すみません!全体公開します!指摘などなければ後悔してると思います!
こちらは最強無敵連合様の名前をお借りした二次創作です
こちらは全て捏造、妄想であり、ご本人様とは一切関係がありません
アークナイツとのクロスオーバーとなっておりますが、アークナイツの世界に元から居たというていで話が進みます
種族の設定はしていますが、大っぴらに描写したりはしません(設定開示は出来が良かったら相互限定でやるかもしれませんが)
こちらの物語には、以下の要素が含まれます
・残虐描写
・年齢、関係性、性格、口調等の改変
人によっては鉱石病等の描写(があるかもしれない)
また、モブに実在のモデルなどは存在しません、
300タップ越え
2話以降はこちらを記載しません。
オムニバス 弐十
krsy
元勇者に背を向け、その体格とは不釣り合いなほどの重々しい剣を持つ
元勇者
元勇者
元勇者
命の象徴が滴り落ち、呻き声が聞こえたかと思うと、一瞬でそいつは息絶える
キルシュトルテは黙り込む
krsy
サルカズの子供
サルカズの子供
怯える子供に対し表情一つ変えず、キルシュトルテは答える
krsy
確かに、どことなくそういった予感は感じたのだ、殺されるか、或いは…
サルカズの子供
krsy
その声色に慈愛もなにもなく、諭すようにそう言う。子供には残酷な世界_カズデルでの出来事だ
サルカズの子供
タッタッタ_
krsy
krsy
元勇者
サルカズの子供が走り去り、淀んだ霧の中に消えていく
krsy
キルシュトルテは”元勇者”の方を向き、そう聞いてみる
元勇者
krsy
元勇者とキルシュトルテが出会ったのは、しばらく前
そんな元勇者は、出会った当初から記憶を失っていたのだ。
ヴィクトリア
13:00__
krsy
感染者は見慣れていたが、彼は元勇者の盛り上がる左肩を見て、少しだけ顔を顰める 体表にここまではっきりと源石結晶が出ているのはあまり見ない。
krsy
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キルシュトルテが気にかける彼以外に倒れている人間は、皆みすぼらしい格好をしている
だが、まるで時が進んでいないかのように彼の格好は綺麗なままで、なんだか荒んだ空気のヴィクトリアにとって、彼はどうも異質に思えたのだ。
いつから倒れていたか、キルシュトルテは知らない、本当は人なんか興味が無い。だが彼の事情に少し興味が沸く
元勇者
身なりは普通の一般人と遜色ない、だが何か特別なオーラが彼には纏われている
krsy
久しぶりだ、こんなに胸が踊ったのは
六葉のクローバーを見つけたかのような、言いようのない高鳴りだ。
倒れている青年に対し、強い興味が出てしまう、どうしてこんなところに倒れているのか、どうしてこんなに土も砂も被ったりしていないのか、キルシュトルテはただ気になっていたのだ。
krsy
キルシュトルテは、勇者を担いで歩き出す
ヴィクトリア ある都市の路地裏_
元勇者
倒れていた彼が、明るくも、暗くもない、少しの陽の光が当たる場所で、突然目を覚ます
勇者は多少の光すら慣れない目をパチパチと瞬きをして、何とか目を慣れさせる。
煙草をふかしながら遠くを見、風に揺られる
そうして、目覚めたばかりの彼の方を見る
krsy
元勇者
彼は、明らかに困惑している様子だ。
無理もない、知らないサルカズが目覚めてすぐに話しかけてきたら誰だって驚くし、怖気付く
陰謀が絡まるテラという大地である以上、鉱石病に繋がってしまう可能性だってあるのだ。
最も、二人は既に鉱石病感染症なのだが。
キルシュトルテは手首に分布する黒い結晶を見せながら、自分の名を名乗る
krsy
元勇者
橙の目をした彼の目が絶え間なく泳ぎ、身体が震えている
元勇者
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ヴィクトリアの路地裏、彼らが今いる場所だ。
倒れていた彼に対抗手段はない。このまま殺されてしまうのでは?という不安もあることだろう
元勇者
krsy
怯える彼を、あくまで身体には触れず諭すように制止する
元勇者
心底怯えた様子の彼を前に、キルシュトルテは考え込むと、また向き直る
krsy
そう言って、互いに一息置くことにする。
krsy
元勇者
キルシュトルテは経緯をありのまま説明すると、彼は困惑しつつも少し納得した様子で自己紹介をする
どうやら彼は記憶の大部分を失っているようで、自身が"元勇者"であることだけを覚えた状態で長い間眠っていたようだ。
元勇者
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元勇者
元勇者
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元勇者
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元勇者
