隼士
俺は、紗來(嫁)と一緒に乗っていた車で事故ってしまったらしい
原因はトラックの居眠り運転だった
隼士
ふと隣を見ると、心配そうな顔をして俺を見ている紗來がいた
隼士
俺がそう言っても嫁は心配そうに見つめるばかり
隼士
なんだか俺の声が聞こえてないみたいだった
隼士
俺は少し寂しくなったが、紗來が無事で嬉しかった
病院にいる間紗來は、ずっと俺のそばに居てくれた
紗來
隼士
相変わらず紗來には、俺の声が聞こえてないようだがずっと返事を返していた
紗來も返事のない俺にずっと声をかけてくれた
紗來
そばにある棚の上に、不格好なウサギリンゴが置かれた
隼士
紗來が不器用ながらに一生懸命作ってくれて、とても嬉しかった
最近は仕事ばかりで、こんなに紗來とゆっくり過ごせるのは久しぶりだった
色々な感情が溢れて、少し泣きそうになってしまった
紗來
隼士
そうだった
そういえば俺、紗來を載せて病院に向かってる途中だった
…俺と紗來の他には誰もいなかった
紗來
紗來がそっと俺の頭を撫でる
その手はとても暖かかく、心地よかった
すぐにその手を取りたかった
でも体が全く動かない
紗來
目が覚めると、紗來の姿はなかった
父さん
母さん
父さんたちの声が聞こえる
院長
周りには父さんたちだけじゃなく、紗來の家族もいた
母さん
紗來の母
みんな良かったって大騒ぎしてた
院長
母さん
父さん
なんと俺の子は奇跡的に無事だった
隼士
院長
院長の顔を見て察した俺は、言葉が出なかった
紗來は事故後すぐに病院に搬送されたが、手遅れだったらしい
俺は溢れる涙を堪えるのに必死だった
赤ちゃん
看護師が赤ちゃんを抱いてやってきた
赤ちゃんを見た瞬間、堪えていた涙が一気に溢れた
隼士
俺は看護師から赤ちゃんを受け取った
俺と紗來の家族みんなで泣いた
隼士
隼士
もう少し寝ていたかった
もう少し、紗來と一緒にいたかった
コメント
1件
初めてなので変なところがあるかもしれませんが、暖かい目で見てください!