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すいません!色々忙しい中、別のやつが完成したので第7話になっちまいました リクエストされた「堕ちてイく雛鳥」は今作ってるので頑張ります! 今回第1話でセンシティブ設定ないけどいろいろご注意です…… 来月くらいかな……課題忙しいのでそのくらいになっちゃいそうだけど頑張ります!
烏野高校1年1組21番 日向翔陽
部活:バレーボール部 ポジション:MB
身長:162.8cm 体重:51.2kg
暗い部屋の中、真っ直ぐに白い光を出す画面と睨めっこしながらひたすらにキーボードを打ち付ける1人の男がいた
その男の人は昔からちょっと変な趣味をしてる人だった
普通……いや、これを口にしてしまったらきっと失礼だろう まぁ世の中色んな人間がいるが、彼の周りには同性より異性に目を向ける人が殆どだった
でも彼は違った
ひとつの物にハマったらそれを手に入れるまで絶対に目を逸らすことは無い
例えそれが同い年の女であり、男であり幼女であり
罪の無い 他人の男子高校生だったとしても
事の始まりは2012年6月1日
日向翔陽
ガラケーの画面を開くと知らない人から通知が届いていた
2012/6/1 21:06 From:26-- 53-- Sub:愛してるよ ━━━━━━━━━━━━━━━ 翔陽くん元気? 今日も見たけど帰りにアイス食べてたよね もうすぐ夏本番だけど身体壊さないようにね 愛してるよ
Fromのところは名前が書かれているはずが、相手の電話番号が書かれていて気味が悪い
しかも今日俺が帰り道でしたこと、全部書かれていた
最初は気味の悪いメッセージに悪寒がした
けれど、メッセージの内容はどんどん ヒートアップして行った
2012/6/3 21:02 From:26-- 53-- Sub:愛してるよ ━━━━━━━━━━━━━━━ 今日買い物してたね 歯ブラシと大きいバッグとか、あと新しいシャープペンシルとノート買ってたよね? もしかして部活の合宿がもうすぐあるとかかな? それとも友達の家で遊ぶとか? ノート買うなんて、君いつも寝てるのにね 返信してくれると嬉しいな。
2012/6/11 21:01 From:26-- 53-- Sub:愛してるよ ━━━━━━━━━━━━━━━ 今日帰ってからすぐお風呂入ってたね まぁ最近蒸し暑いからなぁ そういえば、 今日買ったアイス夏ちゃんにあげてたね 夏ちゃんに優しい君も好きだよ あともう少しだね
日向翔陽
気味の悪いメッセージに吐き気を催した
今日したこと、俺の学校や家での様子、 妹のことなど全てお見通しかのように書いてあった
日向翔陽
一応俺が繋いでいる人達の電話番号を確認したが、頻繁に届いてくるメールの電話番号と一致しなかった
つまり知らない誰かが俺を度々見ている
ホントきもちわるい
これは多分本当にヤバいやつだと確信したのは、6月21日
俺の誕生日の事だった
まぁ別にメール以外で変わったことはなかったけど
誕生日当日に来たメールはこの様なものだった
20××/6/21 00:01 From:26-- 53-- Sub:お誕生日おめでとう ━━━━━━━━━━━━━━━ お誕生日おめでとう これからも可愛い翔陽くんのままでいてね あ、あとそろそろ言おうと思ってたんだ 僕は翔陽くんのことが好きだよ まぁもうわかってるだろうけど。 翔陽くんが通ってる学校、年齢、母校、もちろん誕生日だって知ってる。 逃げようとしても無駄だよ。 僕の愛が止まない限り、僕は君を追い続けるだろうからね
