グイッ
薫
おい…おい!
凪砂
ん?
薫
誰だよお前
凪砂
神田 凪砂
凪砂
高校生がこんな時間にほっつき歩いちゃダメでしょ
薫
!?
薫
なんで分かっ…
凪砂
制服
凪砂
俺もそこの高校生だったよ
凪砂
変なおじさんかおねえさんに連れてかれなくてよかったね?
薫
……。
凪砂
家どこ?送ったげる
薫
てゆーか
薫
俺泣いてないし
凪砂
……え?
薫
さっきの!泣いてないからな!
凪砂
ぷっ笑そんなこと気にしてたんだ?笑
薫
俺はほんとに…
凪砂
知ってる
凪砂
あんなの嘘に決まってんじゃん
薫
は…
凪砂
おだてりゃあんなおっさんすぐ満足すんだから
凪砂
な?
薫
……。
なんかこいつ…目が笑ってない……
凪砂
……ここ?
薫
…そうだけど
凪砂
ここまで素直に教えて貰えちゃったら逆に怖いな
凪砂
ていうか隣なんだね、君
薫
……!?!
凪砂
俺も今知った
薫
すっ…ストーカーかよ
凪砂
んなわけないでしょ
凪砂
男に興味あっても子供はごめんだね
薫
子供って…お前いくつだよ
凪砂
22
薫
はー?
薫
5個差くらい変わんないだろ
凪砂
いや、変わるでしょ
凪砂
……まあとにかく
凪砂
もうあんな時間にほっつき歩くのやめとけよ
薫
余計なお世話だ
凪砂
家族が心配するぞ
薫
……。
薫
……心配してくれんならとっくに行ったりなんかしない
凪砂
……なーに
凪砂
訳あり?
薫
……まあでも
薫
助けてもらった借りは返さなきゃだしな
薫
なにすればいい
凪砂
ははっ笑まじ律儀でうける
凪砂
引っ越してから挨拶もされてないし
凪砂
明日にでも茶菓子持ってきてくれたら充分
ポンッ
薫
!
凪砂
…早く寝ろよ
薫
……言わなくても寝るし
初めて目を見てこんなことを言われた
こんな奴に少し安心を覚えた自分に 少し驚いた







