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5話 気づかないふり
S
放課後。
公園へ向かう途中、Sが嬉しそうに聞いてきた。
M
Mがそう言うとSは少しだけ笑った。
S
その一言だけなのに
なぜか少し嬉しかった。
その日の公園にはいつもの6人が集まっていた
男子3人。女子3人。
いつものメンバー。
そして、その真ん中をMと犬、めいが元気よく走り回っていた。
友達
Y
男友達が頭を撫でる。
めいは、しっぽを振ってMと走り回る。
Mは笑いながら一緒に走り回った。
この時間が好きだった。
学校とは違う。
宿題のことも忘れて
ただ友達と笑っていられる。
そんな放課後の時間が1番好きだった。
Y
気になっているYが言った。
M
Y
M
気になる人がボールを投げる。
めいは、嬉しそうに走って。
そのままMも走った。
Y
Y
めいは、二人の間を行ったり来たりしながら遊んでいた。
笑い声が公園に響く。
その時だった。
少し離れたベンチから大きな声が聞こえる。
S
みんなが振り向く
Sだった。
なにか思いついたように笑っている。
嫌な予感がした。
そして
Sはニヤッと笑って言った。
S
一瞬静かになり
次の瞬間。
友達
公園中に笑い声が広がった。
友達
友達
友達
男友達まで笑う。
そう。みんな、MがYを気になっているのは知っている。
気になる人も照れ笑い?しながら
Y
と言った。
M
Mは慌てて否定した。
M
S
S
M
S
M
みんながまた笑う。
恥ずかしかった。
顔が熱い。
もう帰りたくなるくらい恥ずかしかった。
遊びが再開したあとも
Mは少しだけ落ち着かなかった。
気になる人と話していても
犬と遊んでいても
視線の先には、なぜかいつもSが居る。
友達と笑っているS。
ボールを投げてるS。
めいを呼んでいるS。
気づけば、また見てしまう。
M
M
自分でも分からなかった。
少し休憩しようと
みんなでベンチに座る。
めいも疲れたのかMの足元で寝転んだ。
すると突然
めいが起き上がってSのところへ走っていく。
S
Sがしゃがむ。
めいが嬉しそうにしっぽを振ってSの手をペロッとなめた
友達
みんなが驚く
友達
Sが得意そうに笑った。
S
友達
みんなが笑った。
Mも笑った。
めいが嬉しそうにしているとなんだか自分まで嬉しくなった。
夕方。
空がオレンジ色に染まる。
Y
Yが言って。
みんなが荷物を持って
友達
友達
1人ずつ帰っていく。
Sも歩き出した。
少しだけ振り返って。
S
M
Mも手を振り返して
帰り道。
めいと並んで歩きながら
今日のことを思い出す。
「デートしてるー!!」
そう叫んで笑っていたS。
恥ずかしかった。
本当に恥ずかしかった。
でも、
頭の中に残っていたのは気になる人の笑顔では無かった。
Sの笑顔だった。
M
Mは声に出すほど首を振って。
M
だから
Sを好きなわけじゃない。
そう思おうとした。
思えば思うほど
胸の奥が少しだけ苦しくなった。
風が吹く。
めいがMの隣で嬉しそうに歩く。
その姿を見て小さく笑った。
まだ、この気持ちの名前は知らない。
いや、
本当は知っていたかもしれない。
でも私は
気付かないふりを選んだ。
それが1番、傷つかないと思ったから。
──────続く。
コメント
1件
うわあ…「気づかないふり」かあ。もうタイトルから心臓がぎゅっとなったよ。最後の「本当は知っていたかもしれない」ってとこ、すごく来た…わかるよ、その気持ち。認めたら自分が壊れそうで、見ないふりするの。SくんがめいをなでてるときのMちゃんの目線、自然にSにいってたもんね。好きな人より、いつの間にか気になる人の近くにいるって、もう答え出てる気がするよ。このもどかしさ、すごく伝わってきた…続きが気になるよ🥀