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恋する気持ち。#2

第1話 - 恋する気持ち。#2

2020年07月31日

#恋愛

chi__chan

1週間後

らら

で、どこまで進んでるの？？

千咲

何が？

らら

何がって１つしかないじゃない！ポチくんと

千咲

あぁ。あれ以来会ってないから

らら

え？！あれ以来ってもう1週間も経ってるじゃない！何やってるのよ！！

千咲

だって別に会う用事ないし

らら

会う用事が無くたって会うのが恋人なの！

千咲

恋人って言っても契約してるだけだから

らら

でも恋人は恋人！そんなんじゃおじさんにすぐバレちゃうよ！

千咲

そうなの？

らら

ほんと恋愛初心者は困っちゃう！

千咲

悪かったわね

らら

よし！今からポチくんに会いに行こう！

千咲

え？いいよ別に

らら

良くない！行くよ！

施設前

らら

へぇ。ここで働いてるんだ。あおぞらってなんか可愛い

千咲

仕事の邪魔できないからもう行くよ

らら

ポチくんに会うまで帰らなーい

千咲

ちょっとー

美央

あのぉ、何か用ですか？

千咲

？

らら

ポチくん、じゃなかった。吉野晴人さんいらっしゃいますか？

美央

失礼ですがどちら様ですか？

らら

えーっとぉ

晴人

千咲？

千咲

！

らら

ポチくん！

晴人

ららさんも、どうしてここに？

らら

会いに来ちゃった♪

美央

晴人、知り合い？

晴人

あぁ、まぁ

美央

、、

千咲

、、

晴人

あ、美央。事務長が呼んでた

美央

わかった。それじゃあ

千咲

(会釈)

晴人

なんか用事？お父さんに呼び出されてるとか？

らら

ううん。2人が全然会ってないって聞いたから

千咲

私は止めたんだけどね

らら

来たかったくせにー。素直じゃないなぁ

千咲

、、

晴人

？せっかく来てくれたし入ってよ。中でお茶でも

らら

やったー！千咲行こう！

千咲

、、

会議室

晴人

はい。こんなところで申し訳ないけど

らら

全然♪

千咲

、、

らら

ちょっと、なんか話してよ。久しぶりなんでしょ？

千咲

別に喋ることなんて、、私トイレ行ってくる

晴人

出てすぐ右だから

千咲

うん(出て行く)

らら

ほんと無愛想なんだから

晴人

昔からあんな感じなの？

らら

うーん、、昔は良く笑ってたんだけど、まぁ色々あって。悪い人じゃないんだけどね

晴人

古川さんも言ってた。小さい頃色々あったって

らら

じぃじさんは千咲が生まれる前からあそこで執事として働いてるからねぇ。大抵のことは良く知ってると思う

晴人

そうなんだ

らら

知りたい？千咲のこと？

晴人

え？

らら

もしかして興味湧いてきた？あの子に

晴人

いや、興味っていうか、気になって

らら

気になる？

晴人

1週間前、お見合いするはずだった人と揉めてた時、口調はきつかったけど、涙目だったから

らら

千咲が？

晴人

うん。決して逃げる感じは無かったけど、すごく怖かったのかなって

らら

、、千咲は気を張りすぎてるのかも

晴人

え？

らら

千咲ね、7歳の時にお母さんが家を出て行っちゃって。その時のことは詳しくは教えてくれないけど、じぃじさんが言うには結構酷いこと言われたみたいで。おじさんの唯一の身内だからあの会社を自分が守らなきゃって気持ちが強いんだと思う。その頃からなの、千咲が笑わなくなったのも

晴人

そっか、、

らら

これ、私から聞いたって言わないでね

晴人

わかった

らら

ていうか、千咲遅いわね

晴人

ちょっと見てくるよ

中庭

千咲

はぁ

蒼介

(砂場で遊んでる)

千咲

？、、(近くに寄って行く)

蒼介

お姉ちゃんだれ？

千咲

え？私は、、は、晴人の友達

蒼介

晴兄の？

千咲

そう。みんなと遊ばないの？

蒼介

、、

千咲

1人で寂しくない？

蒼介

、、

晴人

(来る)？

千咲

、、私もね、小さい頃はよく1人で遊んでた

蒼介

お姉ちゃんも？

千咲

うん。お友達が出来なくて、周りの大人に色々言われて。1人でいる方が楽だった

晴人

、、

千咲

でもね、ずっと1人は寂しいよ。砂遊びは1人でできるかもしれないけど、鬼ごっこやかくれんぼは1人じゃできない。お友達を作るには勇気を出して声をかけるの

蒼介

でも僕、、

千咲

大丈夫。もし、勇気を出して声をかけても友達が出来なかったら、私が君のお友達になってあげる

蒼介

ほんと？

千咲

うん、約束する

蒼介

僕頑張る！

千咲

☺️

晴人

！

蒼介

晴兄！

千咲

！？

晴人

蒼介、こんなところにいたのか

蒼介

僕ね、みんなに声かけてみる

晴人

よし！頑張れよ！

蒼介

うん！(走って行く)