嫌な予感が漂い、思わず携帯を大きく投げ捨てた
きっとこれは夢だ
ゆっくりと立ち上がってまた携帯を取る
なにかの見間違いだよね
携帯を開けてボタンを押す
さすがに母校とか誕生日まで知られてるとか……
母親
日向翔陽
日向翔陽
母親
母親
母親
母親はニヤニヤしながら俺を上から目線で見つめる
日向翔陽
母親
日向翔陽
彼とは中学の友達だ だけどもうとっくに携帯で繋がっているはずなんだけど
母親
母親は片手から封筒を取り出した
日向翔陽
母親
日向翔陽
手紙で連絡するなんてそんなに重要なことなのかな?なんて思ったまま、封筒を開けた
日向翔陽
その中にもう1つ封筒が入っていた
日向翔陽
俺は中に入っていたもうひとつの封筒を開けた
愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる
俺はすぐに紙をビリビリに破いてくずかごに捨てた
一体誰がこんなことをしているのか検討もつかない
俺はひとり、胸を押えながら呼吸をして冷静になろうとしていた
今月から迷惑メールが届いて、誕生日の今日は手紙が届いた
間違いなくあれはイズミンからではない
彼はあんなこと書くはずなどない
犯人はただ1人だけ
一人称が「僕」だったことから男だと考察できるけど、なんで彼は俺に付きまとうのだろうか
どうして家の出来事を知っているのだろうか なぜ通っている学校、母校、誕生日などの個人情報を把握しているのか
俺の家は母、父、妹の4人家族だ
きっとそれも知られてる
家族はあんな事しない
友達のイズミンのことを知っているのだとしたら、彼は俺が中学の頃から全て知っていた?
もういい、全てが気持ち悪い
すこし落ち着かなければ。
窓の外を見る
落ち着かない時は外を見ろって、誰かが言ってた
靡くカーテン
夕方のオレンジ
子供のはしゃぐ声
汗の匂い
何処からか聞こえる風鈴の音
暑い、
夏の匂い
あと…
日向翔陽
ジーと聞こえる、なにかの音
あぁ、思い出した
昔お父さんがよくカメラで風景を撮ってたっけ
日向翔陽
俺は音のする方へ目を向け、手を伸ばした
普段あまり視線を向けないドアの隙間から、2センチほどの黒い塊が出てきた
表面は丸い形をしていて薄い 重さはたぶん20gくらいだと思う
その塊から、微かに音が出ている
多分これは
日向翔陽
薄い横側に電源マークが書いてあったので、それを押してゴミ箱に捨てた
日向翔陽
日向翔陽
日向翔陽
日向翔陽
俺はすぐ携帯を取りだし、横に着けているバレーボールのキーホルダーにつけてある小さい器具を取った
日向翔陽
屑のように小さい器具に目を細めて観察すると、やっぱり小型カメラだった
日向翔陽
とくに電源の止め方もわからないので、窓から遠いところに投げて捨てた
一気に安心して体の力が抜けた
日向翔陽
その後俺はしばらく動けず、世間の怖さに恐れ、静かに涙を流した
6月の後半は夏が近づいてきて、19時くらいでもまだ青空がある
慣れない暑さに、幼馴染と世の中の愚痴を吐きながらゆっくりと家まで足を運んでいた
及川徹
岩泉一
及川徹
岩泉一
及川徹
及川徹
岩泉一
及川徹
及川徹
空を見ながら今にも笑ってしまいそうだったが、幼馴染が歩いてくる気配がない
及川徹
幼馴染の岩泉一は、先程の俺の話に相当ツボったらしく、蹲って震えていた
及川徹
岩泉一
岩泉一
及川徹
岩ちゃんがこんなに笑ってくれるのは嬉しいと日向くんに感謝しながら道を歩いていると、オレンジ髪の男の子がチャリを漕いでいるのが見えた
岩泉一
及川徹
