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茜
茜
茜
僕の元には愛と言うものを感じる環境は用意されていませんでした。 どの書物を読んでも、親は子供へ関心を示し、話しかけたり、抱いたり叱ったりするものだと書かれていました。 ……僕にはそれが分かりませんでした。唯一僕に愛というものをくれたのは、きっと兄の存在でした 兄は、両親から愛され、常に、何をしても褒められていました。 一度だけ、好奇心で母に抱きついてみることにしました。結果は突き飛ばされ、罵詈雑言を吐かれるだけでしたが、母が僕に何かをしてくれたことは初めてで、僕にはそんなことが嬉しかった記憶があります。 あれから母と父は不慮の事故によって他界してしまいました。
僕らは母の姉という人に引き取られ、それからは沢山の愛を注がれました。 他人なのに、どうしてそこまで出来るのか僕には理解が出来ませんでした。 兄も最初は警戒していましたが、すぐに警戒を解いていて、何故だろうと疑問に思ったこともあります。 義母や兄に聞いてみたのです。 何故他人の僕らに愛情を注いでくれるのか、と そうすると2人は一度、目を合わせると笑いだしました。僕は分からないけど馬鹿にされたようでむすっとしてしまいました。 そんな僕を見て2人は教えてくれました。 「家族だからだよ」…と 後に兄から家族は、愛され愛すものだと、教えられました。 ……では、あの血の繋がった母達はどうなのかと聞くと、兄は難しい顔をして唸ってしまいました… ですが義母は簡単に言いました。 「家族の形は人それぞれなのよ」…と 恐らくあの形はきっと、壊れてしまう形だったのでしょう。それが縁あってこの義母達に引き取られた。分からないけど、分からないなりに理解しようと思える環境は、きっと心地好い場所だったんです。
晴明)これで愛を求めた男の子の話はおしまい。…ってみんなどうしたの!? 秋雨)どうしたじゃないぞぉ!その子はどうなったんだぞ!? 晴明)え?うーん…今は幸せに暮らしてるよ。愛されてね。 秋雨)良かったんだぞぉぉ!! 狸塚)何かお話してって言って何でこんな泣けちゃうお話持ってきちゃうのかなぁ!ハンカチびしょびしょだよぉ… 晴明)ご、ごめんね…? 飯綱)つかそいつ…本当の話なのかよ! 晴明)本当だよ〜。僕が知ってる、愛を求めた男の子の話だからね! 佐野)…( 知ってる、ね…。 ) 晴明)泣かないでよみんなぁ! 佐野)…( そりゃ、本人だから知ってるわけだな ) 晴明)佐野くん手伝って〜!! 佐野)うるせぇな…。つか何でそいつら(秦中・神酒)まで居るんだよ! 凛太郎)ええやん 佐野)今授業中だぞ? 凛太郎)たまたまなかったんやもーん
愛に飢えた男の子は、愛を与えられ、 笑顔が綺麗で、たまに恐ろしいけど…素敵な教師になりましたとさ。
茜
茜
コメント
1件
楽しみに見てます 体調に気をつけて頑張ってください 応援してます