「叶わぬ恋」のはずだった

私の隣の席の彼はいつも

遅刻ぎりぎりで登校してくる

だけどたまに学校に着くのが

早い私よりも早く着いている時がある

今日はその

「たまに」

の日だった

彼は席で本を読んでいて

本を読んでいる姿

あー今日もかっこいい

目が合った

何か話さなきゃ...!

あーあ会話終了

もっと話したい...!

本に詳しくない私には全然分からない

怒っちゃったかな

暇だし本当は塾の宿題したいけど

間違いだらけの私の塾の

テキストなんて見られたくない...!

あー何しよう...

しょうがない

本読んでる快くんでも見てようかな

~5分後~

あ...本閉じた

どうしたんだろう

まだ最後に会話してから

5分くらいしか経ってないのに

本読まないなら何するんだろう

え...!

快くんがこっちに向いた!?

ﾊｯ!

私、橋本沙羅

やってしまいました...

バレないように隠してきた想いなのに

自分で言ってしまった...

しかも本人に...!!

あ~快くんどんな顔してるんだろう...

困ってるよね…

私は恐る恐る顔を上げる

えっ!

快くん顔真っ赤!

かわいい!

ああもう言ってしまえ

快くんが...?

すき...？

私のことを...?