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<黎視点>

<12年後>

珠里

元気だといいね

うん

・・・

僕は少し奥に居るコウを見た

コウ

・・・

何でさっきから機嫌悪いの?

コウ

別に?

首に痣がある男

もらったお花

首に痣がある男

小屋の額縁に入れて飾ってますよね

羽が生えている女

きれいな花だよね

コウ

ああ・・・

何なのさ、さっきから

恋しくなったの?

コウ

まあ・・・な

タッタッタ

一人の男性がこちらにやってくる

体に目がある男

おい、足どかせ

体に目がある男

水野郎

コウ

何だよ。目玉野郎

体に目がある男

黎に用があるんだよ

コウは渋々足をどかした

やっぱりこの二人相性悪かったな

会わせる前からわかってたからなー

どうしたんですか?

拓陸(ひろむ)さん

拓陸さんは百々目鬼で

体のあちこちに目がある

旅をしながら僕と取引してたのは拓陸さんで

少し前にここを主な拠点にしたいと言って

僕は了承した

コウとの仲は相変わらずだが

拓陸

実は森に侵入者がいるんだ

悪さしてますか?

拓陸

透視能力で監視しているが

拓陸

今のところはそんな様子はない

拓陸

ただ・・・

ただ?

拓陸

そいつ変なんだ

変?

拓陸

オレの透視は

拓陸

見られている対象は気づく筈がないのに

拓陸

そいつ、ちょくちょくオレの方を見て

拓陸

会釈するんだ

それは確かに不思議ですね

どんな身なりです?

拓陸

女だ

拓陸

まだ全然若い

拓陸

亜麻色の髪に

拓陸

緑の瞳で

拓陸

巫女の服を来てるな

コウ

拓陸

何か動物たちがそいつに寄ってきたりするし

拓陸

訳わかんn

コウ

そいつ今どこに居る!

コウが拓陸さんの言葉を遮って

喰い気味に話しかける

拓陸

え、何だよ

コウ

どこに向かってる!!

拓陸

川だよ

拓陸

小屋の方角の

コウ

はあっ!

ダッダッダ

拓陸

おい!

拓陸

どこ行くんだ!

駆け出して行ったコウを拓陸さんが止めようとする

行かせてあげてください

拓陸

何なんだよ。黎まで

・・・噂をすればなんとやらって事かもしれません

拓陸

はあ?

・・・

<コウ視点>

ダッダッダ

まさか

ありえない

オレは一生懸命走って

そして川に着いた

コウ

はあ、はあ、はあ

変に力が入って走ったからか

やけに呼吸が荒くなる

呼吸を整えながら川の方を見る

コウ

ん?

上流から何かが流れてきた

それは

確かに見覚えがある

最初は小さくてわからなかったが

輝くような白と艶めくような赤

その2つの色が目に入ったとき

オレは自身で作った押し花を思い出した

コウ

これって

オレは花びらが流れてくる上流の方を見た

そこには

明日

・・・

一人の女性が

白と赤の花束を手に持っていた

風で花が揺らめいて

花びらが散る

その女はその光景をみて微笑んでいる

明日

ふふっ

コウ

あ・・・

コウ

・・・ああ

コウ

明日!

オレは声を振り絞って

大きな声でその名を呼んだ

明日

!!

明日

コウ!

タッタッタ

木霊は、いや明日は

こちらを走ってきた

コウ

お前、なんで

明日

会いに来たの

コウ

そうか

コウ

大きくなったな

明日

もう21歳だもの

目が熱くなる

オレは涙を堪えきれなかった

コウ

良かった

コウ

元気そうで

コウ

本当に

明日はオレの涙を拭いてくれた

明日

美しい涙ね

コウ

そうだな

明日は花束をオレに渡した

とても美しい花々だ

コウ

こんなにたくさんの花を生み出せるようになったんだな

コウ

この花、大好きだ

明日

覚えてたの?

コウ

忘れた事なんて一度もない

コウ

今でも大事にしてる

明日

うれしい

コウ

いい人に育てられたんだな

明日

うん、宇緑さん

明日

私を巫女としてよく育ててくれた

コウ

良かった

オレは何気なく明日の頭をなでる

随分背が高くなってしまったと思った

明日

ふふっ

明日

・・・あのねコウ

明日

・・・私を

明日

・・・私をね

明日

精霊にしてほしいの

コウ

!!

コウ

・・・ははっ

コウ

そこまで学んだのか

明日

うん

明日

水の精霊である、あなたの首の血液は

明日

飲んだ人をあなたと同じ精霊になり

明日

その血液の者の寿命を共有し

明日

同じ時を過ごす

明日

言うなれば

明日

同族の仲間を増やす血であるってさ

コウ

ああ、そうだ

コウ

その通りさ

コウ

・・・でも、いいのか?明日

コウ

お前は・・・人間なんだぞ

コウ

人としての幸せが

コウ

お前にはあるんじゃないのか?

明日

それも考えた

明日

でも、それを確かめるために

明日

ここに来る前に旅をしてきた

明日

色々な景色を見て

明日

色々な人に会って

明日

色々な経験をしたよ

明日

それでも

明日

私の思いは変わらなかった

明日

・・・あなたへの思い

コウ

え?

明日

私、あなたの事が好き

コウ

・・・いいのか?オレで

明日

ええ、12年前のあのとき

明日

黎も私の事を気にかけてくれてた

明日

でも、コウはいつも私の手を引いて

明日

明るい世界に引っ張ってくれていた

明日

私は、私の心に光を取り戻そうと

明日

側にいてくれたていたあなたが

明日

私は好きだった

明日

二人の元を離れて

明日

時が経っても

明日

その思いは変わらなかった

明日

だから、あなたの側に居たい

明日

あなたと生きたいの

コウ

・・・

コウ

その、宇緑さんには言ったのか?

明日

うん

明日

「あなたが望む道なら、私はあなたの幸せを祈るだけだ」って

コウ

わかった

コウ

なら、もう心配はない

オレは片手を川に向けた

ゴボゴボ

川の水を操ると、一本の錆びたナイフが出てきた

コウ

これ、覚えてるか?

明日

12年前に、私が渡されたナイフ

コウ

錆び付いてるが

コウ

首を少し切るには十分だろう

オレはそれを自分に向けて

首を少し傷つけた

静かに血が流れる

明日は血を指につけた

明日

あの時、12年前と

コウ

逆だな

明日

ふふふ

コウ

ははは

明日

それじゃあ

明日は血を口にした

スーー

明日の頬に緑の葉のような模様が出来た

明日

これ、で?

コウ

ああ

コウ

きれいな緑の模様

コウ

草木の精霊だな

明日

うん

明日

・・・抱きしめていい?

明日は少し照れくさそうに言った後

腕を広げた

コウ

はは、もちろんだ

オレは明日を抱きしめた

明日もオレを抱きしめた

コウ

明日?

明日

ん?

明日がオレの顔を見上げる

その可愛らしい顔に

オレはキスをした

明日

!!

コウ

びっくりしたか?

明日

・・・ええ、でも

明日も背伸びをしてオレの頬にキスをし

その後、微笑んだ

明日

うれしい

コウ

オレもだ

明日

あははは

コウ

ははは

オレは明日の体を持ち上げて

二人で回った

花びらが美しく舞う

川のせせらぎが聞こえる

水と花は決して

もう離れる事はない

「枯れた花は水と共に」

END

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