追上千秋
……ってことがありました。
虎姫柊
色々言いたいことがありますけど、
虎姫柊
よくその傷で動けましたね!?
追上千秋
刺したのが華奢な女性だったのが不幸中の幸いですね
テラ
ってか、伊藤ふみやまた原付乗ったね!?
テラ
怪我人置いて来るってどういうこと!?
テラ
信じらんない!!
猿川慧
俺らが遭難した時に見捨てようとしたお前が言うな
伊藤ふみや
だって仕方ねーじゃん
伊藤ふみや
原付は2人乗りできねーんだもん
湊大瀬
貴方そんなこと気にするような人でしたっけ
伊藤ふみや
するよ
本橋依央利
というか、もしかしてテラさんたちが聞いた物音って
追上千秋
多分自分が作業してる時の音ですね
追上千秋
お騒がせしました
天童天彦
ちなみに、貴方はどうやってここに入ってきたんですか?
追上千秋
ああ、いつもは玄関から入らせて頂いてるんですけど、やっと新しい窓に張り替えることが出来たので、窓から入りました
追上千秋
入れない間はホームセンターで買ってきた1人用テントで寝泊まりしてたんですよ
虎姫柊
あの、さっきから言ってるリフォームってなんの事ですか?
湊大瀬
何にも聞いてませんけど
追上千秋
追上千秋
えっ?
追上千秋
あ、あのさ……ふみや君
伊藤ふみや
ん?
追上千秋
もしかしてだけどさ、
追上千秋
102に自分がしばらく暮らすことと、リフォームさせてもらうって、まさか皆さんに伝えてない??
伊藤ふみや
うん。
追上千秋
はぁぁぁ?!?!?
追上千秋
なにやってんのマジで!??
追上千秋
これじゃただの変質者から器物損壊予備軍の変質者じゃないか!!!
追上千秋
もう本当にごめんなさい!
追上千秋
てっきり皆さんに伝わっているのかと……
テラ
いや、これはなんにも言ってないふみや君が悪いから
伊藤ふみや
どうせすぐバレそうだと思ったから言わなかっただけだよ
伊藤ふみや
そもそも、言わなきゃダメ?なんで??
猿川慧
ダメに決まってんだろ!!
追上千秋
もうホントにジブンダメだぁ……
追上千秋
自首します……
本橋依央利
いやいやいや
本橋依央利
これに関してはふみやさんが悪いから気にしないで
湊大瀬
あとぶつけたのはふみやさんですしね
伊藤ふみや
違うっての
天童天彦
あと最初から別の空き部屋に案内してたらこんなことにはならなかったんじゃないですか?ふみやさん
伊藤ふみや
気を紛らわそうと思って
伊藤ふみや
ジョークのつもりだったけど、まさか真に受けるとは思わなかった
伊藤ふみや
ウケんね
7人のカリスマ
『おいいいいいいいいいいい!!!!』
猿川慧
本当に悪かったな
本橋依央利
ごめんなさい、あの時に僕が気付いてれば……
虎姫柊
本当に災難でしたね……
天童天彦
なんと謝ればいいか……
追上千秋
いやいやいや謝らないでください!
追上千秋
現にお宅のふみやさんはジブンを助けてくれたんで
追上千秋
自分も勝手な行動してしまったのでお気になさらないでください
追上千秋
あと、畳み掛けるようで申し訳ありませんが、今転職が難航しててしばらく居候させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか
追上千秋
生活費は日雇いバイトや短期バイト等の給与で支払わせて頂きますので
天童天彦
もうここまできて断る訳には行きませんもんね
湊大瀬
寮で働いてたってことは家も無いんですよね
追上千秋
そうっすね……
テラ
怪我のこともあるし、気にしないでゆっくりしてってね
本橋依央利
何か困ったことがあったら、僕に何なりと言ってくださいね
虎姫柊
転職大変だと思いますけど、無理はしないで下さいね
追上千秋
あ、ありがとうございます……
追上千秋
(この人達もめっちゃいい人だな)
猿川慧
いいわけねーだろ
テラ
もぉ〜猿川くん
追上千秋
ですよね、すみません出しゃばりました
追上千秋
じゃあ遠慮しときます
猿川慧
やっぱいろよ。好きなだけいやがれ
追上千秋
急に肯定的だなびっくりした
伊藤ふみや
じゃあ決まりだな
追上千秋
お世話になります!!
テラ
……そういえば、この穴どうしよっか
天童天彦
なんにも考えずに空けちゃいましたもんね
追上千秋
あー、それなら大丈夫です
追上千秋
削って形整えてそのままドアを付けますんで
追上千秋
ちょっと時短するんでこれ使いますね
千秋は大きなボストンバッグから赤いチェーンソーを取り出した
追上千秋
危ないんで離れて下さい
虎姫柊
えっ、まさか
右手でハンドルを握りリコイルスターターを勢いよく引っ張り、爆発音がカリスマ達の耳を叩いた
突然の騒音に隣で熟睡していた理解も目を覚まし、102の前に現れた
草薙理解
何騒いでるんだ貴様ら!!寝ろと言ったはずだろ!!
本橋依央利
あっ、理解君
草薙理解
というか、なんでこんな音が……
草薙理解
草薙理解
は?
テラ
まぁ、そうなるよね
草薙理解
えっ、何か言いました?
テラ
ん?何??
テラ
テラ君は世界で1番美しいって?
テラ
もうずっと前から知ってるけどありがと!
草薙理解
いや、聞こえてないけど多分違います
草薙理解
というか、貴方誰ですか!?
猿川慧
聞こえてねーよ理解
伊藤ふみや
千秋、1回止まって
追上千秋
うおお、びっくりした
追上千秋
なになに、どした?
草薙理解
貴方誰ですか!!
草薙理解
こんな真夜中にチェーンソーを使うなんて!!
草薙理解
不法侵入!!器物損壊!!
追上千秋
ヤバい、ごもっともすぎて何も言い返せん
伊藤ふみや
理解、こいつは千秋。
伊藤ふみや
転職出来るまでここで暮らすから
草薙理解
はぁ!?急過ぎません!?
伊藤ふみや
こいつ寮で生活してたから帰る所ねーんだって
伊藤ふみや
仕事のトラブルで逃げてたソイツを俺がここまで連れてきたって訳
湊大瀬
原付で置いてったでしょ
追上千秋
ってかまだ人居たんだ。
草薙理解
それは大変ですね……
草薙理解
わかりました、そういう事でしたら許可します
草薙理解
ただし、夜間のチェーンソー早めてください
追上千秋
それは本当にごめんなさい
伊藤ふみや
とりあえず、もう寝よう
本橋依央利
寝ましょ〜
猿川慧
俺は寝ねぇ
テラ
またこの下り
追上千秋
では皆さん、おやすみなさい。
千秋の部屋からカリスマ達が出ていったことを確認すると、千秋はチェーンソーを片付けて、その場に寝転がった
追上千秋
はぁ〜……
追上千秋
とりあえず、許可が出て良かったァ
追上千秋
確かに変な人達だったけど別に悪い人たちって訳じゃなさそうだし、泊まれればどこでもいいや
安堵してテントに戻らぬまま瞳を閉じた千秋は、まだ混沌と言っていい程の日常を送る羽目になることをまだ知らない