元勇者が思考を巡らせてもやはり感情は変わらないもので、相変わらず納得出来ないと言った様子を見せる
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元勇者
krsy
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元勇者
krsy
そう言いながら指を指す方向には大量の感染生物がいる。
目線だけで、斬るべき場所をよく見定め、勇者は自身が背負っていた剣を、その右手に持つ
元勇者
そして、その剣を、半月を描くように、思いきり___
元勇者
勇者がその剣を振る刹那、1000をも超える感染生物は、その全てが真っ二つになっていたのだ。
大層愉快そうに、キルシュトルテは笑う
krsy
元勇者
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危険な感染生物
元勇者
元勇者
元勇者
krsy
元孤独同士、あっという間に2人は息が合う親友となったのだ。
krsy
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元勇者
元勇者
勇者は左肩を覆う結晶を触って、初めて自分の危うさに気が付く
何かのファッションとでも言わんばかりに、歪な形となった左肩_それを初めて触ってしまった
元勇者
krsy
元勇者
krsy
元勇者
若干の納得感に少しの悔しさを覚えながら、キルシュトルテが悪魔を殺す所をそっと見守る
_やはり、考えてしまう。 彼が自分の名前すら覚えていないのは、何故なのか
クルビア ライン生命 アーツ応用科研究室_
研究員
元勇者
krsy
記憶探しの旅は続く
元勇者
krsy
元勇者
krsy
krsy
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研究員
研究者が考え込む姿勢を見せたのち、こちらに向き直る
研究員
元勇者
研究員
krsy
研究員
研究員
長い旅路で、彼らの仲は確かに構築されている
キルシュ・トルテにも、勇者にも、車や交通機関を利用できるほどの金はない 歩いての移動は辛いものがあるが、金がないのだから仕方ない
krsy
キルシュ・トルテは肩の結晶を指差す
まぁ、当たり前だろう 服で多少隠れているが、左肩が異常な形になっているのは服越しでも分かる、 とても非感染者に擬態しているとは言えないのだ。
元勇者
彼は空になった頭を巡らせて必死に考えてみる、だが鉱石病が不治の病である事実は変わることは無い
元勇者
そんな声が、淀んだ大地の空気と混ざりあう
元勇者
苦痛も、後悔も、もう二度とやり直すことなんて出来ない。
勇者はなにかないか、とおちょくってくる彼の左腕を見る
元勇者
krsy
元勇者
生_それは全ての生物がおそらく持っている本能で、生きるために眠り、食べ、罪を犯す
住処を失った子供も、どこか遠くでは知恵を見つけて生きているのかもしれないし、はたまた飢えて死んでいるのかもしれない
どうしてこうも、自身の過去をはっきり思い出せないのだろう?
キルシュトルテと歩いて、色んなものを見てきた、だがそれは、どのレールにも直結させられないのだ。
ヴィクトリアに倒れていた理由_
思い出に被せるかのように火山灰が積もっている、それをかき分けても、肝心な思い出がすっからかんになっているかのようだ。
元勇者
大きく、溜息をつく。
元勇者
途方もない真っ暗なトンネルに閉じ込められたような気分だ。
どこに行こうと、記憶の鍵が見つかることは無い、どこかに捨てられたまま、きっと大地の酸素に変わっていったのだろう。
krsy
青年は、内心この旅を心の底から楽しんでいた
元勇者
勇者もそれは同じで、どこか楽しんでいたのかもしれない
この旅から逃げ出してみよう、なんて考えてもみなかったし、話し相手がいるのは悪いことでは無かった
krsy
元勇者
青年のフードを少しめくってみれば、ツノが確かに生えていた
krsy
元勇者
krsy
他のサルカズについても勇者はあまり知らないが、にしてもそれ以外の種族に考え方が近い人だ
元勇者
krsy
苦笑いするキルシュトルテを見つめながら、考える
終わりなき旅は、ゴールを定めなくてはならない
krsy
きっと記憶は二度と取り戻せない、だが気になってしまうのだ
元勇者
葛藤_それが元勇者を呑み込まんとする
krsy
元勇者は、この旅が長くなるにつれ、漠然と今の自分について考えるようになった
元勇者
元勇者
キルシュトルテは表情ひとつ変えず、どこから持ってきたかも分からないボイスレコーダーを取り出す
krsy
krsy
キルシュトルテは何かを取り出すと、それを見せてきた
krsy
随分古びたボイスレコーダーだ。 大部分は完全に錆びていて、動くかも分からないが_きっと動くのだろう
元勇者
krsy
krsy
元勇者
元勇者
krsy
krsy
krsy
元勇者
krsy
彼はどうしてそこまで、聞かせることを躊躇うのか?そこまで嫌な内容なのか?