晴人

、、こんなところにいたんだ

千咲

ちょっと外の空気を吸いたかっただけ。もう戻るから

晴人

(腕を掴む)

千咲

！

晴人

今日うち来ないか？

千咲

え？

晴人

、、

千咲

、、

アパート前

千咲

、、

晴人

、、ららさん大丈夫だったかな？1人で帰して

千咲

いつものことだから大丈夫

晴人

そういえば古川さんに連絡しなくて大丈夫？

千咲

別にもう子供じゃないから

晴人

そっか

千咲

、、なんで部屋に呼んだの？

晴人

、俺のこと色々知って欲しくて

千咲

え？

ガチャ

晴人

ただいまー

優子

おかえりなさーい。あら？その子は？

晴人

えっとー

千咲

はじめまして、桜井千咲と申します

晴人

！

優子

はじめまして。えーっとどうゆう関係？

晴人

えーっと、、お付き合いしてるんだ、千咲さんと

千咲

、、

優子

え？！そうだったの？！やだ！それならそうと早く言ってよ！なんの準備もしてないし、格好だって適当だし、ごめんなさいね！

千咲

あ、いえ

晴人

俺の母さん

千咲

あ、そうなんだ。お世話になってます

優子

いえいえ、こちらこそ。こんなところじゃなんだから入って入って

晴人

どうぞ

千咲

失礼します

リビング

優子

片付けもしてなくてごめんなさいねぇ。晴人、来るなら来るって朝言っていってよ

晴人

急に決まったから

千咲

押しかけてしまってすみません

優子

いいのいいの！謝らないで。そうだ！夕飯食べて行って！何か作るから

千咲

いや、お構いなく

晴人

母さんのご飯は絶品だから

千咲

、、

1時間後

優子

時間かかっちゃってごめんね

晴人

いただきまーす

千咲

いただきます(食べる)美味しい

晴人

だろ？

優子

カレーなんて誰でも作れるんだけどね

晴人

うちのカレーには隠し味が色々入ってるからさ

千咲

、、

晴人

どうした？

千咲

、、家でカレー食べたことないから

優子

あら？お母さん作ってくれなかったの？

千咲

、母は7歳の時家を出て行きました。以前からも母が料理をすることはなかったので、1度も手料理を食べたことはありません

優子

そうだったの、、

千咲

シェフが作ったどんなに美味しい料理よりも、親が作った手料理の方が何十倍も美味しいんですね

優子

、、(抱く)

千咲

！

優子

そうよ！親が作った料理は格別なんだから！だから、食べたくなったらいつでも来なさい！待ってるから

千咲

！(涙)はい

晴人

、、

帰り道

晴人

今日は急に誘ってごめん

千咲

ううん。美味しいご飯が食べれたから。それに晴人のお母さんにも挨拶できたし

晴人

、、違うんだ

千咲

何が？

晴人

優子さんは俺の本当のお母さんじゃないんだ

千咲

え？

晴人

俺、生まれてすぐに今の施設の前に捨てられてたみたいで。あの施設で育って優子さんが引き取ってくれて。だから血が繋がってるわけじゃ

千咲

そんなの関係なくない？

晴人

え？

千咲

実の親だとか血が繋がってないとか関係ないと思う。私には、2人は本当の親子に見えたけど。それだけじゃダメなの？

晴人

、、

千咲

なに？

晴人

いや、引かれるかと思ったから

千咲

なによそれ。そんなんで引かないから(微笑む)

晴人

！

千咲

今度はなに？

晴人

笑った

千咲

え？

晴人

初めて笑った！

千咲

私をロボットとでも思ってたわけ？

晴人

いや、うん、まぁ

千咲

、、ありがとう

晴人

え？

千咲

色々教えてくれて

晴人

、、

千咲

なんなのよ

晴人

面白いなぁって思って。無愛想だったと思えば笑ったり感謝したり。思ってたよりも面白いなぁって

千咲

今すぐドレス代払って

晴人

ごめんって

千咲

(微笑む)たしかにこうやって笑ったのは久々かも

晴人

そっちの方がいいよ

千咲

、、

晴人

、、

美央

晴人？

晴人

美央

千咲

、、

晴人

買い物か？

美央

あ、うん。お母さんに頼まれて。あなた今日施設に来てた

千咲

桜井千咲です

美央

私、晴人の幼なじみの三浦美央です。あの、晴人とはどうゆうご関係で

晴人

お付き合いしてるんだ

美央

え？、、そうなんだ、、

千咲

、、もうここでいい

晴人

え、でも

千咲

そこまで迎えに来てもらってるから。今日はありがとう。じゃあ

晴人

またな

千咲

、、

晴人

(千咲を見てる)

