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あの夏が飽和する。

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あの夏が飽和する。

1 - あの夏が飽和する。

♥

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2019年02月28日

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これは、俺の

あの夏の日の記憶だ

男子高校生A

次もよろしくね〜

男子高校生B

本当、財布持ってこなくて済む

男子高校生C

言えてる

男子高校生C

てか、ゆうたが財布w

男子高校生A

まぁ、今回はこのくらいでいいか

男子高校生A

また来るわ

ゆうた

う、うん

俺はいつものいじめっ子に

金をたかられていた。

俺はこの梅雨どきが嫌いだ

クラスは馴染み始め、いくつかのグループが出来ていく

そして俺はそのグループにいじめにあう

この流れを中学から味わっている

ゆうた

はぁ…

はるか

なんか元気ないね

はるか

ほら、笑顔!

ゆうた

お前には関係無いだろ

はるか

幼なじみだから心配してんの

はるか

だってゆうたの親、今海外でしょ

ゆうた

それでお前が親づらかよ

はるか

そう

はるか

また、たかられてたの?

ゆうた

あぁ

はるか

断りなよ!

はるか

無理だって

ゆうた

めんどくさいよ

ゆうた

てかお前もいじめくらってるだろ

はるか

いじめっていうかいやがらせ?

はるか

とりあえずは笑顔だって

はるか

笑顔!

4日後

はるか

ねぇ

ゆうた

どうした?

ゆうた

急にメールなんて

はるか

今から家行っていい?

ゆうた

いいけど…

10分後、雨音の中でチャイムが鳴った

ドアを開けると、どこか焦点の合わない目をしたはるかがいた

ゆうた

ど、どうしたんだよ!

ゆうた

こんなに雨が降ってんのに傘を差さないやつがいるか!

はるか

うわぁぁぁぁ

はるかは俺を見ると泣き出し飛びついてきた

ゆうた

ちょ、どうしたんだよ…

少しドキリとしたが、何か訳ありのようだ

ゆうた

とりあえず中入れ

はるか

うん…

はるか

ぐずっ

俺がタオルを差し出すと、はるかは話しだした

はるか

昨日人を殺したんだ…

ゆうた

マジかよ!

はるか

で、でもわざとじゃないの!

はるかは状況を説明した

はるか

(こんな所に呼び出して何かな?)

女子高校生A

(あんたマジウザいんだけど)

はるか

(え?)

女子高校生A

(いっつも笑って、何が楽しいの?)

はるか

(やめて)

女子高校生A

(殴ってでもその面無くしてやる)

はるか

(やめてってば!)

女子高校生A

(っう)

はるかに肩を突き飛ばされ

打ちどころが悪かったらしい

ゆうた

そうか…

ゆうた

じゃあ今からでも警察に!

はるか

それは無理

ゆうた

何でだよ

ゆうた

正当防衛だろ

ゆうた

悪くても執行猶予くらいで!

はるか

警察は問題じゃないの

ゆうた

は?

はるか

周りが、社会が許してくれない

はるか

だから遠い所でも行こうかなって

はるか

何でだろ、最後にゆうたの顔が見たくて

はるかはいつもの無邪気な笑顔ではなく弱々しいほほ笑みを見せた

ゆうた

それじゃあ…さ

ゆうた

俺もつれてってくれ

はるか

えっ…

はるか

分かった

俺たちは荷造りをして街を出た

はるかと俺の旅が始まる

ゆうた

大丈夫

ゆうた

お前は悪くないから

はるか

うん…

ふと目に入ったニュースで震え始めた手を無意識に握っていた

2日後

ゆうた

結構遠くまで来たな

はるか

うん、田舎ってかんじ

はるか

線路沿い行かない?

ゆうた

いいけど…

ゆうた

いつまで手つないでんだよ

はるか

だって安心するんだもん

ゆうた

ならいいけど

はるか

やった

ゆうた

お腹空いてわ

はるか

ホントだね

はるか

コンビニ行こ

ゆうた

金無いだろ

ゆうた

全部交通費で

はるか

盗むの

ゆうた

は?

