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ワンクッション
チノさんがかわいそう
腐向け・夢向けではありません
114514!て人は
ゆっくりしていってね!
俺の兄ちゃんは、静かな人だった。
でも、男らしくて、頭も良くて、格好良くて……
母さんと父さんは、そんな兄ちゃんのことが大好きだった。
もちろん、俺もあの時まではそれなりに愛されていたと思うけど
何事にも、俺は二の次だったから
チーノの母親
チーノ
いつも言い聞かされていたそれは、元々の俺を変えた
ある日の朝。
父ちゃんと兄ちゃんが、死んだ
2人でドライブをしている時に、大型トラックに突っ込まれたらしい
母さんは、とっても泣いていた。
俺も、泣いた。
でも、心の片隅で、少し、「良かった」と安堵する自分がいた
その日から、母さんは変わった。
チーノの母親
チーノの母親
チーノ
最初は暴言だけだったのが、次第に暴力まで増えていって。
反抗しようとも考えたけど、泣き叫びながら俺を殴る母さんを見て、反抗しようにもできなかった。
チーノの母親
チーノ
ある日、俺が家の掃除をしていると、母さんが何か思いついたように言った。
チーノの母親
チーノ
久しぶりに見た母さんの笑顔。俺を貶しているけれど、母さんの笑顔を見るだけで、傷だらけの心が、少し癒された。
母さんの心からの笑顔を、また見たい。
そう思い、俺は兄さんになる努力をした。
でも。
チーノの母親
母さんは、兄ちゃんを都合のいいように変えた。
俺の知っている兄ちゃんは、食いしん坊なのに!!
チーノ
チーノの母親
もう、昔の母さんは居ないんだって。
兄ちゃんの方が愛情は強いけど、俺にも時々向けてくれる母さんは居ないんだって。
酷く絶望して、
感情を。
無駄なものを。
俺の中で、殺した。
チーノの母親
チーノ
チーノの母親
チーノ
チーノの母親
チーノ
操り人形と化した俺は、母の言うことに全て従った。
そんな俺を見ていい気になったのか、はたまた気味が悪くなったのかはよく分からないが
母はあの日、俺に「死ね」 と言った。
少し、殺したはずのもう1人の自分が揺らいだ。
でも、これで楽になるんだよ、と一声かければ、もう1人の俺は「変われ」と言ってきた。
特に用事はなかったので、変わってやった。
チーノ
チーノ
チーノ
そう言い残し、驚いた顔の母さんを置いて俺は飛び降りた。
チーノ
見たことの無い景色を見た感動
母さんから離れられた喜び
死にたくない恐怖
もう死んでしまうという、悲しみ
あの時、全ての感情が生き返って。
そして、全ての感情が入り交じった大粒の涙を零した。
???
???
???
チーノ
その人の深紅の瞳によく似た色のマフラーが風に揺れた