美央

、、可愛い人だね。いつの間に彼女できてたの？

晴人

つい最近な

美央

そっか、、迎えに来てるって言ってたけど、ご両親とか？

晴人

執事の人

美央

執事？！千咲さんって一体何者？！

晴人

桜井ホールディングスって知ってるか？

美央

うん、色んなところにショッピングモールとかビルとかあるよね

晴人

そこのお嬢様

美央

え？！なんでそんなすごい人が晴人と付き合ってるの？！

晴人

色々あったんだよ。行くぞ

美央

、、

2ヶ月後　桜井家

らら

はぁぁー！暑い！

千咲

夏だからね

らら

どっか行きたいなぁー。ねぇ！ポチくん誘ってどっか行かない？？

千咲

晴人は仕事だから

らら

そっかー。。てか、ちゃんと名前で呼んでるんだね😏最近ちゃんと会ってるの？

千咲

名前で呼べって言ったのはそっちでしょ。まぁ、1週間に1回ぐらいは

らら

なんだー。ちゃんと恋人やってるじゃーん♪もうこのまま本当の恋人になっちゃえば？

千咲

別にそういうんじゃないから

らら

ポチくんならいいなーって思ったのになぁ

父

なんの話かな？

らら

おじさん！お邪魔してます！

父

いらっしゃい

千咲

ただの世間話だから

父

そういえば交際の方はどうだ？順調か？

らら

はい！もちろんです！

千咲

なんでららが答えるのよ

らら

証人が必要かなぁ？って思って

父

またうちに連れてきなさい

千咲

え？

父

2ヶ月前に連れてきたっきりだろ。彼としっかり話がしたい

千咲

彼忙しいから

父

こっちも忙しいが時間を作るんだ。彼にもそう伝えなさい

千咲

、、

アパート前

千咲

(待ってる)

優子

あら？千咲ちゃん？

千咲

こんにちわ

優子

晴人ならまだ帰ってきてないのよ

千咲

そうですか。じゃあまた出直します

優子

待って！もう少しで帰ってくると思うから入って待ってて

千咲

、、

リビング

優子

紅茶でいいかしら？

千咲

はい。ありがとうございます

優子

そういえば聞いたわよ。千咲ちゃん、桜井ホールディングスの社長令嬢なんですって？びっくりしちゃった

千咲

そんな大したことは

優子

少し前にお母様のこと話してくれたでしょ？それからちょっと気になってて。今は大丈夫？

千咲

もう昔のことですから

優子

ずっと1人で抱え込んでたんでしょ。良かったらおばさんに聞かせてくれないかな？

千咲

、、私が物心ついた時から父は仕事で忙しくてあまり家にはいなくて。母もお世話になってる人たちへの挨拶回りなどでいつも忙しくしてました。私は執事がいつもそばにいてくれたので寂しくはなかったんですけど。そんな時、父と母の喧嘩がよく起こるようになって。私が7歳の時、耐えきれなくなった母は外に男を作って出て行きました

優子

そうだったの

千咲

私、母には出ていって欲しくなくて行かないでって言ったんです。そしたら、、あんたのせいでこうなったって

優子

え？

千咲

あんたを産んだから父との喧嘩が増えて、環境がおかしくなったって。あんたなんか生まなきゃ良かったって言って出て行きました

優子

そんな、、

千咲

その時は理解できなくて。なんでそんなこと言われたんだろうって。でも、後々周りから聞いたんです。跡取りとして男の子を作りたくて子供を産んだのに、女の子で、次を作りたかったけど、母の体ではもう2人目を作ることはできなくて。私を産んだ母は周りから心無いことを色々言われたようです。それに耐えきれなくなって、、

優子

千咲ちゃん、、

千咲

母が出ていった後、私も周りから色々言われました。可哀想な子とか。でも私、負けたくなくて。私は可哀想な子じゃないって証明したくて、今まで跡取りとして一生懸命勉強してきました。そんな感じです、私の人生

優子

話してくれてありがとう。今まで大変だったのね

千咲

そんな大したことはないです

優子

千咲ちゃんは強いわね

千咲

え？