はるか

だって守るもんなんてないんだから

はるか

付き合いなよね

ゆうた

わ、分かったよ…

俺たちはコンビニ強盗をした

はるかはいつもとは違う、自由を楽しんでいる様だった

はるか

結構もらっちゃったね

ゆうた

盗んだんだろ

ゆうた

本当にやりやがって

はるか

だって今、怖い物なんて無いんだもん

ゆうた

そうか…

ゆうた

そうかもしれないな!

その時、遠くからサイレンの音が聞こえてきた

ゆうた

やべぇ!

ゆうた

逃げるぞ

はるか

ゆうた、こっち!

はるかに連れられ森に入った

ゆうた

何とか振り切れたか?

はるか

そうみたいね

ゆうた

でも、ここも安全じゃないだろ

はるか

うん

はるか

移動しようか

はるか

ついてきて!

15分後

ゆうた

どこまで行くんだよ

はるか

ゆうた

おい!

はるか

…っあ!ごめん

はるか

考え事してた

ゆうた

行くあてなんてあるのか?

はるか

いいから、奥へ行こ!

ゆうた

う、うん…

何も喋らずひたすらに歩いた

はるか

ついた!

ゆうた

ここは?

目の前には小さな小屋があった

はるか

入ろう!

ゆうた

大丈夫か?

はるか

うん!

中に入って携帯で場所を確認した

ゆうた

お、おい…

はるか

ん?

ゆうた

ここ、ダムの近くだろ

ゆうた

自殺名所の

はるか

そうだよ

ゆうた

やるのか…

はるか

うん、もちろん

はるか

そのために来たんだもん

ゆうた

なぁ今からでも戻ってやr…

はるか

うるさい!

はるか

無理なの

はるか

ゆうたはさ、私たちみたいな汚れた人を助ける?

ゆうた

はるか

ほら

はるか

ゆうたも知ってるでしょ

はるか

そんな主人公みたいな人はいない

はるか

誰かが救ってくれる?

はるか

そんな夢は捨てたよ

はるか

だってさ、現実を見てよ

はるか

シアワセの四文字なんてなかった

ゆうた

…うん分かった

ゆうた

俺も死ぬ

はるか

えっ…

2人の話をさえぎるように複数のサイレンが俺たちを囲んでいた

ゆうた

ここまでか…

ゆうた

入水自殺は無理か

はるか

一様、ナイフ持ってきたんだ

はるか

でもね、ゆうた

はるか

ゆうたが今までそばにいたからここまでこれたんだ

はるか

だから死ぬのは私だけでいいから

ゆうた

そのために…

ゆうた

死へ自分を追いつめるために

ゆうた

コンビニ強盗なんてやったの?

はるか

そう

はるか

私意外と弱いから

はるか

ありがとう、ゆうた

これがはるかの最後の言葉だった

俺はこの後の記憶があいまいだ

首を切ったはるかをみていた

まるで何かの映画のワンシーンのように

気がつくと俺は捕まっていた

男子高校生A

おい、犯罪者!

男子高校生B

罰金だな

男子高校生C

いつもの倍、いきますか

いつもの日々が続いていた

ただ俺に向けられるのは厳しいものだった

ゆうた

はぁ…

ゆうた

俺も死んだ方が良かったのかな…

ゆうた

行ってみるかな…

あの夏の日が心から離れず

俺はあのダムに行ってみることにした

ゆうた

はるか

ゆうた

もしかしたら…さ

ゆうた

俺の家に来たのって

ゆうた

俺に許して欲しかったのか

ゆうた

お前は何も悪くない

ゆうた

大丈夫、そんなこと投げ出してしまおう

ゆうた

そう言って欲しかったんだろ

俺の目からは涙がとめどなく 落ちていた

はるか

ゆうた笑顔だよ

はるか

笑顔!

ゆうた

はるか…?

ゆうた

っふふ

声の方には何もなかった

が、俺は風が吹いていく先に手を伸ばして微笑む

ゆうた

分かったよ…

ゆうた

笑ってみるよ

ゆうた

お前みたいに上手くは出来ないけどな

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