ
百
泣
瑞
瑞
百
瑞
百
裾上げ
百
瑞
瑞
百
瑞
瑞
百
百
確かに、こさめも疲れてるよな
そう思って、俺は深く考えずに、こさめを見送った
寝ている間、ずっと夢の中で誰かが
こさめを助けろと言ってきた
彼氏だろ。会えずにいなくなるぞ
せっかく会えたんだから、こさめは頑張ったんだからお前も頑張れ
こさめを助けろ
そう言われた。
俺は何が起こっているのか分からなかった
ただ、おかしな夢を見ているだけだと思った
けど、もう一度こさめに会えなくなるのは嫌だ
そう思ったら、体が動いていた
百
瑞
瑞
百
瑞
百
瑞
こさめが少しずつ透けて、体が空へ上っていく
何が起こっているのか分からない
こさめ、こさめが消えた3年間
こさめは何をしていたの?なんで会ったのにッ何も教えてくれないの?
百
百
百
百
瑞
ポロ
瑞
瑞
瑞
ポロ
瑞
瑞
瑞
瑞
瑞
瑞
瑞
瑞
瑞
泣
百
ポロ
百
百
泣
百
百
百
泣
瑞
消
ああ。その笑い方、また聞けてよかった
絶対、会うから。俺が迎えにいくから、一緒に幸せになろ
ねえ、こさめ
【メリークリスマス】ℯ𝓃𝒹
コメント
1件
少し伸びたら🦈くん視点書きますჱ̒( ᐛ )̧̢