元勇者
krsy
元勇者
元勇者
元勇者
…あぁ、気になってたまらない
自分に対する真実が知れるかもしれないのだ
難解で、解もわからぬ計算式のように、誰かが_彼がずっと求めてきた”答え”が__
krsy
キルシュトルテは、しょうがないといった顔をしながらボイスレコーダーの再生ボタンを押した。
これならば、今の自分がどうするべきか、過去に何があったのかわかるのかもしれない、彼はそう思っていた
そうして、ボイスレコーダーは再生される
消え入りそうなほど小さく、声にならない泣き声をあげる女性の声だろうか_少しの間、それが続く
「…ごめん、なさい、██…」
「…**スラング**…お前がやるって決めたんだろ?これは██を…救うためだ、あいつは…背負い過ぎたんだよ…!」
「そうだけど…そうだけど……」
「██の人生を、ドブに捨てちゃうなんて、そんな_」
自身は思い出せないが、恐らく勇者時代の彼の仲間だ、だけどなぜ泣いている?
何かを取り出す音が微かに聞こえた後、それが無惨にも人の身体に刺さり、肉の音が聞こえる
元勇者
「私はこんなこと…███なかった!!」
強く土を踏む音、砂嵐がマイクをかすめる音、全ての自然の音が、まるで彼に思い出させることを拒むように、肝心な部分のみをかき消していく
「こうやってロドスに治療してもらえば、██は救われ_____」
_録音が、ここで途切れる
元勇者
元勇者
声が震える
自分の”過去”、それを確かに開示される
何故ボイスレコーダーにこんなものがあったのか、彼には分からない
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元勇者
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元勇者
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元勇者
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元勇者
元勇者
元勇者
勇者は、しばらく考え込むと、ある提案をした。
元勇者
彼は、元の彼に戻ることを諦める
そうした方がいいと強く思う。
krsy
元勇者
元勇者
krsy
元勇者
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krsy
元勇者
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ニトは、これまでの旅について思い返してみる
目覚めた街 ヴィクトリアも、キルシュトルテのアーツの真髄を見た炎国も、殺しを見たカズデルも、ライン生命というハイテクな施設を見たあとに、自分の記憶を垣間見たクルビアも
全てかけがえのない思い出で、塗りつぶされるべきではない小説の1ページだ。
何かを遺すことは出来なかったのかもしれない
けれど、二度と忘れてはならない今が、ここに残された。
きっと、それで十分だ。
封印された記憶は、二度と戻ることは無いのかもしれない
けれど、やり直す権利は、喪失者にだってある。
_これからの旅は、人生は、それを行使するに過ぎない、先を決めるのは、あくまで喪失者なのだ。
長い長いレールは、過去のためでなく、今のため、未来のために敷かれた
それは過去のどれにも繋がらない、全く新しいレールである。
ロドス号前_
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キルシュトルテは、どこか淋しそうな笑顔を見せる
今まで見たこともないほどの、向き出された哀の感情は、どこかに吐き出されることも、きっとないのだろう
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そう残して、ロドス号からキルシュトルテは背を向ける
彼が孤独であったことは、何度か聞かされていた
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彼は、また戻ってしまうのだ
「ありがとう。」
ぼやけて見えないくらい遠くなったキルシュトルテが、ニトにすら聞こえない声で、そう呟いた。
風が当たる音に気を取られるうちに、何年も共に旅をした”仲間"は姿を消してしまった。
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