俺の声に気づいた男の子は自転車のブレーキをかけてこちらを振り向いた
日向翔陽
及川徹
日向翔陽
岩泉一
及川徹
岩泉一
日向翔陽
及川徹
日向翔陽
まるで図星だったかのように、翔ちゃんは目を点にさせた
日向翔陽
岩泉一
日向翔陽
なんでわかるんだこの人たちって言ってるかのような、少し引いた顔をしながら俺たちを見上げる彼は、なんだかもっと子供に見える
及川徹
及川徹
及川徹
日向翔陽
日向翔陽
日向翔陽
及川徹
岩泉一
俺たちはふたりとも声を重ね、顔を見合せた
ずっと立ちながら話すのも苦痛なため、公園のベンチに座りながら、俺たちは翔ちゃんの話を聞いた
話の内容は まず6月の初めから「愛してるよ」とか「結婚しよう」とか、翔ちゃんの行動を全て把握している脅しの文章などが携帯で送信されていること 誕生日当日に「愛してる」と一面に書かれた手紙が送られてきたこと 自分の部屋に隠しカメラ、携帯には小さな盗聴器が仕込まれていたこと
岩泉一
岩泉一
日向翔陽
及川徹
日向翔陽
岩泉一
及川徹
及川徹
日向翔陽
及川徹
岩泉一
日向翔陽
及川徹
日向翔陽
及川徹
岩泉一
日向翔陽
岩泉一
及川徹
日向翔陽
翔ちゃんは「そんなの絶対ダメです」と主張しているような眼差しで俺を見つめた
及川徹
及川徹
一気に翔ちゃんの顔が青ざめた
言ってはいけないことを発してしまっただろうかと後悔したが、翔ちゃんも俺も、もちろん岩ちゃんだって危惧してるだろうから、これくらいの事は忠告しておかねばと思った
翔ちゃんから聞いたストーカー野郎は男だと判明はしている。 だからと言ってそれだけで足がつく(発見の手がかりになる)事はないと思うけど
及川徹
及川徹
岩泉一
及川徹
日向翔陽
及川徹
岩泉一
日向翔陽
及川徹
俺はポケットから出した左手で翔ちゃんの頭を撫でた
及川さんと岩泉さんに話をして、なんとその後
日向翔陽
連絡先を交換してしまった
日向翔陽
家の横で自転車を停めながら、そう独り言を呟いていた
鍵を抜いて、家のドアを開ける
日向翔陽
返答がなかった 当然だ 今日は妹と母が実家へ帰郷してるため家にいるのは俺だけ。妹は俺より早く夏休みへ突入したため、2週間ほどは帰らないらしい
日向翔陽
日向翔陽
ただでさえ今恐ろしいものに追いかけられているというのに
日向翔陽
居間へ足を運んだとき、ダイニングテーブルに瓶が置かれていた
日向翔陽
中には白い液体のようなものが入ってる
屈折で上手く見えないので瓶を開けて確認した
瓶を覗いた俺は、ソレが何なのか理解出来た
俺は即座に瓶を蓋して、外に出て投げ捨てた
日向翔陽
男性の精子だった
日向翔陽
影山飛雄
俺が実質一人暮らしを初めて一週間経ったある日の部活終わり 俺と影山は、部活の掃除当番だったためそれぞれ役割を決めて早い者勝ちで帰ってた
俺は早く終わったと同時にずっとトイレに行きたかったので、校内へ戻って普段あまり使われていない1階のトイレで済ませることにした
日向翔陽
その時、携帯が震えた
日向翔陽
携帯には6月頃から見始めた電話番号が映し出されていた
日向翔陽
思わず、着信を押してしまった
日向翔陽
もしかして翔陽くん?
日向翔陽
そっかぁ出てくれたんだね
返事は無いのか
日向翔陽
少なくとも、これは男の声じゃない 編集で加工しているのだろうか
今1階の西口トイレにいるよね?
全身の毛が逆立ち、これまで以上に悪寒がした
日向翔陽
いマからソっチいくネ
日向翔陽
俺は焦って電話を切った
日向翔陽
ドンッ
出入口のドアを叩かれる
あの人がすぐ近くにいるのだ
トイレを出たら真っ先に遭遇する
俺は個室に隠れて息を殺した